『ピカルの定理』、魔の“フジ水曜8時枠”は負け戦に!? BLコントは封印か
4月からゴールデンに進出することになったバラエティ番組『ピカルの定理』(フジテレビ系)。深夜帯のスタートから、2年半で念願のゴールデン進出となったが、早くも番組の今後について不安視する声が上がっているという。というのも、『ピカル』放送予定のフジテレビ「水曜午後8時枠」のバラエティ番組は、ここのところ不調続きだからだ。
「この枠は、2005年から『はねるのトびら』が放送されていましたが、近年は視聴率が低迷し、昨年9月に終了を迎えました。そして『はねる』の後番組として、同10月から満を持してゴールデンに進出した『世界は言葉でできている』も一桁を連発し、わずか5回の放送でひっそり終了してしまったんです」(フジテレビ関係者)
『ピカル』と同じく、複数の若手芸人が出演し、キングコングやロバートらを世に送り出した『はねる』は、深夜放送を経てゴールデンに進出。全盛期の08年1月23日には、24.1%(ビデオリサーチ調べ、 関東地区/以下同)と高視聴率を記録し、パロディーコント「やや嵐」などが人気を呼んだが、10年頃から視聴率不振に陥り、後期は10%前後に留まっていた。
『はねる』終了後、深夜帯で放送していた『世界は言葉でできている』を次枠に持ち込んだが、初回2時間スペシャルの視聴率が6.2%と大爆死。その後も、通常放送で4.7%、5.4%、4.9%とゴールデンとは思えない低視聴率を記録し、12月19日の2時間スペシャルは5.5%と散々な結果に。番組欄には「終」のマークはなかったが、番組HPには「2012年12月19日放送終了」と記載されており、実質この回が最終回となった。
「実は『世界は』の低視聴率によって、9時から始まる『ホンマでっか!?TV』の視聴率も一時的に下がってしまったんです。『ホンマでっか』は昨年、通常放送で11~16%前後を記録するなど、安定した人気を誇っていましたが、『世界は』が始まった後は、11月7日に8.7%、12月19日には8.4%と2回も一桁台に落ちている。局としては、『(明石家)さんまさんに迷惑はかけられない』と、すぐに決断を下したようです。やはり番組にも、“適材適所”というものがありますから、ゴールデン向きの番組ではないと、視聴者が判断した結果でしょう」(同)
その後、今年1月からは『ピカル』が始まる4月までの穴埋めとして、11年10月から約1年にわたり月曜午後11時台に放送していた、『世界行ってみたらホントはこんなトコだった!?』を復活させた。『ホンマでっか』は10~12%と、いまだ調子を取り戻していないが、つなぎ番組の『世界行ってみたら』は、1月23日の初回SPで10.1%、以降は9.2%、8.5%を獲得。同番組の視聴率は元の23時台とさほど差はないが、打ち切りとなった『世界は』より数字が上がっているだけに、代替番組としては成功といえそうだ。
しかし、4月からこの枠で放送が決定している『ピカル』について、ゴールデン進出は失敗するのではないかと指摘する声も。
「『ピカル』はボーイズラブを主軸にした人気コント『ビバリとルイ』をはじめ、子どもに見せるには過激な内容も含まれています。『はねる』もゴールデン進出後は、下ネタに制限が出たことなどからコントに勢いがなくなり、ファミリー層を意識したゲーム企画に内容をシフトチェンジしたものの、失敗に終わりました。『ピカル』は先日、壇蜜がコントに出演した際、セクシーすぎて黒塗りのモザイク処理が施されたことがネット上でも話題となったばかりですが、8時台ではこうした企画もできなくなるでしょう」(芸能ライター)
昨年5月に「日本PTA全国協議会」が発表した「保護者が“子どもに見せたくない”番組」では5位にランクインしていた『ピカル』。不調続きの水曜8時枠で、従来のファンを残しつつも、新たな視聴者層を獲得できるのだろうか。