「他番組でめちゃイケメンバーの共演はNG」テレビ業界の知られざる“縛り”
10日放送の『大竹まこと ゴールデンラジオ!』(文化放送)の放送内容が、インターネット上で話題になっている。ゲスト出演したオアシズ・光浦靖子、北陽・伊藤さおり、ドランクドラゴン・鈴木拓の3人が、レギュラーを務めるバラエティ番組にさまざまな“縛り”が存在することを明かしたのだ。
伊藤と鈴木は、昨年終了したフジテレビ系バラエティ番組『はねるのトびら』にレギュラー出演しており、当時は、芸人が大勢登場する番組への出演を禁止されていたという。また光浦も、同じくフジの『めちゃ×2イケてるッ!』で、他番組でめちゃイケメンバーと共演することを禁止されていると語った。そのほかにも、「家族をほかの番組に出演させてはいけない」「(『めちゃイケ』の人気企画・抜き打ちテストの衣装である)学生服で他番組への出演はNG」など、細かなルールも存在しているという。
すでにネット上では、この話題が各方面で取り上げられており、「芸能界の知られざる裏ルール」として広まっている。しかしある芸能プロ関係者は、「テレビ界では半ば常識のルール」と語る。
「ルールといっても契約書などが存在するわけではなく、あくまで口頭での約束止まりですよ。特に職人気質の有名プロデューサーが担当する番組では、こうしたルールが発生する傾向が強いです」
こうしたルールは、テレビ局対事務所の話ではなく、あくまで番組担当者とタレント同士による“お約束”なのだという。なぜそんなお約束が生まれたかといえば、番組やテレビ局同士による“縄張り争い”によるものなのだそうだ。
「ナインティナインや光浦など、『めちゃイケ』の前身番組『とぶくすり』からの出演者に対しては、番組担当者の『フジが育てた』という意識が強い。岡村隆史が芸能界に復帰した際も、記者会見さえせずに、フジが独占状態で放送を行ったのもそのためです。また、番組で付けたイメージやカラーを他番組、まして他局に持ち込まれることを、番組担当者は極端に嫌がる。珍獣ハンターでブレイクしたイモトアヤコは、『世界の果てまでイッテQ!』のプロデューサーから、『お前は一生日本テレビが面倒を見るから、他局には出なくていい』と伝えられています」(同)
また別の芸能プロマネジャーも、「違反したからといって、CMのように違約金が発生するといった類いの話ではない」としつつも、フジと日テレによるバラエティの縄張り争いは特に激しいと話す。
「日テレの『エンタの神様』も、出演者に『ほかの番組には極力出ないように』と通達していました。また日テレの『ものまねバトル』とフジの『ものまね王座決定戦』はさらに厳格で、双方の番組に出演したタレントは、ほぼ皆無です。とはいえ全部言うことを聞いていたら、タレント側は何もできなくなってしまうため、そこはバランスが大切。特に若いタレントからすれば、大切にするべきマナーともいえますよ」(同)
こうしたルール付けは、制作サイドの番組に対する“愛”によるところが大きいようだ。視聴者やタレントも、これを「縛り」や「ルール」とはとらえずに、テレビ界でのエチケットだと考えるべきかもしれない。