新設事務所が殴りこみ? 声優界のゴリ押し事情
芸能界のゴリ押しといえば、オスカーの武井咲、剛力彩芽が知られているが、もちろん声優界にも存在する。芸能界では男女問わずゴリ押しが横行しているにもかかわらず、声優界ではこと女性の方が目立ってしまうようだ。
「男性は売れるまで時間がかかる」というのが声優界の通説というが、逆に女性の場合は、「事務所の力があり、一定の可愛い声が出せて顔がまあまあならば、メディアに露出させるのは簡単」(業界関係者)だという。また、そういった手法を率先してとるのはここ数年で新設された事務所に多いという特徴もあるようだ。
「花澤香菜、お家騒動で事務所を移籍した竹達彩奈、スフィア(寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生)メンバーの過剰露出が、少し落ち着いてきましたね。スフィアの事務所・ミュージックレインはソニーの傘下にあるんですが、ソニーもホリプロと同様、最近になって声優ビジネスに手を出してきた会社の1つです」(同)
ホリプロが、声優やアニメ歌手を育成させる「アニメビジョン開発室」を設けた(既報)ことに象徴されるように、門外漢でありながら声優ビジネスに参戦してきた企業はいくつかある。そして、それらの明暗は早くも分かれてきたようだ。
「2000年以降に声優界に参入してきた企業の中では、ソニー傘下の事務所は成功でしょう。もう撤退してしまいましたが、エイベックスは散々でした。1998年に、『頭文字D』でアニメ事業に参戦し、アニメのOP、EDで大量のタイアップをして成功しましたが、『犬夜叉』をはじめ、そのほかのアニメは曲が合っていないという理由で批判が殺到し、現在は撤退しています。」(同)
ニューフェイスでパワープッシュされている声優といえば、三森すずこ。ブシロードが新設した声優事務所「響」に所属している声優である。社長・木谷高明氏の寵愛を受け、DAIGO主演のカードゲーム『ヴァンガード』のドラマ版(テレビ東京系)に出演、今年秋にスタートするアニメ『蒼い世界の中心で』、『神様はじめました』(テレビ東京)などブシロード以外のアニメ作品にも出演する様になった。
「木谷氏は、どんなに小さいイベントにも三森を同行させ、MCに起用したりしています。しかし、アニメの収録現場では経験のなさゆえか、演技の幅が狭く、台詞まわしも拙いようです」(同)
三森のほかにも、いわゆるアイドル売りで押されている声優は存在する。
「近年では、映像制作会社『スタイルキューブ』の小倉唯、三澤紗千香のプッシュが目立ちます。しかし、一時的にメディアに大量に出ても、ファンはすぐに飽きて次のアイドル声優へ行ってしまう。プッシュされる声優たちは、ファンの支持が続かず息が短いのも特徴です」(同)
実力が身につく前に事務所の意向でメディアへ露出し、「ゴリ押し」と言われてしまう彼女たち。露出しているうちに力をつけ、業界のレベルを下げないためにも脱「ゴリ押し」してもらいたいものである。