ジャニーズとAKB48ばかりの『火曜曲!』、視聴率4%→9%も伸びしろなし!?
昨年4月から放送がスタートした音楽バラエティ番組『火曜曲!』(TBS系)。司会はSMAP・中居正広、江角マキコ、AKB48が務め、毎週3~4組のゲストを招いて、トークとライブが行われる。音楽番組が減少する中、バラエティ要素を含んだ同番組は独自のスタイルを築いているが、視聴率はほぼ毎週一桁台と、いまいち振るわないのが現状だ。
過去最高記録は、AKB48・第4回選抜総選挙の前日特番を組んだ6月5日の放送で、10.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。放送開始からわずか2カ月で、午後9時台にしてはやや低い4.6%を記録しており、通常放送では民放の中で最も平均視聴率が低いといわれるテレビ東京にさえ負け、民放最下位の数字を獲ることも少なくない。さらに放送から半年が経過した昨年10月には、前代未聞の放送事故が起きてしまう不運に見舞われたのだ。
放送事故があったのは昨年10月23日の放送。無音で白黒のまだら模様が数分間映し出されたまま停止し、AKB48の「UZA」のVTRが2回も流れるなど問題だらけのオンエアとなった。同日は、高橋みなみと大島優子がSMAPコンサートの裏側に潜入したVTRを流していたが、この映像が途中で終了してしまったため、放送を楽しみにしていた多くのSMAPファンを悲しませた。
事故の翌週には、「秋の音楽祭3時間生ライブスペシャル」が行われ、放送事故に関する字幕テロップを表示し、謝罪。AKB48の歌唱時には中居が「同じ曲2回歌わないでね!」と事故をネタにしたことも話題になった。その後同局は、事故は放送データの不具合が原因であると発表。同12月4日に「陳謝放送」としてVTRを再構築し、あらためてSMAPコンサートの舞台裏を紹介した。
この放送事故後は、ジャニーズとAKB48へのお詫びも込めてか、双方にとって“オイシイ”企画や、話題を提供している同番組。
11月13日の放送では、後輩のKis-My-Ft2がひな壇で応援する中、ジャニーズの大御所・近藤真彦が生ライブを披露。途中で無理やり連れ込まれた、MC・中居の本気歌唱もファンを喜ばせた。さらに12月25日放送のSMAP、山下智久、Hey!Say!JUMP、Kis-My-Ft2、Sexy Zoneによる豪華な「ジャニーズメドレー」は、「カウントダウンコンサートでも拝めないほどのメドレー!」と、ジャニーズファンから歓喜の声が上がった。
一方のAKB48も、12月18日には連覇を目前にしていたレコード大賞の特集が組まれており、「永遠プレッシャー」「So long!」と、同番組で新曲を立て続けに初披露。前田敦子のモノマネで人気のキンタロー。がAKB48メンバーと初共演したのも、今年1月22日の同番組だった。
ジャニーズとAKB48ファン向けの番組として視聴者のターゲットがしぼられ、また、改編時期と年末年始によるSP番組での放送が多かったこともあり、視聴率は4~7%前後だった以前に比べ、7~9%台とわずかながら上昇傾向にある。
同局の音楽バラエティといえば、中居ととんねるず・石橋貴明がMCを務め、1996年10月~2010年3月まで放送されていた『うたばん』だが、後期は視聴率の低下で苦しみ、その後の後継番組『ザ・ミュージック・アワー』も5%前後の低視聴率だったため、約半年で終了を迎えている。『火曜曲!』もスタート時は打ち切りのギリギリラインだったといえるが、放送事故を起こしながらも、年内での打ち切りは回避できた。あとは現在の一桁台後半の数字をどれだけ伸ばすことができるかにかかっているが、ジャニーズとAKB48ファン向けの番組となった『火曜曲!』に、さらなる飛躍は期待できるのだろうか。春の編成で『火曜曲!』にどんな動きがあるか、注目していきたい。