プリンスが珍しくトーク番組に出演、見慣れないアフロヘアに!
アメリカの主婦に絶大なる人気を誇るトーク番組『The View』に、天才アーティストと呼ばれるプリンスが出演した。プリンスがトーク番組に出演することは非常にレアであり大注目されたのだが、番組終了後、ネットで最も話題に上がったのは「プリンスがアフロになっていた」ことだった。
長年ライバルだったマイケル・ジャクソンと同じく、インタビュー嫌いで、あまり多くを語らないプリンス。そんな彼が今回出演したのは、朝のトーク番組『The View』。この番組は、ウーピー・ゴールドバーグ、バーバラ・ウォルターズ、エリザベス・ハッセルベック、シェリー・シェパード、ジョイ・ベアールの熟女5人が司会を務める、平日朝11時(西海岸は10時)から放送される人気トークショー。毎回、旬のゴシップについて言いたい放題に語ったり、おば様世代が好むゲストを招いて、いじり倒すという内容になっている。先日トップレス写真がパパラッチされてしまったキャサリン妃のことも、「乳首にちゃんと日焼け止め塗ったのかしら。だってデリケートな部分でしょ。若い子たちってすぐにトップレスになって日焼けしたがるけど、心配になるわ」と脱線していたが、このぶっちゃけトークが主婦層に絶大なる支持を得ている。
この番組にプリンスが出演する決心をしたのは、ウーピーと交流があるからとのこと。実は2010年にもサプライズとして数分間出演している。その時、プリンスは、「ロックスターにとって、この時間帯はちょっとイケてないけど」と笑いをとった上で、「ニューヨークに来たから、顔を出してみたんだ」と言い、マディソン・スクエア・ガーデンで開催するコンサートのチケットを熟女たちにプレゼントした。
この時、隣に座っていたシェリーはうっとりしながらプリンスの体をさすりまくり、「ねぇ、お願い。『シェリー愛してるよ』って言って」とおねだり。プリンスは快く応じ、シェリーをとろけさせていた。シェリーはその後も自分を抑えきれずに、「私ね、あなたとメイク・ラブしたいって、ずっと思って生きてきたの」と言い、プリンスを飛び上がらせた。そして、その言葉におびえるかのようにプリンスは退場したのだが、彼の姿が見えなくなるとウーピーはしんみりとした口調で、「彼はとてもシャイで、音楽を通して会話をする人なのよ」と極端に口数が少なかったことをフォローした。
今一度お知らせします! 久保田利伸ではなく
プリンスです!
今回、プリンスは70年代を彷彿させるような黄色いベルボトムにフリンジジャケット、そして小ぶりに整えられたアフロ頭で『The View』に登場。長年にわたり縮毛矯正すると髪に大きなダメージを与え、ナオミ・キャンベルのように髪が抜け落ちてしまうケースが多いという。プリンスも縮毛矯正しまくっていたのだが、今回お披露目したアフロヘアーは思わず触りたくなるようなほどフサフサしており、ネットで話題になった。
アフロに話題が集中したのは、今回もプリンスがあまり語らなかったからである。しかし、気まずい沈黙はなく、ポイントをしっかりと押さえたトークが繰り広げられた。
司会の熟女5人と軽いハグを交わしたプリンスが椅子に座ると、まずウーピーが、「前に来てくれた時、コンサートのチケットをくれたのよね。みんなであなたのコンサートを見に行ったわよ。すごかったわ。ロケットみたく!」と言い、プリンスの隣でそわそわしているシェリーに向かって、「はいはい、シェリー。あなた何か言いたいんでしょ」とバトンタッチした。
シェリーは生き生きした表情で「あの時ね、プリンスがアタシの名前を呼んでくれて、ステージの上でダンスさせてくれて。心臓発作が起きるかと思うほど大興奮しちゃったわ」と言い、後方スクリーンにほかのラッキーな観客たちと共にステージで踊るシェリーの写真がアップで映し出された。少女のようなトキメキ顔になっているシェリーは、プリンスに向かって、「びっくりしたわ。コンサートで休むことなく、ノンストップで歌い踊り続けているんですもの。どうしたら、そんなことができるの?」と質問。プリンスは、「音楽、スピリット。この2つが自分を動かしてくれるんだ」と簡潔に答えた。
