[連載]ヤリチン卒業!! 叶井俊太郎の子育て奮闘記

「イジメはあります」「夫婦で問題を抱えている人は?」率直な質問が飛ぶ幼稚園説明会

2013/03/11 19:00
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(C)倉田真由美

 娘ココが幼稚園に入園するまであと1カ月。相変わらず母乳だし、赤ん坊のような立ち居振る舞いだし、大丈夫かいな? 先日、幼稚園の入園説明会があったので妻くらたまとココの3人で参加しました。事前にもらった資料には「説明会は保護者のみで参加ください」と注意書きがあったが、そんなこと言われてもココを家に1人で残しておくわけにもいかず、なんとかなるだろうと思い連れていきました。

 幼稚園に着いて、園内に入るとすでに皆さん集まってます。出席してるのは全員ママさんたち。でも、1人だけお父さんが参加してましたね。スーツを着て、見た目公務員風。オレより年上っぽい。オレとしてはこの説明会で保護者の人たちに話しかけるという目的もあったんだけど、この公務員風なお父さんに声をかけるのは無理でした……。話しかけるタイミングもそうだけど、やっぱりノリがわからん。「男は2人だけですね」と話を振った方がよかったですね? でも「そうですね」で話は終了するだろうなぁ。

 説明会で驚いたのは、本当にママさんだけで参加してること。子どもと一緒に参加してるのは、うちともう1人のママさんだけ。ほかのママさんは自分の子どもをどうしてるんだろう? 家に置いて誰かに見てもらってるんだろうか? 普通に考えると、きっとお父さんかママさんの母親なんでしょうけど、それって予め父親は参加しないものと見なされてるということですよね? うちのように父親も参加したい場合はどうするんだろう?

 説明会は1時間以上もあるので、ココが歩き回ることを想定して一番後ろの席に座りました。近くにココと同じ歳の女の子もいたしね。まず園長先生から幼稚園の制服、カバン、体操服、夏冬の帽子、上履きを受け取り、足りないものがないかを確認。入園グッズ一式を見て「ココも制服を着るのかあ、成長したんだなあ」とちょっと感動しました。その後、自分たちで別途用意するものも説明されました。まずは防災ズキン、常時幼稚園に置いておく着替え用のカバン、着替え用は園庭で遊ぶので汚れた場合やおもらしのことを考えて必要らしい。その着替え用のカバンもサイズが決まってるという細かさで驚きました。毎日使うタオルもひっかけるヒモがついてるタオルにし、給食用のスプーン・フォーク・お箸のセットとそれらを入れるケースも用意しなければならない。そしてすべての持ち物に名前も入れる! タオルにもです。はー、やることいっぱいあるなあ!

 園長先生の話の最中にも、ココは立ち上がってウロウロ。説明は妻に任せて、オレはココが騒がないように絵本を読ませたりして遊んであげたんですが、逆にココは「とうちゃん! 遊ぼ!」と大声で騒ぎ出す。すると前の方に座っていたママさんたちから睨まれた。わかってますよ、説明会に子どもは連れてきちゃダメなんですよね! 仕方ないじゃない、預けられなかったんだから! おとなしくさせるんで! というオレの心の想いを睨むママさんに視線で送ります。

 ちなみに、ココの隣にいた女の子はめちゃめちゃおとなしいし、ちゃんと座っています! できた子だよ。ココはこの子に興味を持ったようで、「一緒に遊ぼ」と声をかけたんですが、その子は無視です。ココはしつこく手を出して「こっち行こ」と誘ってるんですが、これも無視してママの足にしがみついてしまった。で、ココはオレに「遊ばないって」とがっくりとうなだれてましたよ。しかしココは積極的になったもんだよ。自分から知らない子に声をかけることができるんだからすごいよ。オレもココを見習ってママさんに声かけないと!


 説明もだいたい終わり、ママさんたちからの質問タイムになりました。オレも「入園式に参加する場合、親はネクタイにスーツでしょうか?」と基本的なことを聞いてみたら、「だいたいのお父さんはスーツです」ということでした。オレは普段スーツを着ないのですが、入園式はビシッとキメますか! ほかのママさんからはイジメについての質問もありました。園長先生は「イジメは普通にありますよ」と、“何言ってるんですか?”的な切り返し。園長先生が言うには、「3、4歳の子どもは自分がイジメているという認識はまったくないんです。でもイジメられた子はひどく傷ついている。例えば子どもが『幼稚園に行きたくない』『誰それと遊びたくない』と言い出したら、すぐに幼稚園に相談に来てください。こちらでできる限り対処します」と心強いお言葉。確かに「イジメはありません」と変に断言されるより、「イジメはありますよ」とハッキリと言ってくれた方が自然な感じがする。自分の幼稚園時代を思い出しても、イジメはあったしね。オレもイジメられてたし。それを含めて、幼稚園ですよね。

 さらに園長先生は「家庭での問題があれば、それも相談してください。例えば夫婦ゲンカですね。そのケンカが子どもに多少は影響するかもしれない。家で険悪なムードが漂ってたら、子どもは敏感ですから。子どもが幼稚園で元気なかったら『どうしたの?』と声をかけるようにしてます」「今ご夫婦で問題を抱えている人はいますか? いたら今すぐ相談にのりますよ」と言い出した! オレは誰かしら手を挙げることを期待したが、そんな度胸のある人はいませんね。

 また「子どものお迎えですが、自分と夫以外、例えば両親や親戚が迎えに行く場合があるかもしれないのですが、その場合、引き渡しは大丈夫でしょうか?」という質問が出ました。なるほど! いきなり知らない人が迎えに来て、そのまま子どもを引き渡して、誘拐するということもあるかもしれない。いい質問だ! そしたら園長先生は「その場合はご両親に事前に引き渡しカードを渡しておきます。当日は迎えに来た人が、そのカードを先生に渡してください。それを確認したらお子さんを引き渡します」とのこと。なるほど! そういうことか。ママさんたちにとっては常識かもしれないですが、オレには目新しいことだらけでいろいろ勉強になりました。

 説明会は1時間半ほどで終了。隣にいたママさんに「娘がうるさくてすみません」と声をかけると、そのママさんは「あ、いや」と一言で終了。またオレの指輪を見ていたから引いたんだろうなぁ。結局、ママさんたちとは誰とも話せなかった! ほかのママさんたちは何人かで和気あいあいと話してたので、早くもママ友の輪ができつつあるのかもしれないですね。なんだかこのままオレと妻は孤立しそうな気がしてきましたよ……。次にママさんたちと会うのは4月の入園式です。ここはもうイキオイで話しかけまくるしかないね!

最終更新:2013/03/11 19:00
『ママ友のオキテ。』
ママ友作るか、諦めるか瀬戸際。