ファッションと読み物の温度差が大きい「AneCan」は、フェミニン・パンクを目指せ!
「AneCan」(小学館)2013年5月号、表紙は蛯原友里、高垣麗子、押切もえの3人。代わり映えのしない、いつもの「AneCan」の表紙です。思えば、創刊~6年後の今でも毎月この3人の誰かがほぼ同誌の表紙を飾っています。過去には有村実樹が単独で表紙を飾ったこともありましたが、人気は定着せず……。平均読者年齢28.8歳ですが、表紙モデル3人はいずれも33歳。今月号を見てみると、その世代交代や代わり映えしない誌面の原因となってくるものが見えてくるのです。と、大げさに前フリしたところで、今月号のトピックからどうぞ!
<トピック>
◎かわいいだけじゃ生きていけない!? 甘×辛MIXでいこう!
◎AneLADY100☆2013、105人全員登場!
◎結婚してわかったこと離婚から学んだこと
■林家パー子あたりに師事するもよし!
カジュアル全盛の昨今。女性誌には「こなれ」という文字が氾濫し、コンサバと「こなれ」カジュアルを両立させた「CLASSY.」(光文社)や、カジュアル志向の「InRED」(宝島社)がアラサー女性向けファッション誌の中でも頭ひとつ抜きんでている印象。もちろん「AneCan」としてもこれまでの「甘い」「かわいい」だけではない、「辛口」「カジュアル」を取り入れて、雑誌市場で存在感を取り戻したいところ。
今月号の大特集でも、「かわいいだけじゃ生きていけない!? 甘×辛MIXでいこう!」と読者に脅しをかけ始めています。ほかにもスタイリスト・入江未悠の連載「Miyu’s Bar―かわいいのその先へ―」でスモーキートーンのコーデを提案したり、「AneCan」モデル・葛岡碧が“あれっ、これ「CLASSY.」だっけ”と見間違うほどのキレイめカジュアルを啓蒙する「大人気!『碧カジュアル』」というページがあったりと必死。でもそれが編集部の一方通行だというのが、如実に出ているのも今月号の特徴。
今月号には同誌の読者モデル組織を紹介する「AneLADY100☆2013、105人全員登場!」というページがあるのですが、これを見ると、あっけに取られます。だって、ほとんどの読者モデルが鎖骨下の長さの髪の毛+ヘアアイロンで作った巻髪+前髪もナナメ分けというエビちゃんヘア。おまけにボリューミーなリボンが目を引くトップス、総レースのワンピース、パステルピンクやミントグリーンのアイテムを好むなど、「かわいい」「フェミニン」なコーデが大好き。まさにエビちゃん全盛期からなんの変わりもない、王道のコンサバファッションが読者に脈々と受け継がれているのです。
読者の嗜好がフェミニンならば、入ってくる広告ももちろんフェミニン! 例えば「ハロッズホワイトレーベルの春服でいつだってフェミニンでいこう」ではウエストマークにでっかいリボンがついたワンピ、「品よくかわいい プロポの春――」では“ふわゆるお嬢さんワンピ”“リボン付き美人タイトめスカート”が推されています。