アラフォー女の告白――タイ人ホストとのセックスは一夜のつもりでした
数年前からタイのバンコクに住んでいます。現地採用として現地の会社に勤める、いわゆるOLです。仕事が忙しくて恋人もいない寂しい毎日送っていた中、心の癒やしを求めて、バンコクからバスで2 時間ほどのパタヤというビーチのある街で、タイ人のホストにハマってしまいした。
きっかけは、友人からタイにもホストクラブがあるっていうのを教えてもらったことです。ある週末、彼女と一緒にパタヤのホストクラブめぐりをしました。日本でもホストクラブなんて行ったことなかったのに。バンコクでなくパタヤだったのは、職場と生活の日常から離れて、解放されたかったからです。
ちなみに、夜遊びスポットには男の子が半裸で踊り、気に入った子がいれば連れ出せるゴーゴーボーイもありますが、こちらは主にゲイの方向けです。タイではホストクラブは「カラオケ」とも言って、水商売で働く女の子がお店を上がってから行くように作られているので、ゴーゴーボーイよりも行きやすいです。
何軒かハシゴしてみたんですが、ある1軒の店で、運命的な出会いをしてしまいました。その店は、夜の早い時間はホステスのいるカラオケですが、その営業が終わって24時から朝まではホストクラブに変わるという業態。ホストは40人くらいいる結構な大型店です。ステージに男の子たちが並んで、好きな子を選べるという顔見せの時間があります。あんまりパッとしないなーと思った中で気になったのが、タイ人にしては大柄で175センチくらいはある色白の子。髪型はメンズナックル系みたいだけど、顔は割とあっさりしていて、あんまりタイ人ぽくない。なんとなく松田龍平に似てるかも……?
彼、A君は「キャプテン」と呼ばれるチーママみたいな役で、顔見せのMCをしたり、席を回ったり、一応お店の仕切りができるらしい様子でした。席に呼んで乾杯すると、彼は「日本人が好きだ」と言ってニコニコしていて、なんかかわいいなって思って……。そのうち、お客さんが続々と入ってきて、どんどん席が埋まっていきます。タイ人の水商売の女の子ばかりなんだけど、彼女たちの飲みっぷりがすごいんです。ビール1本頼んでる私と違って、ウィスキーのボトルをどんどん開けて、ホストを侍らせてひっきりなしにカラオケを歌う……。圧倒されて、すごい世界だなと思いました。
その日は軽くビールだけ飲んで帰ろうとしたら、彼が電話番号を聞いてきて、「明日、映画見に行こう」って言うんです。なんか初めてのデートの誘いみたいで新鮮で、枯れた中年女の心はまるで中学生のように躍りました。
翌日の夜、友人と飲んでいたら、深夜2時半頃、A君から電話がかかってきました。「今から迎えに行く」というので、彼の店に今度は1 人で行くことにしました。すると、彼はものすごく派手なスポーツカーで来たんです。若干引いちゃうような、カスタマイズされたヤンキー車。どうやらお金は持っているらしい。スポンサーがいるのかもしれないけど。
それで、店に行くとまたもお客さんでいっぱい。カッコいい子は全然いないのに人気はあるみたい。2回目でちょっと慣れたっていうのもあって、飲んだり歌ったりして昨日よりはリラックスして楽しみました。2時間ほど過ごして帰ろうとすると、彼がちょっと考えるような素振りを見せてから、上目使いでちょっと恥ずかしそうに、「僕も行っていい? 一緒に寝たい」って言ってきました。 もしかして本当に私のこと好きなのかな、って半信半疑でしたけど、ホストクラブは連れ出すシステムがあるので、店にお金を払えば好きなホストを連れて帰れます。
別に私は、ヤリマンじゃないんですよ。基本的には付き合っている人としかセックスはしない真面目な女です。でも、長年付き合っていた恋人と別れてから、たがが外れたっていうか、30歳を過ぎてから性欲が前より強くなって、やるだけのセックスにも抵抗がなくなって。あと、相手が日本人だと、自分がどんな仕事をしていて年齢がいくつで……といったことを気にしちゃうけど、タイ人だとそれも気にならない。むしろ忘れられる。日本人で、年はいってても、金が少々あるってだけで許されるから。
だからまあ、彼とも1回くらいやってみたいな、って思って、連れ出すことにしました。しかも、彼が連れ出し代を半分出すって言うから……。
そして、彼の車で連れ込みホテルのようなところへチェックイン。ジャケットを脱いだ彼は意外に細身で、笑うと歯の矯正が見えるのが萌える……。シャワーを浴びてベッドインしました。すると、彼は前戯もなしで「アイラブユー」とか言いながら、いきなり入れてきて、激しく攻めるんです。
普段しゃべってる声は猫なで声みたいなかわいい声なんだけど、イクときは、すごい低い声でうなるので、そのギャップにまた萌えて……。「タイ人は愛情表現する時、こうするんだよ」って言って、顔にいっぱいキスしてきたり、子どもみたいなところがあるのがかわいい。
初めて一緒に泊まったホテルの部屋
そして、別れ際に彼に1,000バーツ(約3,000円)のチップを払いました。そう、彼はホストだから、セックスしたらお金を払わなきゃいけない……。翌日、バンコクに帰るバスに乗ったら、彼から電話がかかってきて、また会いたくなっちゃってる自分に戸惑いました。一夜の遊びのつもりが、すっかり彼にハマってしまったのかもしれません。多分、また彼に会いにいくような気がする……。
愛河星乃(あいかわ・ほしの)
バンコクの片隅でひっそり暮らす3×歳OL。マンゴーとトムヤムクンが好き。