テニミュ元俳優が明かす、イケメン下半身スキャンダル続出のワケ
ミュージカル『テニスの王子様』(以下、テニミュ)への出演歴もある俳優・篠谷聖が、警視庁町田署に強姦致傷の疑いで逮捕された。犯行後に「付き合わないか」と被害者に連絡先を伝えるという、あまりにも身勝手で愚かな手口に非難が殺到しているが、業界関係者の間では「またテニミュか」という哀れみの声も多く聞かれた。
『テニスの王子様』は、1999年から「少年ジャンプ」(集英社)で連載を開始した許斐剛氏原作のテニス漫画。大勢のイケメンテニス選手が登場することから、女性人気が爆発した。また、通常では考えられないトリッキーな設定や必殺技が一部漫画マニアのハートをくすぐり、連載中盤辺りから多方面のファンを獲得していった怪作だ。同作のミュージカルは2003年にスタートし、現在までに100人以上のキャストが舞台に出演している。
「原作で大勢のファンを獲得したキャラクターを演じることになり、人気上位のキャラに割り振られた時点でテニミュ俳優の“格付け”が決まるんです。それまでの活動実績や役者としての実力というより、配役次第で突然爆発的な人気を獲得する可能性もあるわけです」(芸能プロ関係者)
出演後に芸能界でポジションを獲得した俳優といえば、城田優や斎藤工などわずかながら存在するが、やはり大半は無名のまま細々と活動している者がほとんど。逆にトラブルの中心となって報道された人物によって、テニミュの名前がネガティブにクローズアップされてしまっているのが現状だ。
「07年に元横綱若乃花の妻・花田美恵子との不倫関係を暴露した青木堅治という俳優が、『テニミュ出身』で一番最初に騒動を起こした俳優でしょう。また来栖あつことの金銭トラブルが報じられた矢吹卓也は、その後、窃盗容疑で逮捕されています」(芸能ライター)
テニミュ出身俳優が多数メディアで取り沙汰されたのは、いずれも下半身絡みのスキャンダル。そこで、かつて彼らと同じ舞台に立っていた元俳優の男性に話を聞いてみた。
「副業感覚でテニミュに出ていた人たちはわかりませんが、本気で役者を志している人間は、誰もが『本当はシリアスな舞台や映画に出演したい』と思いながらやっていましたよ。お客さんが大勢ついてくれることはありがたいですが、結局は『テニスの王子様』という看板があってのことと、誰もが理解していましたから。そのフラストレーションを芝居にぶつけられる人はいいのですが、実際にうまくいくのもほんの一握りだけ。彼女に食べさせてもらっていたり、警察のお世話になって業界から去っていった人物も大勢います」
いつまで続くかもわからない“かりそめの人気”に、気を病む俳優が続出している現状なのだという。
「彼らだって現状に満足していたら、こんなバカな真似はしなかったはずでしょう。しかし実際のところ、僕たちは単体でほかの舞台に出ても、まったくお客さんなんて呼べないんです。ほかのテニミュ俳優たちと抱き合わせの『イケメン枠』で、どこからかお声がかかれば……という感じで」(同)
イケメン舞台界では一大ブームを築いた『テニミュ』だが、外部からはうかがい知ることのできない出演者たちの葛藤の行き先が犯罪だとすれば、ファンからしてもやりきれない話だろう。これ以上道を踏み外す役者が現れてしまわないことを祈るばかりだ。