コラム
[連載]少年アヤちゃんの「イケメン紀行」

タキシード仮面が体現した、乙女の性エネルギー“オカズ”としてのヒーロー像

2012/11/25 16:00
『美少女戦士セーラームーンR
~未来に向かって~』/コロムビア
ミュージックエンタテインメント

有名無名、年齢、国籍関係なしに、あらゆる「男子」に恋焦がれ、過剰なまでに愛でまくってはまた次へ――終わらない探求の道中でみつけた「男子」の魅力を少年アヤちゃんが語る! 異常性欲を振りかざし、あらゆる男子を消費します☆

 あなたはタキシード仮面、と聞いてまず何を思いますか?

 「懐かしい」ですか? それとも、「ツッコまなきゃ、ツッコまなきゃ」と焦った挙げ句、野暮なツッコミを入れて悦に浸りますか? そしてそれを笑ってくれる仲間に囲まれていますか? ……幸せですね。けど、無理して笑いを取らなくても良いんですよ。どうかリラックスしてください。そしてリラックスした身体でもう一度、史上最強のイケメン・タキシード仮面様についてよく考えてみましょう。いいですか?

 まず、タキシードって……ヤバいよね。セーラー服で戦う女の子と、タキシードでそれを守る男の子。なんと美しい並びでしょう! 普通の感覚で行くと、セーラー服の対になるのは学ランなのでしょうが、女子的にはそれじゃ頼りないんです。ブレザーでもだめなんです。スーツでも物足りないんです! となると、タキシードというセレクトの完璧さ……。この時点で、武内直子先生は天才だと言わざるを得ません。おまけに彼のタキシードにはマントまで付いていて、歩く度に揺れる様がなんともセクシーなのです。だってだって、男の子とマントの組み合わせって、最高じゃないですか。なんでしょう? 逆三角形が強調されるというか、肩が立派に見えるんですよね。

 そして……バラ。男の子とタキシードとバラ。あ~もう涙出そう。ガッチガチすぎて逆に完璧ですよ。彼の場合、それが行きすぎて滑稽だったりもするんですが、何というか、女子に対して、そこまでサービスをしてくれようとする、その気概がうれしいんです。だから笑うべきでなく、感謝すべき、愛すべき滑稽さですよ。

 ほかにも、前世が王子様とか、両親がいないのに高級マンションに住んでいるとか、永久に老けないとか色々な魅力があるのですが、それらはあくまで容姿の特典のようなもので、肝心のメインはもっと、彼のキャラクターそのものにある気がするのです。

 まず、彼自身には秀でた特殊能力はないということ。そのため戦闘能力が非常に低く、ナイト的なポジションであるにもかかわらず、セーラームーンを助けるどころか足を引っ張ってばかりいるのです。なので、実質的には彼は本当に、セーラー戦士たちのオカズでしかない。ヒーローアニメで言う、おっぱいがデカイだけのヒロイン役がまさにそれです。セーラー戦士たちがHPゼロの局面において、予備タンクから性エネルギーを引き出す役割というか……。

 ざっくりした想像で申し訳ございませんが、ああもうダメだーっと諦めかけたところで彼が現われると、生きる希望……もとい性欲が沸いてきて、「生きなければ!」と思えるのだと思います。少なくとも、私がセーラームーンだったらそうなります。「イケメンだ! ヤリたい! もう少し頑張ろう!」と。つまり彼は、乙女の生死を分けるオカズなんですね。

 そしてそんな役割を、すんなりと受け入れるおおらかさも彼の魅力だと思います。だって、普通のヒーローだったら嫌がりそうじゃないですか。彼女より弱い、彼女の仲間たちよりも弱い、そして役に立たない、ただのイケメン役なんて……。しかし彼は、愛するセーラームーンのため、嫌な顔ひとつせず、その役割を全うします。一応、「弱い」という事に対する葛藤はあるものの、それを彼女にぶつけたりせず、そんな彼女から逃げて、もっと下を狙って虚栄心を満たすというような行動もせず、「俺の力ではお前を守れない。だけど、全力でサポートをする」なんて事を言ってのける。本当に、なんて新しいヒーロー像でしょう!

 その新しさは、私たち乙女にとってだけでなく、男の子たちにとってもまた、救いのあるものだったのではないかと思います。筋肉をつけなくてもよい、人を殴らなくてもよい、ただタキシードを着て微笑んでいるだけで、女の子を助けてしまうヒーローもいるんだよ、という……。これは単なる私の願いですが、そんな男の子が世界のどこかにいて、ガッチガチになった肩の力を抜いてくれていたらうれしいです。そして、そんな事を思わせるタキシード仮面様はやはり、史上最強スペックのイケメンなのだと思います。

 ……以上の点を踏まえ、もう一度、新しい視点で『セーラームーン』(講談社)を読み返してみるのも良いかもしれません。来年には新作アニメの公開も予定されていることですし……というか、確実に100%読んだ方がいいですよぉ。めちゃくちゃ興奮しますから! だって、イケメンがタキシードってやべーだろ!(結局そこ)

少年アヤちゃん
平成元年、消費税と共に生まれたブスでニートのオカマ。サゲマンJAPAN代表。ヤフオクで生計を立てる傍ら、ブスと環境をテーマにしたトークイベントを主催。
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最終更新:2019/05/17 20:38
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