N・ミナージュの「銃があったら撃ってる!」を受け、M・キャリーが警備を強化
次々とオーディション番組が制作されているアメリカテレビ業界で、新番組に押され気味になっていた『アメリカン・アイドル』が、今、全米で大注目されている。犬猿の仲だというウワサを「仲よくやっている」と笑顔で否定してきた新審査員のマライア・キャリーとニッキー・ミナージュが、番組撮影中に大バトルを繰り広げている動画が流出してしまったのだ。
ジェニファー・ロペスとスティーヴン・タイラーの降板を受け、新審査員として同番組に出演する契約を結んだマライアとニッキー、そして、ニコール・キッドマンの夫で人気カントリー歌手のキース・アーバン。3人は、シーズン1から審査員を務めているランディ・ジャクソンと共に、9月16日にニューヨークでスタートしたシーズン12の地方オーディション審査を行っている。
年間1,700万ドル(約13億6,000万円)という破格の契約金で真っ先に出演を決めたマライアは、「女性審査員は彼女だけ」と聞かされていたため、ニッキーが審査員パネルに加わることに大激怒。過去に「Up Out My Face」という曲でコラボレーションしたこともある2人だが、今は険悪な空気が流れていると伝えられるようになった。だが、本人たちは、そんなことはないと否定。番組撮影2日目の9月17日に受けた米音楽チャンネル『MTV』の取材で、マライアは、「どうやったら、たった2日間のうちに確執をつくることができるっていうの? 確執ができるにはもう少し時間がかかるんじゃなくって?」と述べ、ニッキーも「私たちがビーフ(争い)してるだなんて」とクリクリした瞳で驚いたような表情を見せていた。しかし、ウワサは本当だったということが、10月2日に流出した動画で証明されてしまったのだ。
動画はピンクのウィッグをかぶったニッキーが、手を振りかざしながら、「アタシがふざけてるとでも思ってんの!? ジョークだと思ってんでしょ!」と吠えるところからスタート。彼女をなだめるランディの声が入るものの、ニッキーはヒートアップする一方で、「もう1回、アタシのことバカにしてみなさいよ。言ってみなさいよ! ブチのめしてやるから!」「カッとするなって言うけどねっ! アタシのことギャングスタって呼ぶのやめてよっ! アタシのこと不適切だって言うのもやめてくんない! っていうか、5分置きに自分の華麗な経歴をベラベラしゃべるアンタの方が不適切じゃないの?」と止まらない。
「アンタがアタシのこと見下すたびに、やり返してやるから!」「アタシは(プロデューサーたちに)宣言したから。お高くとまったアンタに、これ以上耐え続けることなんてしないってね」とキンキン声で言い、「アンタがどうにかしなさいよ。ファック!」と叫んだ。キースを挟んで座っていたマライアは「Oh~、な~んで、私の周りに3歳児が座っているのかしら?」とバカにした口調で言い、その言葉が耳に届いているのか、ニッキーは、「アタシは彼女の経歴を5分置きに、繰り返し繰り返し聞くために、ここに20分間も座ってるわけじゃないのよっ!」と声を荒らげる。マライアもニッキーの言葉をあまり聞いていない様子で、「あなたが、クレイジーに振る舞ってステージを駆け回るから、私は自分の子どもたちに会えないじゃないのぉ」と両手を広げながら、ウンザリとした表情を浮かべる。完全に怒りの沸点を超えたニッキーは、そっぽを向き足を組みながら、「上等だよ! 行けよ! 今すぐ子どもたちに会いに行けよ! アンタ、最高につまんないし、マジつまんないし、ファック!」と吐き捨てるように言う。
動画はここで終了するのだが、収拾がつかなくなったため、番組製作総指揮者のナイジェル・リスゴーは、すぐにこの日の撮影を終了することを決定。『アメリカン・アイドル』にとって最高の話題作りとなったという見方が多く、ニッキーは、プロデューサーがマライアをけしかけたと不信感を抱いているとも伝えられているが、ナイジェルは2人が対立していることが公になってしまい頭を抱えていると報じられている。
