JYJドームコンサートでやっぱり右翼が街宣……その中身とは?
開催前から、運営サイドに右翼が抗議活動を行うなど、不穏な空気が流れていたJYJの東京ドームコンサートが、4月2~4日に開催された。そして、案の定というべきか、コンサート開催時間前には、ドーム周辺を右翼の街宣車が走り回るという異様な光景が見られた。開催初日である2日の朝の街宣は、このような内容だったという。
「韓国人気グループのJYJが、本日より3日間、2、3、4とコンサートを行っております。さて、都民のみなさん、韓国人気グループJYJは、3・11東日本大震災の被災者を支援するためと称し、平成23年6月両国国技館、および10月には国有地でもありますひたち海浜公園で大震災の被災者救済の支援コンサートを行いました。しかし、この人気グループJYJは、わずか数十個の放射能測定器を寄付するのみで、何ら被災地、そして被災者に支援することなく、金だけ荒稼ぎし、7億という数字が出ております。このチャリティコンサート、7億の売り上げを上げて、そして、その7億をそのまま韓国に持ち帰ったのが事実であります。このようなJYJの不誠実な詐欺的行為に抗議し、我々正氣塾はJYJの日本での公演の中止を求めるのであります」
寄付云々についての真偽は不明だが、この街宣を行ったのは、長崎県を中心に拠点とする右翼団体「正氣塾」で、1990年に長崎市長銃撃事件を起こして、一躍全国区になった団体である。
対して、コンサートを見に来ていた女子高生は、「なんか声が聞こえてましたけど、何を言っているのかさっぱりわからないし、気にもならなかった。なんのために来ているのか、意味がわかんない」と冷めていた。
実際には、右翼の街宣車1台に対して、ドーム周辺には数万人のJYJファンがコンサートを前に盛り上がっている状態だったため、ほとんどの人が街宣車の存在にさえも気づかなかったようだ。当日は計2回の街宣活動を行っていた模様だが、大きな混乱は起こらなかった。なにより、当の街宣車がいまいち迫力に欠けていたようだ。前述した街宣は、このように続いていたという。
「JYJファンの皆さん、また御通行中のみなさん、ドライバーのみなさん、大変ご迷惑をおかけしておりますが、我々のこの運動の趣旨をどうか理解の上よろしくお願いいたします。私たちは九州は西の果て、長崎よりやってきました民族運動団体政治結社・正氣塾行動隊であります」
コンサートの妨害を本気で妨害してやろうと感じでもなく、どうも“形だけ”でも街宣をする必要があったようにも思える。裏でどんな駆け引きがあったのかはわからないが、表向きはJYJのコンサートは大きなトラブルもなく、3日間の公演を無事終えたようだった。