「金を稼げない」から別事務所? 2AM、「二軍歌手の掃き溜め」時代の真相
オリジナルアルバムとしては、およそ3年ぶりとなる3rdアルバム『ある春の日』を発表した2AM。NHKのハングル講座でもおなじみの2PMの兄弟グループとして知られているアイドルグループだ。
ダンス曲をメインにした2PMとは逆に、2AMは4人のハーモニーを重視したバラードがメイン。この両グループを生み出したのは、韓国三大音楽事務所の1つ“JYPエンターテインメント”の社長、JYPことパク・チニョンである。JYPが創り上げたグループなのだから、当然、JYPエンターテインメント所属……と思いきや、所属しているのは2PMのみ。2AMはデビュー当時から、いくつかの事務所を転々としており、韓国ファンですら、彼らの所属事務所がどこなのか把握するのに右往左往している状態だった。
そんな背景もある中、先頃ネット上で公開された、2AMの3年ぶりのアルバムリリースとデビュー5周年を記念したインタビュー映像が話題になっている。メンバー本人たちが事務所移転の真相を語っており、それによると、『この歌』でデビューした2008年当時は、所属事務所はJYPエンターテインメントだったが、マネージメントはキューブ・エンターテインメントが取り仕切り、翌年発表した2ndシングル『友達の告白』の時は、所属事務所もマネージメント担当会社もJYPエンターテインメント、10年に発表したミニアルバム『死んでも離さない』で、ようやく現在のビッグヒット・エンターテインメントと契約し、安住の地を見つけるに至ったという。
「2AMが転々としたキューブもビッグヒットも、JYPとは深いかかわりのある事務所。ビッグヒットの社長であり、2AMのプロデューサーも担当しているパン・シヒョクは、かつてはJYPでパク・チニョンと共にプロデュースを行っていた人物です。そしてキューブは、JYPで代表を務めていたホン・スンソンが独立して立ち上げた事務所というわけです」(韓流ライター)
最初に2AMのマネージメントを行っていたキューブは、JYPの「分家」として、いわばJYPの「二軍歌手の掃き溜め」と、まことしやかに囁かれていた。つまり、デビュー当時からJYPが所属とマネージメントをしていた2PMは一軍扱いであり、2AMは二軍扱いだったということだ。しかし、キューブがJYPから正式に分離独立した際、パク・チニョンの息が色濃くかかっている2AMと正式契約するわけにもいかなかったのだろう。結局、行き場を失った2AMの面倒をJYPが見ることになったようだ。
「とはいえ、二軍扱いの2AMのマネージメントや音楽制作を、JYPが気合を入れて行うわけもなく、一軍歌手らの代打としてイベントに行って歌ったり、ウエディングシンガーとして結婚式場で歌ったりする仕事をこなしていました。その矢先、2PMのリーダー・ジェボムがレッスン生時代にネットに上げた愚痴が問題となり、グループを脱退するという問題が起こる。これにより2PM自体が活動自粛を余儀なくされ、その穴を埋めるべく声がかかったのが2AMでした。彼らはバラエティに出演するようになると、抜群のお笑いセンスを発揮し、一躍お茶の間の人気者となった。彼らの人気ぶりを一番驚いたのは、おそらくJYPでしょう。それでもJYP自身でマネジメントをする考えはなかったようで、あわててもう1つの“分家”ビッグヒットに2AMの面倒を見てくれないかと、要請を出したとのことです」(同)
2AMの才能に目をつけていたパン・シヒョクは、この要請を快諾。晴れて2AMは、ビッグヒットと契約を交わし、安心して音楽制作に打ち込める環境を手に入れたそうだ。こうして発表された『死んでも離さない』で、彼らはようやく念願の1位を獲得、日本でのデビューも実現した。
JYPが、2AMを二軍扱いしていた理由としては、2PMに比べて金を稼げないと見なしたからといわれているが、真偽のほどは定かではない。だが、分家所属かつ2PMの兄弟グループであるため、JYPのアイドル総出演の『JYP NATION』には2AMも出演している。パク・チニョンの目にこの状況はどう見えているのだろうか。