「日本活動も順調なのに……」SUPER JUNIORメンバーの竹島発言の波紋
韓国のイ・ミョンバク大統領が竹島に上陸したことを契機に、オリンピックサッカー男子韓国代表の選手が試合後「独島(竹島の韓国名)は我々の領土」と書かれた紙を広げたパフォーマンスが問題になっているが、ちょうど同じ頃、同様の政治的パフォーマンスをTwitter上で行ったK-POPアイドルがいる。
そのアイドルとはSUPER JUNIORメンバーのチェ・シウォン(25)。彼はTwitter上で、イ大統領の「独島は私たちの領土であり、命を捧げて守らなければならないがあります。誇りを持って守っていきましょう」といったツイートをリツイートし、日本のファンを中心に波紋が広がっている。
SUPER JUNIORは先日行われた『SMTOWN LIVE WORLD TOUR III in TOKYO!』で、東方神起に負けず劣らず声援を受けた、韓国を代表するマルチエンターテインメントグループ。メンバーそれぞれが司会業やモデル業、バラエティやドラマにと多方面で活躍し、今年5月には単独での東京ドーム公演も成功させ、8月に開催予定の野外ライブ『a-nation 2012』への出演も決まっている。
「正直ガッカリしました。日韓には政治的な問題が山積みであることは、K-POPファンもわかっているので、彼らが心の中で何を思っていようが、それはしょうがないと思っています。ただ、わざわざ公の場でつぶやく必要があったのか……。せっかく日本活動が順調に進んでいる時なのに……」(SUPER JUNIORファン)
ファンの中では「韓国人である以上、反日教育を受けているのだから仕方がない」「好きなアイドルとはいえ、、気持ちが良いものではない」など意見もさまざまだ。
「K-POPアイドルが反日的な行動を起こし、話題になった例は過去にもあります。桂由美のファッションショーに参加したBEASTが、着物をモチーフにした衣装の着用を拒否したことや、U-KISSのドンホもTwitterで領土問題に関するつぶやきをしたことがありました」(K-POPライター)
先の、サッカー男子韓国代表の問題もそうだが、スポーツや芸術、エンターテインメントに政治を持ち込んではファンも白けてしまうだろう。しかし、そこにはK-POPアイドル、ひいては韓流スターが抱えるジレンマがあるという。
「日本では、芸能人の政治的発言は敬遠されがちですが、韓国ではむしろ好まれるという傾向があります。反日的な発言をすることで、評価される風潮もある。逆に、親日的な行動を取ることで批判を受ける場合もあり、日韓両方で活動する芸能人は、しばしばこのジレンマに悩まされます」(同)
2009年、韓流スターであるチョン・ウソンが日本の番組に出演した際、「キムチ」のローマ字つづりを日本式表記の「kimuchi」と書いたことで猛バッシングに合い遭い、謝罪を余議なくされたのは有名な話(ちなみに韓国表記では「kimchi」)。
一方で、K-POPアイドル各々の持つ意識の差が露呈したという面もある。
「先ほど、BEASTが着物モチーフの衣装に袖を通すのを拒否したと話しましたが、実はこの現場には同じくK-POPアイドルの超新星もいて、彼らは拒否することなく着物モチーフの衣装を着用したんです。これは両グループの意識の違いが表れたエピソードでした。正直、BEASTやSUPER JUNIORはここ2~3年のK-POPブームの波に乗ってやってきたグループで、日本に対する思い入れや文化への理解が少ないのかもしれませんね。一方、超新星はブームが来る前から日本で地道に活動をしていて、日本語の勉強もしっかりとやってきたグループ。そういったグループは、下手に政治的な発言はしません」(同)
国民性というのはどこの国にもあるものだが、K-POPアイドルとして、世界を視野に入れて活動していこうと思うのであれば、韓国国内の評価を気にするだけではなく、国際的な感覚や価値観というのも必要になってくるだろう。