ピアース・ブロスナン、アカデミー賞の『007』演出についてポロリ!
世界各地で爆発的なヒットを記録した、『007 スカイフォール』が、シリーズ史上最多となる5部門でノミネートされ、大注目されている本年度のアカデミー賞。同賞授賞式のプロデューサーらは、『007』シリーズ製作50周年記念の特別演出を行うことを発表しており、ファンも楽しみにしている。そんな中、10日に突撃取材を受けた5代目ボンドのピアース・ブロスナンがポロッと漏らした内容が、さらなる臆測を呼んでいる。
世界で最もクールでセクシーな英国紳士スパイとして、人種や性別、世代を超えて愛され続けている『007』シリーズのジェームズ・ボンド。イギリスの作家イアン・フレミングのスパイ小説を基に制作されており、原作では尿酸値過多、肝疾患、リウマチ、高血圧と病気のデパートのようなボンドだが、映画シリーズでは激しいアクションを軽々とこなすスマートな男性として描かれており、代々、肉体美を誇るハンサムな俳優が演じてきた。
初代のショーン・コネリー、2代目のジョージ・レーゼンビー、3代目のロジャー・ムーア、4代目のティモシー・ダルトン、5代目のピアース・ブロスナン、そして現6代目のダニエル・クレイグ。178cmのダニエルは、ボンド役に抜擢された時、「金髪のボンドなんてありえない」「耳がデカすぎる」「ボンドなのに背が低い」と大バッシングされたが、ふたを開けてみると映画は大ヒット。彼の1作当たりのギャラは歴代ボンドの中で最も高い960万ポンド(約14億円)となっており、今や絶大な人気を誇っている。
そんなクレイグがボンド役を演じるシリーズ50周年記念作品『007 スカイフォール』(2012)は、興行成績のみならず作品自体が高い評価を得ており、念願のアカデミー作品賞にノミネートされるのではないかと期待が寄せられていた。残念ながら、作品賞など主要な賞にはノミネートされなかったが、撮影賞、音響編集賞、歌曲賞、作曲賞、音響賞の5部門に堂々ノミネート。『007』シリーズがアカデミー賞にノミネートされるのは、『007 ユア・アイズ・オンリー』(1981)以来31年ぶりで、快挙だとファンを大喜びさせている。
アカデミー賞主催者の映画芸術科学アカデミーも、50年にわたり映画ファンを魅了し続け、映画界の繁栄に貢献してきた『007』シリーズを称賛しており、今月24日に開催される第85回アカデミー賞授賞式では、『007』50周年を記念するトリビュートを行うと発表。内容は明かされていないが、大手メディアは、歴代のジェームズ・ボンドを演じた役者、6人全員がステージの上に現れるだろうと報道し、ファンの期待を煽った。
そんなファンの期待をへし折るような発言をしたのは、5代目ボンドのピアース・ブロスナン。10日にマリブの駐車場で、米ゴシップ芸能サイト「TMZ」の突撃取材班から受けた、「今年のオスカーで、歴代のジェームズ・ボンド役俳優6名が全員集合するというウワサは本当ですか?」という質問に対して、笑いながら、「あ~」「一人、出ない人がいるよ」と返したのだ。
取材班は「えっ! コネリーですか? それともあなたが?」と聞くのだが、ピアースは大きくうなずく仕草をして車に乗り込んでしまい、名前は明かさなかった。
「TMZ」取材班がショーン・コネリーの名を真っ先に挙げたのは訳がある。82歳と高齢であるほか、93年に声帯結節の除去手術を受けたのを皮切りに、03年には両方の目の白内障手術、06年には腎臓腫瘍摘出手術を受け、08年にはゴルフの最中に転び肩を骨折。09年には心臓病を患っていることを告白しており、最後に俳優として映画に出演したのも約10年前と、表舞台から姿を消して久しいからだ。
その一方で、『007 スカイフォール』でハイネケンがスポンサーになったことから、作中でボンドがハイネケンのビールを飲むようになったことに対して「映画製作者たちが、金のあるものに従うということは、本当に嘆かわしい」「おまけにハイネケンはうまいいビールってわけではないし」と発言した2代目ボンドのジョージ・レーゼンビーが出ないという説、はたまた「007を演じたことは誇りに思っている」と言いながらも、過去の名優たちが演じてきた『007』が脳裏から離れず、どう演技すればいいのか悩まされたと告白しているピアース自身なのか、と、ネット上ではさまざまな臆測が飛び交っている。また、ピアースがサプライズのためウソをついている可能性もゼロではないと淡い期待を寄せる声も上がっており、ふたを開けるまでどうなるかはわからない状況だ。
果たして、アカデミー賞授賞式の『007』トリビュートは、どのようなものになるのか。かくしゃくとしたショーンの姿を拝見できるのか、それとも、これまでの名シーンがリレー式でお披露目されるだけの期待はずれに終わってしまうのか。24日の第85回アカデミー賞授賞式が、楽しみである。