殺陣には自信アリ! JAE出身の『忍たま乱太郎』末野卓磨クンが登場
1993年に放送が始まったアニメ『忍たま乱太郎』(NHK)。そのミュージカル版が2010年より年2回ペースで公演され、女性から人気を博しているのはご存知でしょうか? 2次元でも3次元でもない「2.5次元」の世界で注目を集めているイケメンくんたち。その実生活に迫るべく、5回目となる今回は、真田広之らを輩出した旧JAC、現JAE(ジャパンアクションエンタープライズ)出身で、ミュージカル版第一弾ではオリジナルキャラクター「赤壁」を演じ、第二弾公演から山田利吉を4回連続好演した、末野卓磨くんに登場してもらいました。
――今まで印象に残っている舞台はなんでしょうか?
末野卓磨氏(以下、末野) 『ミュージカル 忍たま乱太郎(以下、忍たま)』が印象に残っています。第一弾から出ているのですが、第一弾は山田利吉役ではなくて、オリジナルキャラクターの敵役「赤壁」という役でした。この役で僕を知ってくれたお客さんが、ほかの舞台も見てきてくれるようになってうれしかったです。僕の俳優人生の分岐点になった作品だと思います。僕はJAE(ジャパンアクションエンタープライズ)出身なので、殺陣のイメージが強いかもしれないのですが、実は舞台で殺陣をやったのはこれが初めてでした。初演の頃はひたすら殺陣をやっていた気がします。
――第二弾からはずっと利吉を演じているのですね。
末野 僕自身、子どもの頃から利吉を見ていて「利吉はかっこいい!」と思っているので、そのイメージを崩さない様にしました。殺陣は自信があったのですが、歌で苦労しました。歌うことは好きなのですが、あまり上手くないと言われ続けてきまして(笑)。実家のお風呂でよく歌っていたのですが、それがひどかったらしく、家族に「ミュージカルが決まったよ」と言ったら「大丈夫!?」と心配されましたね。演技も僕が思う利吉像でがんばりました。
――利吉の女装も好評でした。
末野 女装の際、「メイクをどうしているのですか?」とよく聞かれるのですが、第二弾の時の女装は、普段の利吉にそのまま女装用のカツラを被っただけで、眉毛も目も同じなんです。第三弾の再演の時はチークとグロスを足してみました。よく化粧映えすると言われます。
――来年の第四弾には利吉は登場しないのですね。
末野 そうなんです。今回はストーリー自体に利吉が登場しないのですが、でもゲストとして4公演出演します。また『忍たま』には帰って来たいですし、機会があればやりたいです。利吉を卒業したつもりはないです!
――同じく漫画原作の『ふしぎ遊戯』では、朱雀七星士で、主人公に恋をする皇帝陛下(星宿)の役を好演されていました。
末野 ふしぎ遊戯の『星宿』も印象に残っています。恋愛が絡んでくるということで苦労しました。女の子に「俺の女になれ」というシーンがあったんですが、稽古ですごくぎこちなくて「ロボットみたい」と言われました。当時は、舞台上であまり恋愛の芝居をしたことがなかったので……。一方で殺陣はみせられる自信があったので、こちらは伸び伸びとやらせていただきました(笑)。
――原作があるものとしては、あと舞台版『イナズマイレブン』に出演されていますね。
末野 水色の髪で眼帯を付けた、佐久間次郎という役をやりました。この作品も『忍たま』以上に、お話の内容もキャラクターの髪型も表現するのが難しく、演出をどうするのか注目が集まった舞台でした。僕自身、舞台で初めて「落っこち」をやりました。「シアターGロッソ」の三階から奈落に落ちました(笑)。
――ところで、前の事務所JAEに所属されたきっかけはなんですか?
末野 学校でジャッキー・チェンの真似をして遊んでいたら、友達に「ほかの人よりアクロバティックな技ができて、そんなに体を動かすのが好きならスタントマンになったらいい」と言われたんです。JAEに入っての一年間は、でんぐり返しから始めて、筋肉トレーニング、アクロバット、バック転、バック宙をやりました。腕立て伏せや、腹筋を腕や足が動かなくなるまでやるのが最初の2週間で、その後は自分でやっておけという感じでした。でもこの最初の2週間でバンバン人が辞めて行きました。
――やはり、JAEのトレーニングは大変なのですね。
末野 夏には合宿があり、朝起きて砂浜までランニングして、合宿所に帰ったら、そこでしかできない、ロープで降りるとか、マンションから飛び降りる練習とかをやり、夕飯前には、また鬼の筋肉トレーニングを一時間やって、その後も夕飯もたくさん食べさせられました(笑)。合宿所のおばさんも、釜を3つくらい用意していて、先輩にカレー3杯くらい盛られました。そしてまた次の日に朝起きて、フラフラになりながらまた砂浜までランニングするという毎日でした。そんな感じで、1年間、ダンス、演技をやって、卒業公演の舞台を迎えました。
――所属中はどんな活動をされたのですか?
