「駅弁ファックしたい」は禁句、『邪道モテ』のテクをヤリマンが使う際の注意点
前編では、『アラサーちゃん』(メディアファクトリー)の峰なゆかと『負け美女』(マガジンハウス)犬山紙子の両氏による『邪道モテ』(宝島社)に描かれている、ヤリマンの世間的立ち位置や特徴についてご紹介させていただきました。後編では、いよいよ邪道モテテクをヤリマン活動に活かせるか、検証していきたいと思います。
「邪道モテ」とは、さわやかイケメン金持ちの男たちをターゲットにする王道モテではなく、ちょっと“ひとくせ”ある男性をターゲットにするモテテクのこと。
ちょっと“ひとくせ”ある男性に対しては、第一印象が大事らしく、「『王道モテ女子ではありませんよ。あなたと同じ種類の人間ですよ』ってとこをアピール」するのが効果的なんですね。具体的には、「合コンに来ている一番のイケメンに興味を示さないのが手っ取り早い」そうです。「好きなタイプを聞かれた時も、王道イケメン系の男を挙げると、それだけで王道モテ系の女だと認定されて距離を作られちゃいます」とのことなので、私たちヤリマンも、「ジャニーズの……」と言いたい気持ちはグッとこらえて、「ジャニー喜多川さん」くらいで留めておきましょう。
次に、料理の取り分けやお酌は「プロっぽい」ので、やる必要はありません。「焼き鳥を串から解体するのとかもいらないスキル」。私が思うに、ちょっと“ひとくせ”ある男性は、焼き鳥は串から食べたいものでしょう。そういえば、とある合コンで、王道モテ系の女性がホッケの骨を解体してくれた……もとい解体しやがったことがあったのですが、解体後のホッケは、さながらネコのエサか残飯のような無残な姿になっていました。
というか、そもそも「取り分けに面倒が想定される料理はオーダーしない」のが基本でしょう! セックスに行き着くにも、面倒は避けたいですよね。そのヤリマン思考を、料理のオーダーも活かしましょう。野菜スティックだのポテトだの、各々が好きにつまめる料理をオーダーする方が、「隠れた気遣いのできる女性だ!」と、ちょっと“ひとくせ”ある男性は見抜いてくれるかもしれませんよ。
そして、「恥じらう」こと。邪道モテ女性は、「恥ずかしがるのが恥ずかしい」タイプが多いようですが、男にはわかりやすく恥じらいを伝えないと永遠にわかってもらえないとのこと。邪道モテの最下層に位置する私たちヤリマンも、御多分に漏れず、恥じらうのが苦手だったりもしますが、歯を食いしばって恥じらうしかなさそうですね。「もともと女オンナしてる王道モテの子が女子っぽく振る舞っても意外性はないけど、普段ブリブリしてない子が見せる女子らしさはギャップが際立ちます」という言葉を信じて頑張りましょう!
ギャップといえば、「飲み会で下ネタをバンバン言う女がいざセックスをするとなると恥ずかしがるというギャップはウケがいい」というのは定説。私が、この一文を読んでガッツポーズしたのは言うまでもありません。とはいえ、度を超えた下ネタはNGでしょう。私は以前、合コン出席者全員(男女問わず)に乳を揉ませるというパフォーマンスをしてしまったがために、結局誰にもお持ち帰りいただけなかったという苦い経験があります。仮に、それでも引かないという男性が声をかけてくれたら、ベッドでは思う存分恥じらいたいものです。
さて、ここからは、2人きりでのデートにおける邪道モテテクです。「デートの約束を取りつけたら、次にすべきは、男が叶えやすいかわいいワガママを考えること」。「『しいたけ嫌いだから代わりに食べて』だったり、縁日で300円くらいの指輪をねだるなど、男がちょうど実現させやすい塩梅のわがままを言うために、前もってその内容を真剣に考えるくらいじゃなきゃいけません」とのこと。いやはや、努力が必要なんですね。ヤリマンとしては、「駅弁ファックをやってみたいの」「ベランダでしたいな」などと言いたくなるところですが、これは“かわいい”ワガママではないですからね、念のため。
そして、ちょっと“ひとくせ”ある男性の場合、家に行っても手出してこなかったりすることもあります。私たちヤリマンの感覚では、「家に行く=セックスをする」ですよね。しかし、石橋を叩きまくる男性は、「もしかしたら断られるんじゃないかってビビりまくっている」ようです。面倒くさいですね。ですが、面倒と言っていては、いつまでたってもセックスは始まりません。女性から仕掛けていくしかないでしょう。「椅子じゃなくてベッドに座るなど、『断りませんよ。むしろ超ヤリたいって思ってますよ』って雰囲気を過剰に伝えましょう」というのは、私たちヤリマンも存分に使えるテクですね。
「王道モテでは、すぐにセックスしないほうがいいっていう伝統的な教えがある」とのこと。ですが、私たちは邪道モテの最下層、「セックスを餌にモテる(?)女」であるヤリマンです! 今後も、すぐセックスするというスタンスを崩さず、ヤリマン道をひた走りましょう。
菊池美佳子(きくち・みかこ)
21歳で処女のままキャバ嬢デビュー。その後、数々のナイトワークとオトコのカラダを渡り歩き、ハケンOLを経てヤリマンライターへ転身。