塩酸、頭部殴打、奇行……暴走ファンのステージ乱入事件簿
女優・井上真央が、24日に出席した主演映画『綱引いちゃった!』の舞台挨拶中にファンとみられる男性が舞台上に乱入するハプニングが起こった。出演者のトーク中、客席にいた若い男性が突如壇上へ上がり、「真央ちゃん、握手してください!」と、無理やり井上の手を取って握手を求めたという。
男性はその後スタッフに取り押さえられて退場し、井上にケガはなかった。今回は大事には至らなかったが、芸能界の歴史の中では、過去にさまざまな形でファンがタレントに危害を加えるという事件が起こっている。
「最も衝撃的だったのは1957年、浅草国際劇場で公演中の美空ひばりが、舞台を見に来ていた熱狂的な女性ファンに塩酸をかけられ、顔や胸などに火傷を負った事件でしょう。奇跡的に傷跡は残らずにすみましたが、ひばりと同い年の当時19歳の少女は、犯行の動機について『美しい顔が醜くなるのを見たかった』と供述しました。また、松田聖子が83年、沖縄でコンサート中に若い男に長さ30センチ程のスチール製金具で頭部を殴りつけられたことも、昭和芸能史に残る事件として語り継がれています」(週刊誌記者)
興奮したファンがイベント中にタレントに近づく行為は、女性アイドルに多く見られるケース。ももいろクローバーZの玉井詩織は神戸でのコンサート中、客席の間を駆け抜けながら歌唱するという演出で、客席通路の間を通った際、ファンから胸を揉まれるという災難に見舞われた。
一方、男性アイドルでいえば、タッキー&翼の滝沢秀明もハプニングに遭遇。2007年、北海道でのコンサートのMC中、1人の女性ファンがステージに近寄り、滝沢に向かって「リンゴをむいてくれ」とリンゴを差し出し、ステージによじ登ろうとして警備員に連行されたのだ。
「こうしたファンの暴走というのは、結局、タレントへの愛情が原因のためだけに、対応手段には本当に頭を悩ませています。まずはタレントのケアが第一優先で、警察に通報するというのは本当に最終手段。騒ぎが大きくなればなるほど後を引いてしまうし、それだけタレントの負担も大きくなってしまう。結局何かが起こってしまわない限りは、ファンの良識を信じることしかできないというのが現状です」(芸能プロ関係者)
こうした自身のファンによる行動で、心に傷を負い、表舞台から遠ざかったタレントも少なくない。1人のファンの暴走が、結果的にタレントと接する機会を失わせてしまうのは、ファンにとってもやりきれないことだろう。こうした事件が相次いでしまわないことを、心から祈りたい。