女優・木村文乃の“影”を消し去った、「天かすたっぷりの丼もの」という手料理
今回ツッコませていただくのは、女優・木村文乃が出演した8月6日放送の『スタジオパークからこんにちは』(NHK)。
まだまだ名前を聞いただけでは「誰?」という人も少なくないかもしれない。朝ドラ『梅ちゃん先生』(NHK)で、梅ちゃんのお兄さん(小出恵介)とイイ仲になっている「ワケありの過去を持つ」ナースの人である。ほかにも現在、『黒の女教師』(TBS系)と『浪花少年探偵団』(同)の2本の連続ドラマにも出演。北野きい、SHELLYとともに「リポビタンファイン」のCMにも出ているが、1人だけ知名度的に「キレイだけど、誰?」状態になっている。
しかし、多くの人にとって最も印象に残っているのは、桑田佳祐と共演したNTTドコモのスマートフォンCMで、雨宿りをする彼女の姿ではないだろうか。CMやドラマで見る「木村文乃」は、長い黒髪で、しっとりした雰囲気の、少しタヌキ顔の美人。また、ちょっと地味で暗く、控えめそうでいて、実は芯が強そう。そして何より、太陽ではなく「雨」がよく似合う。だからこそ、ドコモのCMは独特の雰囲気があって非常に気になってしまったし、『梅ちゃん先生』のワケありナースは、多くの男性視聴者の心をつかんだに違いない。しかも、現代っ子体形でなく、腰回りなど下半身が意外とずっしりしており、指先などボテッと太いところも男性ウケが良さそうだ。
ところが、数々のCMやドラマのイメージから勝手に作り上げていた木村文乃像は、『スタジオパークからこんにちは』で大きく崩されてしまった。
ご本人は予想外にかなりの饒舌で、ペラペラと次々によくしゃべる人物。話し方も話す内容も、実年齢よりだいぶ幼い印象で、期待していたような「ワケありの過去」なんてまったく見えず、「影」もなければ、深みもない。なんというか、非常にキャピキャピなお嬢さんなのだ。
しかも、手料理を披露するコーナーでは、気の利いた肴などをささっと作ってくれるとうれしいのに、実際の献立は、天かすをたっぷりのせた「ほろほろ丼」なるガッツな食べ物と、「ギョーザの皮deスイーツ」! このスイーツは、「節約スピードクッキング」などでよく見る、餃子の皮を使った料理なのだが(一般的には、餃子の皮でピザを作るパターンの方が多い)、ただジャムをのせるだけというのはいかがなものか……。コレは正直、全然グッとこない。
しかも、永井伸一アナの「木村さんの手料理いただいちゃっていいんですか?(オドオド)」という問いかけに対し、明るくキャピキャピとこう言う。「はい、いただいてください、ウフフッ(笑)」ああ……本当に全然「影」がない……。
CMやドラマで見せる顔と、ご本人の素の顔がまったく違うことを考えると、それだけ良い女優だということなのかもしれない。でも、できれば、素のしゃべりはあんまり聞きたくなかったなぁ……。
(田幸和歌子)