エイベックス「ヤンキーアイドル」は失敗する? ヤンキービジネスの壁とは
「アイドル戦国時代」と、言われる昨今の芸能界。少しでも個性派のアイドルを輩出しようという動きが見られる中、大手レコード会社のエイベックスが「ヤンキーアイドルオーディション」を主催した。レッスン終了後には、晴れてデビューとなる彼女らだが、早くも業界からはこのビジネスについて不安視する声が上がっている。
同オーディションは、従来の女性アイドルとはかけ離れた「可愛いだけじゃない」オラオラ系アイドルを誕生させるべく、15~22歳の女性を対象に審査が行われた。「個性的な生き方や価値観」が選考基準となり、不良行為からの脱却・更生を目的として企画されたものだという。先日、最終審査が行われ、600通以上もの応募者の中から13名が勝ち抜いた。今後は合宿やボイストレーニングを経て、アイドルデビューを目指すそうだ。
エイベックスが力を入れたこの企画だが、ネット上では「面白いけど売れるとは思えない」「過去の犯罪が暴露されて終わりだろ」といった冷ややかな反応も多く見られる。さらに、世間の反応と同じく、業界からも「失敗するのでは?」と厳しい意見が聞こえてくる。
「実は1年ほど前から、大手芸能事務所の子会社に『ヤンキー専門』のプロダクションを設立するという計画もありました。今回のエイベックスのものとはまったく別の企画ですが、木下優樹菜や鈴木紗理奈など、元ヤンキーを公表しながら人気をキープするタレントも存在し、またヤクザや不良などに憧れを抱く層も、昔から存在していることなどから発足したプロジェクトだったようです。しかし島田紳助の“黒い交際”による引退や暴力団排除条例の施行、そして先日は元関東連合リーダー・石本太一が逮捕されるといった逆風続きに、各スポンサーも難色を示すようになって、結局計画自体が頓挫してしまいました」(芸能プロ関係者)
石元といえば、俳優デビューを宣言したばかりで、エイベックスのヤンキーアイドルオーディションでは審査員にも名を連ねていたが、結局は犯罪行為が認められて逮捕に至ってしまった。
「結局彼らは、現在は品行方正だと振る舞っても、過去には反社会的な行動をしていたことを自ら暴露しているようなもの。石元のケースは少々極端ですが、何かのキッカケで過去の行いが明るみに出てしまった時のダメージを考えれば、不安材料が大き過ぎるんです。ポシャってしまったプロダクションに所属する予定だったあるタレント候補は、本名をネットで検索すると過去の逮捕記事が出てきてしまう状態だったようですから」(同)
昨年10月に施行された暴力団排除条例の影響で、黒い交際が疑われるタレントについては、テレビ局も使いづらい言われる現状。すでに業界内では「ヤンキーなんて時代的に無理」と判断されつつある中で、新世代のヤンキーアイドルに世間の評価はどう下るだろうか。