トム・クルーズが敵視する4媒体を出入り禁止にし、非難の対象に
50歳の大台に乗ってからも第一線で大作映画に主演し続ける、俳優のトム・クルーズ。結婚・離婚を繰り返しても新興宗教の熱心な信者であっても彼の人気は不動であり、この30年間トップスターとしてハリウッドに君臨している。そんな彼が新作映画のプレミア上映会から、敵視している4誌のタブロイドを出入り禁止にしたことが明らかになり、ネット上では「小さい男」などと冷ややかな目で見られている。
『卒業白書』(1983)で、ワイシャツにブリーフ姿でエアギターをかき鳴らしながら踊りまくり、押しも押されもせぬスーパースターへの階段を駆け上がったトム。しかし、最近主演した『ロック・オブ・エイジズ』『アウトロー』の興行成績はパッとせず、最新作の『オブリビオン』にかなり力を入れているようだ。アメリカよりも海外での人気が高いトムは、2週間かけて『オブリビオン』のプロモーションのため世界中を飛び回ってきた。台湾のプレミア上映会では集まったファンにサービスを続けたためレッドカーペットを歩き終えるのに2時間もかかり、モスクワのイベントではウクライナ出身の共演者オルガ・キュリレンコを褒めちぎり会場を沸かせた。寒いロンドンでは背後に“ヒーター係”を従えながらレッドカーペットでファンサービスを行い、海外では「大スターなのに、そこまでしてファンと交流するトムは素晴らしい」と好意的に報道。だが、アメリカでは「そんなにケツが冷えるのか」とバカにする報道が多かった。
海外メディアはリスペクトし続けてくれるのに、アメリカのメディアからはおちょくられてばかりいるトム。その理由は、新興宗教であるサイエントロジーの実質ナンバー2であることや、明るく健康で清純なケイティ・ホームズを精神的に追いつめ、激痩せ&白髪だらけのオバさんにした横柄な夫だと思われていることが考えられる。ケイティが産んだ、トムにとって唯一の実子であるスリの行く末を案じるメディアも多く、「スリをサイエントロジーに引きずり込もうとしている」など、根拠もなく報道している。
当然のことながら、トムはそんな米メディアを敵視しているのだが、中でも最も嫌っている「US Weekly」「Life & Style」「In Touch」「The Hollywood Reporter」のタブロイド4誌に対して、『オブリビオン』のプレミア上映会への出入り禁止を突きつけたそうだ。
米ゴシップ芸能サイト「TMZ」によると、トムは、昨年10月に「スリを捨てた」というセンセーショナルな記事を書いた「Life & Style」「In Touch」に対して、5,000万ドル(約50億円)の支払いを求める名誉毀損訴訟を起こしており、この2社のことは敵だと見なしている。「US Weekly」はケイティとの離婚の際、彼女寄りの報道をしたり、離婚原因がサイエントロジーであるような報道をしたのが気に入らなかったものと見られている。
「The Hollywood Reporter」はゴシップ誌ではなく、エンターテインメント業界の情報を扱う週刊誌。大スターや監督らのインタビュー記事も多く、信頼できるメディアだと一目置かれている。だが、トムは、今回出入り禁止にした4誌の中で、この「The Hollywood Reporter」を一番敵視しているとのこと。なぜなら、同誌がこの1年あまりに、サイエントロジーに関する否定的な記事を20本以上掲載しているからだという。
「The Hollywood Reporter」は今年1月、ピューリッツァー賞作家ローレンス・ライトが執筆した暴露本『Going Clear: Scientology, Hollywood, and the Prison of Belief(すべてをクリアに:サイエントロジー。ハリウッド、そして信仰の囚人)』の特集記事を掲載。サイエントロジーがいかにトムを洗脳したかや、ニコール・キッドマンとの結婚生活に与えた影響についてつづり、トムとニコールを離婚させたのもサイエントロジーだったと結論づけた。また、トムが、教会指導者のデビッド・ミスキャベッジに向かって、「アーノルド(・シュワルツェネッガー)みたいなファッキングなヤツがカリフォルニア州知事になれたんだ。オレなら大統領になれるね」と発言したことも記事にしており、恐らく、これがトムの逆鱗に触れたものとみられている。
トムが、大嫌いなタブロイドを新作映画のプレミア上映レッドカーペットから追放したことに関して、ネット上では「背も小さいが、ケツの穴も小さな奴だ」「こんなことをすれば、さらにイメージダウンになるのが理解できないのか」「サイエントロジーに洗脳されてることを、証明する形になった」「サイエントロジーはカルトだから、トムの奇行も仕方ないのでは」などと非難する声が多く上がっている。
「ぜひ、宇宙旅行に行ってみたいね」「エイリアンはいると信じてるよ」という軽い発言も、サイエントロジー信者だからだと書き立てられてしまうトム。なんでもかんでもサイエントロジーを引き合いに出され、面白おかしく書き立てられることに、うんざりしている気持ちは分からないでもない。とはいえ、マスコミを敵にまわすことはマイナスになるのではないかと、ファンは心配しているようだ。