徹子が「魅力的、カワイイ!」と大絶賛する、瀬川瑛子の締まりのないものまね
歌手・瀬川瑛子のものまねをする人というのは、結構多い。ちょっと鼻から息を抜きつつ、ゆっくり、くぐもったように言葉を発すれば、「モワノワァ~~」といった、まったく意味不明の言葉でも、それっぽくなる気がする。
12月10日の『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に、ゲストとしてその瀬川瑛子がやってきた。徹子もオープニング早々、
「ものまねをなさる方は、今日是非ずっとご覧いただきたいんですけど」
と前置きする。ポイントを掴む絶好のチャンスというわけだ。忘年会シーズンだし、一般の人も要チェック、なのかもしれない。この番組内でも、“徹子のむちゃぶり”を受けて窮した芸人やタレントが、「……じゃあ、瀬川瑛子さんのものまねを」と、披露したことが度々ある。そこで過去の放送から、ますだおかだの増田英彦とチュートリアルの徳井義実が番組で見せた、瀬川瑛子のものまねVTRが流された。
「ウゥモワァ~ルゥエエエ~」(増田)
「ノウィッエエエエ~」(徳井)
どっちも何を言っているのか全然わからないが、瀬川瑛子っぽい。あらためて、すごい世界だ。そしてそのVTRを見ている当の瀬川といえば、「わ~~」と言いながら、パチパチと手を叩き、笑顔で「うれしい」と超楽しそう。そして、「私ってどこかが、締まりがないんでしょうか」と分析しながら、「モエエエ~ンンノォ~ン」と何を言っているのかわからないけど似ている「瀬川瑛子のものまね」風発声を披露。
「上手ね、アナタのものまねをなさる人のものまねが」
と、徹子も褒めている。これで徹子のスイッチが入ったのか、
「アナタ、ものまねなさるんですよね。牛のものまねと馬のものまねと……」
瀬川にむちゃぶりがきちゃった。
「いえいえいえいえいえいえいえ……」
と、瀬川は手をブンブン振りながら遠慮するのだが、
「ちょっとやってみて」(徹子)
「……はい」(瀬川)
と、素直に受ける。まず牛をやったのだが、「馬もなさると聞いたけど」と徹子のむちゃぶりを連続で受けてしまう大物演歌歌手・瀬川瑛子。そして馬ではなくニワトリのものまねを披露した。
「ココッコオコココッッコココ」
これに対して、
「いいじゃないですか、アナタのテンポと全然違うから面白い」
と冷静に批評する徹子。面白いと言われた瀬川も、
「私にもこんなすごいっていうか、早いことができるんだなぁって」
と、自分に感心している。むちゃぶりクリアで、めでたしめでたしとなりそうなところで、クールに「……で、馬は?」と要求する徹子。
「ブルルルル……」(瀬川)
「すごいいいと思う! 魅力的! カワイイ!」(徹子)
大絶賛。見たいものが全部見られて満足といったところ。そして、徹子さんはこんなことを言った。
「よろしいじゃないですか、その3つがあれば。なんとでも」
この先、瀬川に何の営業をやってほしいのか。しかしそれを聞き、
「これからこの3つと、『命くれない』と生きていきます」
と答える瀬川もまた素敵だ。ものまねと「命くれない」を同時に見られる歌謡ショーでもやるつもりなのか。その後、25年前の大ヒット曲「命くれない」は、デビュー20年目での大ヒットだったという苦労話や、亡くなった両親の思い出を語り、少し涙ぐんだいい雰囲気になっていたところでのCM明け、
「セガワエイコサンガ……」
鼻から声を抜きながら、瀬川ものまねに挑戦している徹子さんがいた。自分もやってみたくなってしまったんですね。そういえば、瀬川の亡くなったお父さんが、こんなことをよく言っていたという。
「ものまねをしてもらえるようになったら、一流になった証だって」
いい話だ。つまり、瀬川さんは超一流なのだ。
(太田サトル)