エリザベスもシェリーと一緒になり、コンサートがすごかったと盛り上がったのだが、キャピキャピしている2人を抑えるように、年配のバーバラが落ち着いた口調でプリンスに体を向けて質問。「あなたは本当に好青年よね。でもあまりインタビューを受けず、自分のことをあまり語りたがらない。シャイなのかしら?」という彼女の問いに、プリンスは、「う~ん。シャイではないかな」と消え入るような声で答えた。
バーバラはまるでカウンセラーのように、「あなたはステージの上では違う人になるわよね。でも、ステージから降りると物静かな人になる。なんでなのかしら?」と続けて質問。プリンスは、「う~ん。あなたの側にいると、こうなっちゃうんですよ」とうまくかわそうとしたのだが、バーバラはあきらめず、「プライベートでは本当に慎み深いじゃない?」と問いかけ、プリンスは困ったように、「自分にも静かな時があるって感じですかね」と言った。
次にエリザベスが、「FacebookとかTwitterとか、ソーシャル・メディアはやってる?」と質問。プリンスは、嫌そうな表情を浮かべ、両手を出しノーというリアクションをした。「『アメリカン・アイドル』とかは見る? あなたは業界で成功を収めた才能溢れる人じゃない? この手の番組を見ることなんてないの?」という問いにも、「ほとんど見ないです」と回答。
「ジャスティン・ビーバーとかレディー・ガガとか、新しいスターについてはどう思う?」と聞かれると、「十人十色。自分は音楽を作る人間だから、あまり見ないんですよ」と静かな口調で答えた。その言葉を聞いたシェリーは、「あなたはたくさんの音楽を作っているって、未公開の曲が何百曲もあるって聞くけど、いつリリースしてくれるの?」と質問。プリンスは、「いつか、ね。自分じゃなくて、誰かが歌うという形になるかもしれない。とにかくたくさんあり過ぎてね。次々とアイデアが浮かんでくるから、音楽が増えていってしまうんだ」と淡々とした口調で述べた。
プリンスはコンサートのために300の曲をピックアップし、その日の気分や会場の反応を見ながら歌う曲を決めるとのこと。このことについてジョイから、「これってかなりのリスクじゃない? バンドもちゃんと対応できないんじゃ?」と聞かれ、プリンスは、「大丈夫。たくさんリハーサルしているからね」「自分はブルース・スプリングスティーンが好きなんだけれど、バックステージで彼のコンサートを見ていた時、途中で彼がバンドに向かって手でサインを出して、曲を変えたことがあったんだ。ジェームス・ブラウンもコンサートで同じようなことをやっていた。そういう良い部分を自分も見習っているんだ」と説明した。
その後、シェリーは、プリンスが月末にシカゴで開催するコンサートが、『Rebuild the Dream』というチャリティー団体を支援するためのものだと紹介。この団体は環境のヒーローと呼ばれ、2009年に米「TIMES」誌から「世界で最も影響力のある100人」として選ばれた人権・環境活動家のバン・ジョーンズが立ち上げたものである。プリンスは、「バンは友人でね。聖書の勉強の延長で興味を持った政府について、いろいろと教えてくれたんだ。彼は素晴らしい人で、面白い人でもあり、素晴らしい父親でもある。身内だけでなく、すべての人のことを思ってくれるブラザーのような存在なんだ。いろいろと学ばせてもらっている」と語り、バーバラから良いことだわと褒められると、「ヒーリング」とボソッと言い、ウーピーから、「そりゃ、人々に癒やしを与えるわよ。だってプリンスなんですもの」と突っ込まれてしまった。
コマーシャルを挟んで、プリンスと14年来の友人だという女優のロザリオ・ドーソンとバンが登場。『Rebuild the Dream』とコンサートについて説明をした。プリンスは、「今回のコンサートは政治的なものではない。自分は、人々が助け合い協力し合わなければならないと心から思っている」と協力する理由を明かし、ウーピーが、「公表してないけど、プリンスは本当にたくさんのチャリティーを支援しているの。そういう人なのよ」と絶賛した。バンも、「プリンスは敬虔なエホバの証人だ。口だけの人じゃないんだ」と強調していた。プリンスは、2001年にエホバの証人に改宗しており、80年代のエロセクシー路線から180度方向転換し、商業主義からも脱している。
人々の興味を惹きつけた「アフロ」にした理由は明かされなかったが、いつまでも変わらぬ若さを保ち続けるプリンスは、いろいろな意味でまだまだ進化しそうである。