SMAP・木村拓哉が、「どうして生まれてきたんだろう?」と悩む少女に語った想い
「私は、なぜ今ここにいるのかわかりません。どうして生まれてきたんだろう?とよく考えます。家族や友達にも必要とされていないし、自分はいらないんじゃないかなって考えてしまいます。どうすればこの悩みはなくなるの? 教えてください」
10月5日に放送された木村拓哉のラジオ番組『What’s UP SMAP!』(TOKYO FM)に寄せられたのは、17歳の少女「キミタロス」からの“人生相談”。多感な年頃だからこそ抱いてしまう、人間関係へのデリケートな感情に、「家族や友達は絶対にあなたのことを愛してくれている」「いらないなんてことはない」「頑張って」などときれいごとを並べるのはたやすい。しかし、木村は自身の言葉で、こう答えた。
「うーーん。今こういうメールをもらって、俺が言うことって、否定的なことになっちゃうと思うんですよ。『お前、何言ってんだよ!』とかさ。でも、それってキミタロスの気持ちや立場になってみないと、そんなこと言っていいのかどうかもわかんないじゃん? ただ……家族や友達にも必要とされてないって感じちゃってるキミタロスの現状はさ、とっても寂しくて、つらくて、苦しい現状だと思う」
「だけどさ。『自分はいらないんじゃないか』ってとこ、俺、そこだけは絶対に違うと思うんすよ。『必要とされてないんじゃないかな』って感じちゃってるキミタロスの想いは、文章から伝わってくるし、そうなんだって思うけど、『自分はいらないんじゃないかな』ってことに対しては、まったくボクは賛同できませんね。ここだけは言わせてもらいます。『何言ってんの?』」
深刻に捉えすぎたり、上から目線で諭したり、媚びたりするのではなく、相手と同じ目線に立ち、自然体で語りかけた木村。その後も、いかに自分や番組にとって、17歳の少女が必要とされている存在なのかを説き続ける。
「『キミタロス、どんな感じかね?』っていうのは、今後、俺だけじゃなくて、ここのスタッフの中にも確実にあるワケだから。その後を知らせてほしいですよね」
「この『What’s~』の中でも、お前はいらねえ存在じゃねえし。そもそもキミタロスがいなかったら、このしゃべってる時間も超もったいないわけじゃないですか。無駄だし。だから時間も、想いも、すべてを無駄にしないためにもいてほしいよね」
「苦しくなったら、『ちょっと聞いて』っていうふうにいつでもメールしてほしい。あ、でももちろん『何かしよう!』って気になればそっちをエンジョイしてほしいから、その時は送らなくていいけど」
このように木村は、放送の最後の最後まで真摯な想いを投げかけたのだった。自らの主張を述べつつも、干渉しすぎず、ほどよい距離から相手をきちんと思いやる。そんな彼の言葉に込められた想いは、きっと17歳の少女の心にも深く響いたことだろう。
10月22日スタートのドラマ『PRICELESS~あるわけねぇだろ、んなもん!~』(フジテレビ系)では、史上最多の9 回目となる月9主演を務め、自身のドラマ出演史上初となる極貧人を演じることとなる木村。絶頂期と比較され「キムタクも落ちた」と批評されがちな彼だが、40歳の誕生日を前に、アイドルとしても俳優としても、いまだ第一線を走り続ける彼の“真の魅力”は、実はこんなところに隠されているのかもしれない。