末野 所属後の1~2年間はいわゆる下積みで、特撮など、戦隊モノに出演する先輩にスーツを着せたりお面かぶせたり、お茶持っていったり、付き人みたいなことをしました。その間に、スタントの仕事や、舞台も少しあるんですが、それが嫌になってまた半分くらい辞めていきました。トレーニングも、先輩たちも厳しいのですが、「人の命」を預かる仕事だから、今思えば当然なんですよね。厳しいのにも理由があるのです。
――末野さんは小さい頃どんなお子さんでしたか?
末野 北海道出身なのですが、海と山が近くて、夏は自転車で海に行って、冬は山でスキーをするなど、自然の中で育ちました。小学生の時はサッカー、中学高校はバスケ部でした。中学は部活中心の生活をしていました。高校でバイトも始めました。
――休日はどの様に過ごされていますか?
末野 趣味が特になくて、時間があればお酒を飲みに行きます。忙しくなる前はテコンドーをやっていました。JAEに入るのに武器が欲しいなということで、上京前に半年、上京して3年やりました。実際大会にも行って全日本のベスト8まで行きました。あとこれも最近はやってないのですが、登山も好きです。高尾山を1人で登りしました。温泉やスパ、岩盤浴も好きです。
――好きな異性のタイプを教えてください。
末野 オープンで気を使わなくて、居酒屋とかラーメン屋さんとか気軽に行ける人が好きです。あと笑顔がかわいい子がいいなと思います。
――今後はどんな活動をされて行きたいですか。
末野 僕はJAEで、スタント部門でなく俳優部門でした。高校を卒業した後、1年間上京資金を貯めました。最初はスタントの仕事をしたくて事務所を受けたのですが、やるからには親に顔を見せてあげたいと思い、アクション俳優を志しました。でも、事務所に入ったら、俳優になりたいと思うようになりました。今後は、映像の仕事をやっていきたいと思いますが、映像を見て、舞台を見に来てくれたらうれしいです。今年は舞台を1年間で14本やらせて頂いたのですが、実は上京するまで舞台というものを見たことがなかったので、同じように舞台を知らない人に面白さを伝えたいです。
――今後出演される舞台についてお聞かせください。
末野 年内は、漫画原作の舞台版『殿といっしょ』と、『SNOW PRINCESS!~鏡の真実と7人の ○○たち~』に出演します。『SNOW PRINCESS!』は、今年14本出演した舞台の最後の締めくくりです。殺陣もたくさんあるので、成功させたいです。年末には、写真展でのトークショーなどもありますので、最新情報はブログをチェックしてみてください。
【私物チェック☆好きなモノの写真を撮ってきてください!】
(左)稽古場にある筋トレのローラー
(中)大好きなアニメ「夏目友人帳」のにゃんこ先生(右)腹巻
末野卓磨(すえの・たくま)
1986年7月24日生まれ 血液型A型 ジャパンアクションエンタープライズ第35期生。現在フリー。代表作は、『ミュージカル 忍たま乱太郎』 山田利吉役。舞台『ふしぎ遊戯 朱雀編』星宿役など。他映画、TVドラマなど多数。
公式ブログ
舞台版『殿といっしょ』最上義光役
公演期間:2012年11月21日(水)~11月29日(木)/9日間 全13公演
会場: 吉祥寺・前進座劇場 公式HP
『SNOW PRINCESS!~鏡の真実と7人の ○○たち~』
公演期間:2012年12月5日(水)~12月9日(日)
会場:スペース・ゼロ 公式HP
※スペシャルゲスト出演
『ミュージカル 忍たま乱太郎』
公演期間:2013年1月9日(水)~1月20日(日)
会場:サンシャイン劇場(池袋) 公式HP
出演日:1/14(月昼・夜)、16日(水)、17日(木)