卓球・石川佳純選手が「食わず嫌い」で見せた試合中との“大きなギャップ”とは
今回ツッコませていただくのは、卓球銀メダリスト・石川佳純が登場した、8月30日放送分『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)の「新・食わず嫌い王決定戦」。
石川佳純といえば、試合で勝った時など、うれしくなると子どものようにピョンピョン飛び跳ねてしまう無邪気さや、飾らない雰囲気で、ロンドンオリンピックで最も人気が高まった選手の1人だと思う。
さらに、「試合会場の体育館にラケットを持っていくのを忘れ、市民スポーツ用の備品のラケットを借りたら優勝した」「休日、池袋のロフトで福原愛と待ち合わせした佳純ちゃんは、日本代表のジャージ姿で、首からお財布をぶら下げてやってきた」などの「ピュア伝説」もネット上で有名になっており、「天使」とすら言われている。
そんな「萌え」要素のデパートのような石川の対戦相手は……石川がどうしても会いたいという伊藤英明。なんと『海猿』のうちわをロンドンに持って行くほど大ファンらしい。
それにしても、スポーツ選手にはありがちなパターンだが、ジャージやユニフォーム姿+すっぴんが最高に可愛い佳純ちゃんの私服+メイク顔は垢抜けない。でも、その垢抜けなさもまた、良いような気もする。
石橋貴明に「握手してもらえば?」と言われ、「あ、握手……」と身を乗り出してテーブルにぶつかり、「あ、イテ」というリアクションをとるところも、細かく頷く仕草も、可愛い中学生男子のように見える。それでいて、卓球について聞かれて答える時の目は、猛禽類のような鋭さもあるのだ。
と思うと、伊藤英明の選んだ1品「くさや」を嗅いでみた時のリアクションは……。
「ああ……(眉間にシワ)」(石川)
「どう?」(石橋)
「くさい……」(石川)
なんとも落ち着きはらった、低いテンションになってしまう。北京ダックを「噛みきれない」という理由から、一口でグイグイと口に詰め込む不器用さ&雑さは子どものようなのに、木梨憲武に「トランプの手品の逆バージョンみたい」とツッコまれると、一瞬笑った後に、シレッと真顔で「中国に行くと食べます」と一言。本当に低いテンションなのだ。
試合において、必死で涙の抗議をしたり、喜んでピョンピョン飛び跳ねたりする時の喜怒哀楽は、「くさやのニオイ」や「バラエティ的なツッコミ」の100倍くらい、心の揺れが表出しているのだと思う。
「彼女にとって、本当に卓球がすべてなのだ」と感じさせる、純粋すぎる佳純ちゃんの素顔。対する「俳優・伊藤英明」はというと、くさやを口にし、ものすごくブルーな顔をしたかと思えば、「ブフッ」と噴いたり、「ヴエ~ッ……ごめんなさい……暑い……」と、シャツまで汗でびっしょりにして、大変なことになっていた。
コーナーの歴史に残るであろう伊藤英明の大きな大きなリアクションと、2人の好対照な態度、そして、石川のピュアさが存分に詰まった「食べず嫌い」。実にオトク感たっぷりで、満腹になれる回だった。ごちそうさまでした。
(田幸和歌子)