動画の中のニッキーは、マライアが自分の経歴ばかりを話すと言っているが、「TMZ」によると、マライアは出場者一人ひとりに、グラミー賞をいくつとった、アルバムをこれだけ売り上げた、こんな記録を作ったなど、どれほど自分がすごい歌手なのかを話すとのこと。壊れたレコーダーのように繰り返し聞かされるニッキーはもう耐えられないところまできており、そこに、マライアから「ビッチ」と呼ばれたことが、彼女の怒りのスイッチを押したと報じられている。滅茶苦茶に吠えまくっているニッキーの横に座るキースが、彼女を止めなかったのは、同じようにマライアにウンザリしていたからに違いないという声もネットでは上がっている。
『アメリカン・アイドル』の司会進行役を務めるライアン・シークレストは、カーダシアン家の日常を追うリアリティ番組『Keeping Up with the Kardashians』のプロデューサーを務めており、セレブな世界に住むワガママな女性たちのイザコザを嫌というほど見てきている。そのライアンは3日、自身がDJをしている朝のラジオ番組で、、ニッキーがブチ切れたときは部屋の外で出場者の家族と一緒におり、現場にはいなかったと前置きした上で、「収録が終わりに近づき、、出場者がパフォーマンスをした後に、番組で強烈な熱い口論バトルが勃発したんだ」「ニッキーは今、なやりの音楽、チャートでホットな曲に関する見解をはっきりと持っている。マライアは、アイコンとしての経験があり、レジェンドであり、最も素晴らしい歌手の1人だ。キースもランディも、それぞれの違った見解を持つ。4人が集まれば、それぞれ異なる意見を得られることになる。素晴らしいことだと思うよ」「意見の違いはあることだから。よくあること。大丈夫」と必死にフォローしていた。
全米が大喜びしている「ニッキーVSマライア」バトルだが、ニッキーが「銃を持ってたら、あのビッチを撃ってやるのに!」と発言したという報道も流れており、問題視されている。ニッキーも番組側も否定しているが、ひょっとしたら「それほど嫌い」という意味で、つい口から出てしまったのかもしれない。
マライアはニッキーが吠えた翌日、仲の良いジャーナリスト、バーバラ・ウォルターズの電話取材に応じており、バーバラは司会の1人として出演している『The View』でその内容を発表。「ニッキーがギャンギャン吠えていたことについては、なんとも思ってない。でも、セットから離れるとき、ニッキーが『もし銃を持ってたら、あのファッキング・ビッチを撃ってやるのにっ!』と言ったのをたくさんの人が聞いており、それが心配」とマライアの言葉を書き留めたメモを読み上げた。
「ヘアメイクやプロデューサーとか、たくさんのスタッフがその言葉を聞いたそうよ。マライアは双子もいるし、とても心配しているの。何事も起こらないとは思っているようだけど、ニッキーは予測不可能な人だから、警備の人を増やしたそうよ」と述べた。続けて、「あの後、マライアとニッキー、ほかの審査員にプロデューサーたちで会議を行い、話し合いを行ったそうよ。会議の後、マライアはニッキーから『あなたのことは大好きだけど、またケンカするかもしれないわね』と声をかけられ、『いいえ、もう二度とケンカはしないわ』と答えたみたい。マライアは精神的に落ち着かないけれど、番組が好きだから出演し続けるって」と言い、その後、番組ではマライアの肩を持つようなコメントが飛び交った。マライアは夫のニック・キャノンも完全に味方につけており、「私は悪くない」というイメージ作りに必死なようだ。
一方のニッキーだが、Twitterで、「アタシはTMZやバーバラ・ウォルターズなんかに電話はかけない。だって、アタシは自分の2本の足で立ってるから。援軍なんて必要ないのよ。神さまがついていてくださるから十分」と気丈にアピールし、「わかってるのよ。プロデューサーから『ニッキーはサイモン(・コーウェル)が降板して以来、最高の審査員だ』って言われたら、どんなに傷つくかって。あ~、本当にかわいそう」とツイート。マライアへの攻撃は今後も続けると宣言しているようなものだと話題を呼んでいる。
まだまだ序の口の段階といった印象を受ける『アメリカン・アイドル』のバトル劇。プロデューサーは今後2人をどうコントロールすればよいのか、相当悩んでいるようだが、これまでこの手の番組を見なかった層も「マライアとニッキーのバトルを見たい! 2人の間に流れる険悪な空気を見たい! 本戦は生放送されるし、最高!」と騒いでおり、視聴率的には最高の数字が期待できそうである。まだ始まったばかりの『アメリカン・アイドル』シーズン12だが、伝説的なシーズンになること間違いなしだと注目されている。