脂肪は56℃以上で溶ける!? 肥満大国・アメリカ発の脂肪溶解術に迫る
三十路になった途端に頑固になった体の脂肪。二十代の頃ならダイエットに見合った分は落ちていた肉が、今では固い鎧となり体から脱ぐことができない……。体重は落ちているのに、腰回りや二の腕のサイズは一向に変化が見られない、このジレンマ。いくら数字が減っても、サイズダウンが実感できないとなかなかモチベーションも上がりません。
となると、脂肪吸引やレーザースタイリングに頼るしかなさそうですが、いずれも安全性やイメージ的に二の足を踏んでしまいますよね。その不安感や抵抗感は、施術に使われる機器がどんなものかわからないところに起因しているのでは? エステやクリニックでプランの説明は受けても、機器についての説明を聞くことはわずか。自分の体を預けるというのに、施術に使われる機器への知識がないなんて、ちょっと怖いことです。そこで今回、美容医療機器の開発、販売を行う「ソルタメディカル」へ、脂肪溶解機器「ライポソニックス」について話をうかがってきました。
――脂肪溶解って、知らないことだらけで抵抗があります。
ソルタメディカル広報担当(以下、ソルタ) メスを使わず体脂肪を減らす施術なので、体への負担が軽く、怖いものではありませんよ。「ライポソニックス」の特徴としては、1回の施術で完了し、施術時間もカウンセリングや計測を含め2時間程度なのが強みですね。腰回りの脂肪に特に効果的で、1回でおよそ3センチのサイズダウンが可能といわれています。またアフターケアもいらないので、施術後すぐに活動できますよ。
――そんなラクな方法があるんでしょうか?
ソルタ 10年以上にわたる臨床試験や血液検査などで安全性は立証されており、米国の厚生労働省にあたるFDA(食品医薬局)の認可を取得しています。痩身のメカニズムは、虫眼鏡で太陽の光を集めて一点に照射すると紙が焼ける、というのをイメージしてください。脂肪は56℃以上で溶解するので、脂肪の深さを測り、その深度に合わせてHIFU(高密度焦点式超音波)という先進の技術を使って超音波を照射します。体表面の皮膚や内蔵には影響なく、脂肪のみを溶解することができるので、メスを入れる必要がないんです。
――1回で施術が完了する痩身といわれても、いまいちピンときません。
ソルタ HIFUテクノロジーで溶解された脂肪は自然に代謝されるので、サイズダウンもおよそ2カ月かけて進んでいきます。施術後すぐ痩せる脂肪吸引は実感を得やすいですが、体のラインがボコボコになってしまうケースや麻酔もメスも使うため不安も大きい。「ライポソニックス」は、病院で受ける超音波エコーと同じ超音波なので、心的不安も小さいですよ。
超音波エコーのようなヘッド部分
――体内で脂肪を溶かすからには副作用もあるのでは?
ソルタ 青あざ、筋肉痛を感じる方もいらっしゃいます。個人差があるのでまったく問題ないという方もいます。また、「ライポソニックス」は医療機器にあたるため、サロンではなく医師の監督下でのみ使うことができるんです。導入しているクリニックは美容外科、形成外科だけでなく、産婦人科や皮膚科、消化器科などさまざま。特に産婦人科は産後の女性から需要があるようですよ。
――施術を禁止するケースは?
ソルタ 脂肪より筋肉が多い方、BMI(身長からみた体重の割合を示す体格指数)が30以上には使えません。脂肪は2.5センチ以上ないと使えません。つまり、痩せている方と太り過ぎの方になりますね。ダイエットの最後の仕上げとして使う、微調整的な役付けで考えてください。
――米国での認知度が気になります。
ソルタ 2012年1月に米国で発売されたのですが、米国は肥満大国ですから、関心はとても高く、積極的に取り上げられています。情報番組『グッド・モーニング・アメリカ』などでも特集が組まれたり、公言はされませんが、セレブの方々も「ライポソニックス」の施術を受けているんですよ。米国では、ボディラインをコントロールするという意味の「ボディコントアリング」という名称で定着していて、いわゆる「痩身」とは異なる意味付けがされています。
――体形管理の1つに使われているんですね。
ソルタ 日本は痩身への意識は高いのに使われる機器への意識が追いついていないので、患者さんが自分で機器を選べるほど知識を身につけてくれるとうれしいですね。