ディカプリオは中国の携帯会社と、ビヨンセは47億円でペプシと! 包括的CM契約の内容
相変わらず不景気から抜け出せないアメリカ。ここ最近、日本では生活保護受給者の増加が大きな問題となっているが、アメリカにおける昨年6月のフードスタンプ(食料配給券)の利用者も過去最高になったと発表された。日本の生活保護受給者は人口の2%ほどとされているが、アメリカではなんと人口の15%がフードスタンプを受けているという計算になる。
このように貧困が広がっているアメリカだが、富裕層はますます肥えており、格差は広がるばかり。ピラミッドの頂点に立つセレブスターたちも、巨額の契約金・報酬金でさまざまな仕事を請け負い、着実に資産を増やしていると伝えられている。今回は、破格の金額/待遇で一流企業と包括的な契約を結んだ「CM契約金最高額ベスト5」を紹介しよう。
■第5位 レオナルド・ディカプリオ 「広東欧珀移動通信:OPPO」500万ドル(約4億4700万円)
レオナルド・ディカプリオが2011年に500万ドル(約4億4,700万円)の契約を結んだのは、急成長している中国の広東欧珀移動通信(OPPO)。昨年6月に世界最薄スマホ「Finder」を発売し、話題となった企業である。
500万ドルの契約は、「OPPO Finder」の多彩な機能をフルに活用しながらミステリアスな美女を追うというショート映画のようなCMと、手に汗握るスパイドラマのようなCMに主演すること。美女を追うバージョンは5話で構成されており、単なる外国のテレビコマーシャルとはいえ、レオナルドの迫真の演技のおかげで見ごたえ十分だと好評だ。
撮影はフランスのパリで行われ、多くのコマーシャルやショート映画を手がけているフランス人のジェレミー・ハクーンが監督を務めた。大勢のエキストラを起用したり人工雨を降らせるなどOPPOはこのコマーシャルに大金を注いだが、出来がよかったおかげでイメージが大幅アップ。十二分に元は取れたと見られている。
■第4位 ロバート・パティンソン「クリスチャン・ディオール」1200万ドル(約11億3000万円)
世界中の少女を夢中にさせた映画『トワイライト』シリーズでの魅惑的なヴァンパイア役で知られる、ロバート・パティンソン。ギリシャ彫刻のような美貌を持つ彼は、モデル事務所に勤めていた母親の勧めで12歳の頃からモデル業をこなすようになり、14~5歳の時にはソックスに水着、スカーフという姿でミュウミュウの水着広告に登場するまでになった。そんな彼が、フランスの高級ブランド、クリスチャン・ディオールと1,200万ドルの契約を結んだと報じられたのは、昨年10月のことだった。
米芸能情報サイト「E!online」によると、この契約はクリスチャン・ディオールのメンズ・フレグランスの広告キャンペーン・シリーズに3年間にわたり登場するというもの。ロバートは大好きなブランドであったため、これを喜んで引き受けたという。これまでジュード・ロウ、シャーリーズ・セロン、ナタリー・ポートマンらスタイリッシュなセレブが広告塔を務めてきた、クリスチャン・ディオールのフレグランス。ナタリーは上半身ヌードを披露し大きな話題となっており、ロバートもセクシーな姿を見せてくれるのではないかと期待が寄せられている。
■第3位 ビヨンセ「ペプシ」5000万ドル(約47億1000万円)
世界の歌姫ビヨンセが、旬の大スターとしか契約しない米大手飲料メーカー「ペプシ」と5000万ドル(約47億1000万円)の契約を結んだのは、昨年12月のこと。前代未聞の超破格契約金に世間は度肝を抜かれのだが、その個性的な契約内容も大いに話題となった。
米紙「ニューヨーク・タイムズ」によると、今回ビヨンセとペプシが結んだ契約の期間は2013年の1年間。テレビコマーシャル、全世界で展開される広告、ビヨンセの顔がプリントされた限定缶に登場することはもちろんのこと、ペプシはビヨンセのビジネス・プロジェクトにも支援参加する。新作アルバムにもペプシが絡んでくるとみられている。
ペプシがこのような契約を結んだのは、単にCMに1本出演してもらうという関係よりも、ビッグアーティストのプロジェクトを支えるスポンサーになるほうが、ブランドのイメージアップにつながると確信したから。2012年前期にペプシとライバルのコカコーラが費やした米国内広告代は、それぞれ1億4800万ドル(約139億円)。世界中にファンを持つビヨンセに5,000万ドルを支払うほうが確実に効果があるだけでなく安上がりだと伝えられた。
■第2位 50セント「Reebok」8,000万ドル(約75億3600万円)
ギャング出身のカリスマ・ラッパーの50セントは、アーティストとしての才能だけでなく、ビジネスにおける才能が長けていることでも知られている。2007年にはグラソー社と契約を結び手がけたビタミンウォーターが大ヒットし、1億ドル(約94億円)の報酬を手に入れたと報じられた。自身のブランドも立ち上げており、高級車や豪邸、プライベートジェットの購入など湯水のように金を使うが、資産も着実に増えており、昨年経済誌「フォーブス」が発表した米ヒップホップ界長者番付では総資産1億1,000万ドル(約103億6000万円)だと発表された。
そんな50セントに人気ラジオ局「Power 106」のDJが「これまで受け取った中で最高金額の小切手はいくらで、誰からもらったか」と質問。50セントは、機能性の高いシューズで知られるスポーツ用品ブランド「Reebok」と結んだ契約報酬8,000万ドルが今のところ最高だと明かした。50セントがReebokと結んだ契約は、自身が率いるヒップホップ・グループ「G-Unit」をイメージしたスニーカーを手がけ、その広告塔となり、コマーシャルにも出るという包括契約。これがたちまち380万足以上売れるという大ヒット商品になったのだ。ヒップホップファンだけでなく、デザインや機能、イメージを重視する消費者からも高く評価されたという。
なお50セントはラッパーとして再びメガヒットを飛ばそうとしているが、なかなかうまくいかず、昨年7月に「ネガティブなコメントばっかだから新曲出すのやめたよ」「オマエらと一緒で、オレだって別にどうでもいいんだよ。オレ様は金持ちだしな。笑」とツイートしている。
■第1位 デビッド・ベッカム「アディダス」1億6000万ドル(約150億7000万円)
昨年の夏にロンドンで開催されたオリンピックに先駆け、地元ショッピングモールにアディダスが設置した「イギリス代表を応援しよう」写真ブースで撮影をした人の前にサプライズで現れ、美談として報道されたデビッド・ベッカム。デビッドといえば、さまざまなアディダスのイベントに登場することで知られているが、それもそのはず。実は彼、2003年にアディダスと生涯契約を結んでいるのだ。その契約金額は、なんと1億6000万ドル(約150億7000万円)! 契約には、CMやイベント出演、コラボ商品開発などが含まれており、契約金のほかにも「デビッド・ベッカム」というブランドが入ったアディダス商品の売り上げの一部を受け取るという項目も入っているという。
デビッドは、サッカー選手としてはピークを過ぎ、年々、年俸が下がっている。2012年に得た年俸は150万ドル(約1億4100万円)だと伝えられているが、アディダスからは2000万ドル(約18億8400万円)を得ており、何が起こっても安泰。国民的英雄のように崇められており、妻で元スパイス・ガールズ、現デザイナーのヴィクトリアや3人の息子に愛娘たちも、存在するだけで大きな価値があるとされている。アディダスが最高のスポーツブランドだと言われることが多いのも、まさしくデビッドのおかげ。そう考えると、生涯1億6000万ドル契約は決して高くはないのかもしれない。