田村正和の引きこもり状態の生活を支える、iPadと美容師デリバリー
『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に田村正和が前回ゲスト出演したのは、2011年1月のこと。2月8日、約2年ぶりに田村正和が徹子の部屋にやってきた。
田村正和といえば、プライベートや素の部分の多くが謎に包まれている。前回の出演時は、ロケ弁は基本的に食べない、長嶋茂雄ファンなど、その「謎」の部分に少し触れることができたが、今回も新たなマサカズワールドが見せてもらえるのだろうか。徹子とひとくだり話した後、プライベートの話へ。すると、
「そうですねぇ……ほとんど外出しませんねぇ……」
と、答えるマサカズ。近年は、あまり外を歩くことがなくなったのだという。その引きこもり(?)生活の中、もみあげと襟足ボリューミーな、あのヘアスタイルを整えるために、美容師が自宅までやってくるのだという。このインドア生活に興味がわいてきたのか、続いての徹子からの質問は、これ。
「歯医者さんとか行く時はどうするの?」
「歯医者さんも……あの……」
「来てもらうの!?」
グイッときた。さすがマサカズ、歯医者さんまでデリバリーするのか、と思ったが、
「あの……ちゃんと行きますよ」
そりゃそうか。いろんな設備が必要だし、往診は無理だ。話題は変わって、ケータイやネットなども苦手だという、マサカズ。
「スラッシュ、スラッシュとか、ありますね、言葉が、横文字が」
「横文字」って……。相変わらずクールダンディでカッコいいが、ところどころ、頑固なおじいちゃんにも見えてきた。
「ケータイとかは持ってらっしゃる?」
「ケータイは、携帯しないですね」
オヤジギャグみたいなのも飛び出した。だんだんトークにも慣れてきたのか、自ら話題を切り出すマサカズの口から、意外な言葉が飛び出た。
「タモリさんの『ブラタモリ』(NHK)が好きでね」
『ブラタモリ』、好きなのか。家から出ない代わりに、タモリが出歩く番組を見ているマサカズ。さらに、
「iPadというのがあって……」
さっきまで最新ツールの不得手を語っていたマサカズの口から、「iPad」という単語。『ブラタモリ』と「iPad」、これを口にするだけでなんだか面白くなるのは、さすがだ。ほかにどんな単語を口にしてもらうと面白いか、探したくなってくる。そして、iPadで何するかというと、江戸や明治時代の古地図を見て、タイムスリップ気分を味わうのだという。
「それやってるともう、1時間、2時間……すぐにたちます」
と、うれしそう。
「なるほど外にいらっしゃらなくてもね、そりゃあね」
徹子もなんだか納得している。徹子もiPadを使っているようだが、お互い指で大きさを指して、「私のはこのぐらいですね」って、犬か。さらに、iPadで星座を見たり、Google Earthかなんかだろうか、
「昔行ったニューヨークのレストラン、どうなってるかなって見たら、ちゃんと昔のままあったりして……」
メールもやり方がわからない、メールで写真も送れると言われれば、「そういう(撮った写真を送りたい)気持ちがわからないですね」と言う一方で、iPadはそれなりに使いこなしてるじゃないか。それにしても、さらっと「昔行ったニューヨークのレストラン」と言っちゃうところが、やっぱりカッコいい。iPadを人差し指でサーッとかやるのも、きっとカッコいいんだろうな。
最後に、「引きこもり」状態のマサカズに対して、徹子が遊びに行ってあげるという約束を交わす。マサカズも大歓迎で、
「何か……ご馳走しますよ」
と言うものの、
「でもうるさくないんですか、こういう人間がそばにいるって」
と徹子に言われた時、
「……ッハハッ……」
と、わりと本気で笑ったマサカズ。「どうでしょうねぇ」とは言っていたが、その通りだったようだ。
(太田サトル)