乙女狙いで囲い込み! 「ヴァンガード」の陰で「バトルスピリッツ」が躍進?
子どもやオタク女子に大人気の、トレーディングカードゲーム「カードファイト!! ヴァンガード」。アニメ化だけでなく、CMのイメージキャラクターにDAIGOを起用し、今年5月にはDAIGO主演で単発ドラマにもなっている。一介のカードゲームとは思えないほどのメディア展開であるが、その裏にはある名物社長が存在している。
ヴァンガードを製作・販売している「ブシロード」の代表取締役社長は木谷高明氏。木谷氏は、現在オタク女子人気No.1の乙女ゲーム「うたの☆プリンスさまっ♪」を製作している「ブロッコリー」の創業者で、初代代表取締役社長でもある。ブロッコリーを離れてからはブシロードを設立、事業内容は「カードファイト!! ヴァンガード」をはじめとする、カードゲーム、PCゲーム制作、インターネットラジオ配信などだが、自身のプロレス好きが高じて、今年1月には同社の持ち株会社「ブシロードグループパブリッシング」名義で新日本プロレスを買収、代表取締役に就任した。また、プロレスファンを増やしたいという意向から、ブシロードをスポンサーにして『タイガーマスク』(TOKYO MX)を再放送するなど異色の展開をみせている。
「ヴァンガード」の売り上げは、販売枚数がギネス世界記録に認定されているカードゲーム「遊戯王」に追いつくのではないか、ともいわれている。
「ヴァンガードのメディア展開を見ると、『遊戯王』クラスに売れているように見えますが、あれは宣伝と話題作りが巧いだけで、コミックスと関連書籍が3,600万部を超えた『遊戯王』の売り上げにはゼロがいくつも足りません」(業界関係者)
また、「遊戯王」以来、カードゲーム業界もファンの囲い込みに躍起になっているという。
「バンダイのカードゲーム『バトルスピリッツ』が、『ヴァンガード』と同じ日にイベントをぶつけた上、豪華声優陣を呼んで集客を狙うなど、激しい争いを繰り広げています。カードゲームだから市場が男の子というわけでもなく、お金を落としていくのはオタク女子。『ヴァンガード』は女性受けを狙ったキャラクターデザインで、『バトルスピリッツ』は豪華な声優陣で、それぞれが客引きをしています」(同)
こういったことから、動員数が少ないとイベント当日に社員を怒鳴りつける木谷氏。「ブロッコリー」とはケンカ別れの末に離れたといわれているが、今回は揉めることなく自社のブランドを育てて貰いたいものだが……。