カルチャー
【ヤリマン肯定主義】第13回(前編)

モテるより、ヤリたい! 『邪道モテ!』から学ぶ天使ヤリマンのあり方

2012/08/20 16:00
『邪道モテ! オンナの王道をゆけな
い女子のための新・モテ論』/宝島社

 今回の「ヤリマン肯定主義」でご紹介するのは、『アラサーちゃん』(メディアファクトリー)の峰なゆかと『負け美女』(マガジンハウス)犬山紙子の両氏による『邪道モテ! オンナの王道をゆけない女子のための新・モテ論』(宝島社)。

 「邪道モテ」とは、さわやかイケメン金持ちの男たちをターゲットにする王道モテではなく、ちょっと“ひとくせ”ある男性をターゲットにするモテテクのこと。そのテクニックを、ヤリマン活動に応用できるか検証してみましょう。

 「モテたいのではなく、ヤリたいのだ!」と反論したくなるヤリマン女性もいらっしゃるかもしれませんね。ですが、『邪道モテ』によると、私たちヤリマンは、「王道モテじゃない手法でモテている女の子」である「邪道モテ」のカテゴリーに入っているようです。といっても、モテゾーンの最下層、「セックスを餌にモテる(?)女」とのことですが。

 「モテゾーンの最下層」とカテゴライズされたことで、「失礼な!」と鼻息を荒くしてはいけません。モテゾーンの最下層だろうと、しかも王道モテではなく邪道モテだろうと、非モテではなく、「モテ」のゾーンにカテゴライズされたのは、非常に悦ばしいことではありませんか! 

 「邪道モテ」によると、ダサキャンタイプだのニッチアイドルタイプだの、ほかの種族の皆さんが「モテ」を狙っている中、ヤリマンだけは「モテ」という方向性ではないとのこと。そう、「モテたいわけではなく、ヤリたいのだ!」という私たちヤリマンの主張にベストマッチしています。ヤリマンのことを非常によく理解してくださっている良書のようです。

 また、ヤリマンに対する分析力も実に見事! 「キャミワンピみたいなの着て常にブラひもが出ているような、『姫ヤリマン』みたいなタイプもいる」、これはまさに私のことなのですが、ほかヤリマンタイプの特徴として、

・プチ整形で目頭切開&平行二重に。
・ホルターネックやチューブトップなどブラひもの出る服が好き。
・ブラひもは基本出てる。
・胸下ギャザーで乳を強調。

 などが挙げられています。思い当たる人も多いのではないでしょうか? ほか、これは私個人の見解なのですが、

・ラブホ街をフットワーク軽く歩くため、常にぺったんこ靴。
・急なお泊まりに備えて、髪の毛はセットしやすい“結べる長さのセミロング”。
・急なお泊まりに備えて、メイクはメンズビオレでも落とせるような薄化粧。
・殿方が脱がせやすいように重ね着はせず、一瞬で脱がせてもらえるワンピースを着用。

 このような特徴も、ヤリマン女性には多く見られるようです。

 次に、内面的なヤリマンタイプの特徴としては、「モテよりも性的対象であることを求めている」と書かれてあります。これまたビンゴですね。特に、非モテからスタートしたヤリマンは、モテること=たくさんセックスをすること、という「男の発想」に至ってしまうようです。

 「男の発想」をしてしまうヤリマンですが、「男からしたら天使」とのこと。だって、やらせてくれるわけですから。姫ヤリマンという称号までいただいた上に、天使とまで言っていただき、有頂天になってしまいそうですが、忘れてはならないことがあります。天使ヤリマンは「1回だけヤッて、それできれいに去る」のが基本なのです。ヤッた後になんとかカノジョになろうとして頑張るのは、天使ヤリマンに非ず!

 「どうすれば天使になれるのか?」という声が聞こえてきそうですが、私の持論としては、「初回のセックス後は女性側からメールしない!」、このひと言に尽きますね。「セックス前にゴハンをご馳走になっているから、そのお礼メールはするべきでしょ」というお気持ちはよくわかります。しかし、男性の脳内には「ゴハンをオゴッた」という記憶よりも、「セックスをした」という印象の方が確実に強く残っているので、「『カノジョにして』とか頑張られちゃったら面倒だなぁ」という思考が大半を占めている状態になっています。だからこそ、ごちそうさまメールは不要。あなたからのアクションが何もないことで、男性は「後腐れのない天使のような女性」と認識します。そして数週間後には、男性の方から「また遊ぼう」と誘いたい気分になっていることでしょう。これが続けばセフレ関係を構築できます。尚、2回目以降はごちそうさまメールを送ってもOKです。天使アピールは、初回のセックス後にメールしなかったことで充分伝わっていますから。

 とはいえ、本書の「ヤリマンは自己評価が低い場合が多いから、『付き合って』とか『カノジョにして』とはなかなか言えなかったりする」という部分にも、なんとなく頷かされてしまいます。「そう思うと、一番切ないかもしれない」と書かれてありますが、ヤリマンは謙虚ということの表れですね。
「いちおう女なのに性的対象にされない自分は人間じゃないみたいな思いがどこかにあるから、ヤリマンのベースにあるのは『いい女になりたい』ではなく『人間になりたい』」なんです。

 しかし! 自己評価が低くて、「妖怪人間ベム」のごとく人間になりたがっている私たちヤリマンではありますが、誰とでもヤるわけではないのがサセ子との違い! (【ヤリマン肯定主義】第11回)自分がヤリたいと思う殿方とセックスをするために、邪道モテテクをどうマスターするかを、後半でくわしく検証していきましょう。 

菊池美佳子(きくち・みかこ)
21歳で処女のままキャバ嬢デビュー。その後、数々のナイトワークとオトコのカラダを渡り歩き、ハケンOLを経てヤリマンライターへ転身。

最終更新:2019/05/24 17:12
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