視聴率約20%のNHK朝ドラ、関係者は「大赤字でも問題ない!」?
公共放送として、中立性や質の高い番組作りを求められるNHK。しかし近年は、民放同様「視聴率重視」の傾向にあるという。特に、朝ドラの近年の高視聴率ぶりは、ニュースでもよく取り上げられている。とはいえ、現役NHK職員の中には「世間ズレ」している部分もあり、業界関係者の中には、警鐘を鳴らす者も少なくないのだという。
2010年放送の『ゲゲゲの女房』が平均視聴率18.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)をマークしたところから、注目度が以前よりもさらにアップした朝ドラ。民放各局のドラマの視聴率が下降の一途をたどる中、続く『てっぱん』は17.2%、『おひさま』は18.8%、『カーネーション』は19.1%、『梅ちゃん先生』は20.7%という平均視聴率を記録し、その勢いは止まることを知らない。
「『勝てば官軍』という言葉通り、潤沢な資金で製作できるNHKドラマで、かつ視聴率も稼がれてしまったら、もう民放は太刀打ちできませんよ」(民放ドラマスタッフ)
しかし、そんな朝ドラ大成功の中、ある一面については危機感を持つべきという批判も相次いでいるという。現役のNHK制作関係者がこう漏らす。
「いまだにいい給料をもらっている人間が多いせいか、このご時世に配慮した考えを持つ職員が少なすぎる。先日も、『カーネーション』の関係者が、『結局、朝ドラなんて主人公の設定と人気歌手がキャスティングできたら、もう仕事は終わり。後は大赤字でも関係ないぞ!』と豪語していたようです。あまりの時代錯誤な発言に唖然としてしまいました。今は高視聴率を出せているのでいいですが、いつまでもそんな意識でいたら、どんどん視聴者は離れていきますよ」
そんなNHKの悪しき体質が、“歴史的大惨敗”につながってしまったのではと勘繰ってしまうのが、昨年放送された大河ドラマ『平清盛』だ。
「主人公とゆかりの深い地である兵庫県の井戸敏三知事が、ドラマについて『画面が汚い』というクレームを入れたことがきっかけで、注目されました。視聴率も低迷し、慌てて人気俳優の起用や解説番組の放送といったテコ入れをしたものの、結局、大河ドラマ史上最低の平均視聴率12.0%を記録。『主演である松山ケンイチの株も暴落した』とまで報じられてしまいました」(テレビ誌編集)
また、別のスタッフは、NHK職員の仕事ぶりに疑問を感じているという。
「基本的に、事務所やレコード会社に接待されることを好む職員は、民放に比べると断然少ない。それはいいのですが、とにかく仕事の手法がひと昔前のやり方が多く、関連会社のスタッフが泣きをみている。こうした部分でも“ズレ”を感じることは多いですね」
朝ドラ最新作の『純と愛』は、初回に19.8%を獲得しているNHKだが、今後も「視聴率重視」を掲げるならば、まずは職員の「世間ズレ」を改めるべきなのかもしれない。