「タイプライターが愛人?」セレブの奇妙な収集癖
華やかな世界で活躍するハリウッド・セレブたち。リッチなイメージ通り、宝石や絵画を集めたり、乗馬やリゾートに旅行するのが趣味だという人が多い。しかし、そんなセレブの中にも変わった趣味を持つ者がいる。役者や歌手としてのイメージとは異なる意外な物をコレクトする“妙な収集癖”のあるセレブもいるのだ。今回は、ちょっと変わった物を収集している「セレブの変わったコレクション」を紹介したい。
■ブリトニー・スピアーズ
薬物にアルコール、おまけにメルトダウンと私生活が荒れているイメージが強いブリトニー・スピアーズだが、何年も前からアンティーク・ドール収集という乙女チックな趣味がある。アンティーク・ドールとは、19世紀にヨーロッパのブルジョア階級の令嬢や貴婦人の間ではやったビスク・ドールを指す。手作りのため表情はひとつひとつ異なり、リアルな顔を怖いと思う人も少なくないが、半面マニアも多い。値段は1体100万円を軽く超えるものばかり。相当なお金持ちでないとコレクターにはなれない。ちなみに、デミ・ムーアもアンティーク・ドール好きで、自宅にたくさんのコレクションを所持すると伝えられている。
■リース・ウィザースプーン
ここ数年、ハリウッドのご意見番的な存在になっている女優のリース・ウィザースプーン。彼女が集めているのはアンティークのリネン。彼女は刺繍が大好きで、それが高じてビンテージものの刺繍が施されたリネンを収集するようになった。小さい物はそれほど高くないが、古い物や大きい物など、品によっては1,000ドルを超えることもあるという。
リースがプライベートで着る服も刺繍が施されている物が多く、トーク番組などに出演する際も、刺繍入りのドレスを着用していることが多い。根っからの刺繍好きなのである。なお、ほかにもタッパーウエアも集めていると主婦らしい発言をしている。
■ニコール・キッドマン
エレガント女優の代名詞になっているニコール・キッドマンが夢中になっているのは、古代ギリシャのコイン。大量に出回っているわけではなく、歴史価値のあるものなので大変高価なのだが、金のコインに強く惹かれ、地道にコレクションしているとのことだ。なお、5年ほど前に任天堂DS LiteのCMに出演した彼女は、DS好きでも知られ、相当な数のゲームソフトを収集しているとも伝えられている。
■クラウディア・シファー
「生きたバービー人形」と呼ばれ、1990年代にスーパーモデルとして大活躍したクラウディア・シファーの趣味は、昆虫をデザインした物を集めること。家の壁には昆虫が描かれた絵が飾られており、昆虫を眺めることで心を落ち着かせることができるのだという。
彼女は2011年にニットウェアーのラインを立ち上げているが、これも「昆虫の中でも一番好きな蜘蛛にインスパイアされたの」と告白。「幼い頃、蜘蛛の巣に朝露がかかるのを見るのが好きで、うっとりと見ていたわ」と述べ、蜘蛛の巣好きが高じて編み物好きになったと明かしている。
■クエンティン・タランティーノ
映画オタクとして世界に知られる、鬼才クエンティン・タランティーノ。足フェチとしても有名な彼だが、女性の足よりも好きなのが「テレビ番組/映画がテーマのボードゲーム(盤上ゲーム)」である。収集したゲームはジャンル別に分け、管理しているそう。彼の一番のお気に入りは『ドーン・オブ・ザ・デッド』と『UNIVERSE』。『UNIVERSE』については「『2001年宇宙の旅』公式ゲームと言っても過言ではない」と大絶賛している。『プラトーン』のボードゲームも持っているそうで、「(『プラトーン』の監督)オリバー・ストーンといつか対戦するのが夢」だと無邪気に語っている。
なお「レトロなランチボックス」を収集していたこともあったそうだが、金がかかりすぎるためあきらめたとのことだ。
■トム・ハンクス
コメディ、ロマンス、ヒューマンドラマとなんでもこなし、今や大御所の域に入ってきたトム・ハンクス。彼がコレクションしているのはタイプライターで、40年代ものを中心に200台以上所有しているという。「全部、実際に動かしているから、今でもちゃんと使えるんだよ」と自慢げに語るトムは、身近にタイプライターがないと落ち着かないとも告白。映画のプロモーションのため海外に行く時は、必ずタイプライターを持参しており、SNSにその写真を掲載することも少なくない。ホテルのベッドの上に置いた写真を公開したこともあり、「タイプライターが愛人なのか」とファンの間で話題になったほどだった。
■ロッド・スチュワート
セクシーな男性として70~80年代の音楽界に君臨していたロッド・スチュワートの趣味は鉄道模型収集。2008年に専門誌「Model Railroader Magazine」に、「自分は20年間にわたり鉄道模型を収集している。おたくの雑誌も、ずっと読み続けている」とアプローチをかけ、コレクションを披露。読者は、その完成度の高さに度肝を抜かれた。戦後のニューヨーク・セントラル・ステーションにペンシルバニア鉄道など、街並みも見事に再現。人や木、電柱など細かいところにまでこだわった作品に仕上がっていたからである。ロッドいわく、「自分のような趣味を持たない男のことを、心の底から気の毒に思う。最高のリラックス法なのにな」。自分の作品が「Model Railroader Magazine」の表紙を飾ったことについて、「『ローリングストーン』の表紙に載ることよりも意味のあること」だと感激していた。
■ジョニー・デップ
ハリウッドA級スターであるジョニー・デップはコレクター癖があるとして知られている。大のファンだと公言しているアメリカの作家ジャック・ケルアックの初版本をコレクトし、直筆の手紙を額に入れて飾り、着用していたというジャケットやレインコート、スーツケースもゲット。義理の親族に会いに行くことまでしており、この作家のためならなんでも手に入れると意気込んでいる。
ほかにも昆虫が大好きで、自分で採集し標本を作ったり、パリのお気に入りの店で購入した標本などを集めているという。昆虫のほかに、コウモリや鳩の骨格標本もあるとのこと。
出演した映画のセットからも必ず記念品をもらい大切にコレクションしているとのことだが、これは「いつか孫にあげるために集めている」と明かしている。
ほかにも、写真家のモノクロ作品を集めるのが好きなジェイミー・リー・カーティス、靴収集家のセリーヌ・ディオン、コミック本コレクターのニコラス・ケイジ、ぬいぐるみを集めているというのが「びっくり」のルー・フェリグノ(『超人ハルク』)、などなど。さすが、セレブ。タランティーノ監督は庶民的だが、ほかのスターたちは、どれもこれもお金のかかりそうなコレクションばかりである。