奇形魚の増加を告発! いまだ広がる放射能汚染を伝えた「週刊女性」
下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の”欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
第140回(8/24~28発売号より)
中国大使が襲撃された! 領土問題で揺れる日本にこんなニュースがもたらされた。大使が襲撃とは尋常ではない。しかし――その詳細は乗っていた車を強制的に停車させられ、フロント部分にあった国旗を奪われたということらしい。確かに憂慮すべきことだが、“襲撃”って大げさすぎやしないか。センセーショナルな単語を連呼しまるで愛国心を煽るかのような日本マスコミ。両国がヒートアップすればどうなるのか。どこまで覚悟して煽っているのか。かつての大日本帝国もこんなヒス状態だったと思う。
1位「小栗旬 山田優 深夜そば屋で緊迫の『夫婦ゲンガ』180分!」(「週刊女性」9月11日号)
2位「高ベクレルの奇形魚が食卓に上る日」(「週刊女性」9月11日号)
3位「華原朋美“38歳の誓い”は『もう薬にも、男性にも依存しません!』(「女性自身」9月11日号)
毎度毎度の小栗&山田の夫婦喧嘩であるが、今回1位にランキングしたのはワケがある。それは記事に掲載されていた小栗の写真があまりに素敵だったから。
この2人、結婚前からトラブっていた。浮気騒動に、同棲―別居の繰り返し。そんな困難を乗り越えてゴールインしたが、結婚後も問題が解決したわけではなかった。妻帯者になっても小栗はモテる。仕事も売れっ子だから超多忙。そして今回も多忙が原因の夫婦喧嘩記事である。深夜のそば屋、2人はビールで乾杯した。だがしばらくして夫婦喧嘩が勃発したという。その重要トークを「週女」は見事に盗み聞き成功!
小栗「仕事のスケジュールは○○さんを通さないとわからないんだって」
山田「でも……ふたりで温泉くらい行きたい!」
新婚・山田の気持ちはわかる。売れっ子ゆえ自分だけではスケジュールが自由にならない小栗の事情もわかる。説得する小栗。納得いかない山田。苛立つ小栗。それでも小栗は必死に説得を続けたようだ。その模様がバッチリと写真に収められている。山田は背を向けているのでその表情はわからないが、小栗は正面を向いていて山田の目を真剣に見つめている。それはドラマや映画の1シーン以上に真剣そのものだ。そんな目で、そして表情で、顔で説得されれば、誰だって何だって許してしまいたくなるような――。過去さまざまなトラブルを乗り越え結婚に至ったのは、ひとえに山田の忍耐と愛情があったから、そして山田が小栗にホレ込んでいるからだと思っていたが、こんな顔で必死に説得されていたのなら、そりゃあ許してもしまうでしょう。
さらに「週女」の盗み聞きは続く。
「仕事を家に持ち帰りたいけど、優のためを思って持ち帰らないようにしているよ」「今日だって本当はみんなと飲みに行きたかったけど、優のためにやめたよ」。そして最後には「ゴメン」と謝り、夫婦喧嘩を一件落着させた小栗。男女のなんたるかをよく知っている。こんなイイ男にここまで想われているのだから我がまま言うな、少しは我慢しろ山田! と思わず叫びそうになった。「週女」はその後店を出た2人のツーショット写真も掲載しているが、そこにはホッとして優しい表情の小栗が写っていた。こんな男にホレてしまった山田の負けである。
日本人は飽きっぽい。未曾有の大震災に原発事故から1年以上が経ち、そろそろこの案件に飽きてきたのだろうか。デモは盛り上がってはいるが、野田政権にとっては馬の耳に念仏状態で再稼動もしちゃった。被災地から離れ、年月が流れるにつれ放射能への恐怖、防御は薄れていく。放射線に怯え続ける日常生活も精神的に限界だ。消費税も増税だって? 仕方ないか。タイミングよく領土問題も勃発し、国民の意識が近隣諸国に逸れた。メディアも原発事故を忘れたわけではないが、いかんせんこのネタでは「売れなく」なってきた。小林幸子やら、藤田紀子ネタの方が数字は取れる――。
そんな中、果敢にも放射能食品ネタをトップ記事に持ってきたのが「週女」である。かねてよりネットラジオやTwitterで東京湾の放射線汚染を訴えていた元猟師・本間一功氏を大きく取り上げたのだ。
本間氏の告発によれば、南房総で今年1月から奇形魚がこれまでより多く穫れ始めた。スズキ、ヒラメ、カワハギなどの海底魚のほか、ブリ、マグロ、カツオ、サバなどにも奇形は見られた。奇形魚の放射線量を測るとセシウムが基準値の100を大きく超え、500から700ベクレルという高数値を出したという。漁協での計測は奇形を排除しているためか、これまで不検出が続いているが、しかし奇形魚は廃棄されることはなく激安で売買されているという。またこうした本間氏の行動は仲間の反感を買い、漁師を休業中だという。
一方、記事には漁協や県の水産課などの「奇形魚の増加データは出ていない」「銚子漁協などは毎日のように検査をしている」という反論コメントも掲載。しかし漁協によって検査方法や頻度が違うこと、また魚の放射線量測定の困難さからサンプリングから抜け落ちる魚は存在すること、奇形魚が肥料として使用されていることへの今後の影響を指摘している。
未曾有の原発事故で、今後のことははっきり言って「誰にもわからない」。だからこそ、最大の防御が必要だ。そもそも海の汚染は、事故直後より時間を経てからの方が高くなると指摘されていた。実際、山間部での川魚から高濃度のセシウムが検出され、その川水は次第に海に流れ込む。ここ数年は広範囲で詳細なモニタリングが必要だというのは以前からわかっていたことだ。だが国や自治体は現在に至るまであまりにも無責任だ。水産庁は今回の件についてこんなコメントをしている。
「(サンプルとしてどの魚を抽出するか漁協に任せている)本来、漁師は奇形魚が出れば検査したいと思うはず。そうあってほしい」
奇形の指摘があっても自ら調査に乗り出すわけでもなく、原発被害者でもある漁協関係者に責任を押し付け、彼らの生活の補償も十分することはなく、しかし検査は彼らの“良心”を信じて任せる――。これこそ行政の不作為であり、漁民、国民をバカにするのもいい加減にしろ、といいたい。放射線汚染が未だに広がっているということを改めて認識させてくれた特集記事であった。
「自身」はちょっと前に「休業中タレントの『悩める日々』!」なるワイドで華原朋美を直撃していた。この時、8キロも太ったという朋ちゃんは記者にダイエット宣言をした。それから2カ月、約束通り「自身」記者が朋ちゃんの元にダイエット結果を聞きに行くと、3キロのダイエットに成功していたという。めでたい。しかしめでたいのは朋ちゃんの体重だけではない。それが朋ちゃんの口から出てきた仰天すべきお言葉だった。
「最近やっと“普通の人間”に戻れたような気がします」「私って、男ができるとダメになるタイプなんですよね」「男とか薬とか、私には依存しちゃった苦い経験のダメージが残っているんです」「恋愛のことで仕事に影響が出たりしちゃうのが私の悪い癖」「いまは恋愛にはまったく興味がないです」「私自身が“騒ぎのない毎日”を過ごすことが一番」
これほどまでに自分を客観的に見られる人間はそうはいない。しかもあの“ぶっ飛び”朋ちゃんがである。過去の反省も含めこれほど真摯に総括し、自らを語る立派なお言葉の数々! この調子なら今度こそ、本当に復帰できるのかも。芸能界の有力者サマ、何とぞ手助けを!