劇団ひとり『永沢君』、「視聴率狙いではなさそう」でも22.8%も夢じゃない!?
漫画家・さくらももこが原作の『ちびまる子ちゃん』(集英社)のスピンオフ作品『永沢君』(小学館)が、4月からTBSで実写ドラマ化されることが発表された。玉ねぎ頭の毒舌キャラ・永沢君役は劇団ひとりに決定。アニメ版が放送されているフジテレビではなく、TBSでの新番組だが、長年視聴者に親しまれてきた人気アニメのスピンオフ作品がどれだけの視聴者に愛されるのかと、注目が集まっている。
劇団ひとりのほかには、親友の藤木君役をはんにゃ・金田哲、小杉君役を森三中・大島美幸、花輪君役をウエンツ瑛士、クラスのマドンナ・城ヶ崎さん役を皆藤愛子、根暗な野口さん役をハリセンボン・箕輪はるかが演じる。永沢君とその周辺の人達の中学時代が描かれた作品で、毎週月曜~木曜の午後11時53分から放送される5分間のミニドラマ枠だという。
原作の『ちびまる子ちゃん』は、2006年4月に『スペシャルドラマ版 ちびまる子ちゃん』(フジテレビ系)として実写化され、主演のまる子役はオーディションから選ばれた森迫永依が務めた。視聴率は、22.8%(ビデオリサーチ調べ、 関東地区/以下同)という高い数字を叩きだし、その後アンコール放送されるほどの人気を獲得。07年4月からは、伊藤綺夏に主演が代わり、ドラマとバラエティの2部構成である『まるまるちびまる子ちゃん』(同)が、木曜午後7時台の枠でレギュラー放送が開始された。
「1990年放送開始の国民的アニメの実写化ということで、視聴者の興味関心を引いたようです。スペシャルドラマ版では、脚本にさくらももこが携わっていたのも、同作のファンを喜ばせました。レギュラー化してからは、さくらが脚本を離れ、また裏番組に苦戦を強いられてしまい、08年2月に放送終了。今回の『永沢君』は、午後11時53分から放送、また5分番組とあって高視聴率を狙っているわけではなさそうですが、さくらも脚本に加わり、すでに各キャラクターの再現度の高さに注目も集まっているようですから、『永沢君』ブームが起こってもおかしくはないですね」(芸能ライター)
ご長寿アニメの実写化といえば、09年に放送された観月ありさ主演の『サザエさん』(同)も注目を集めた。こちらも、20.9%という高い視聴率を獲得しており、パート3まで制作されているが、第3弾は11.0%にまで落ち込んだ。
また、実写化不可能だと言われていた青山剛昌の『名探偵コナン』(日本テレビ系)も06年に初ドラマ化されている。天才高校生探偵・工藤新一役には、原作者の意向で小栗旬が選ばれ、第1弾は13.4%、第2弾は11.9%を記録。第3弾から、工藤新一役が溝端淳平となり、視聴率は8.5%と下がってしまったが、11年7月より『名探偵コナン 工藤新一への挑戦状』(同)というタイトルで連続ドラマ化され、午後11時58分~午前0時38分の放送で5~6%台を記録した。
ほかにも、09年8月には、SMAP・香取慎吾が主人公の両津勘吉役を演じた『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(TBS系)が放送されたが、平均視聴率は9.3%と惨敗。11年に映画化されているものの、興行収入は8.17億円に留まるなど、ネット上でも“大コケ”と揶揄されてしまった。
このように、近年、国民的アニメの何作かが実写ドラマ化されているが、前評判の高い『永沢君』はどのような評価を得るのだろうか。4月の放送開始を心待ちにしたい。