集客は絶大だったけど……『ラルク アン シエル20周年展』ファンから疑問の声
8日、6月9日から横須賀美術館で開催されていた『「L’Arc~en~Ciel 20th L’Anniversary EXHIBITION』が終了した。同展は電通などが運営費用を全額負担し、横須賀市と市教委が同館を無料貸し出しすることで合意したものだが、美術館で現役のロックアーティストの楽器や衣装、写真などを展示するのは異例のこと。それだけに、さまざまな物議を醸した。
「バンドの存在や活動そのものをアートとして捉える、なんて主催者側は言っていますが、詭弁もいいところ。ただの儲け主義ですよ。会期中の同館周辺には、ビジュアル系のファンの女の子たちが大勢たむろして、尋常じゃありませんでした。美術館というのは文化を伝える場所であって、単なる集客施設ではありません。美術館の展示には、もっとやるべきことがあるはず」(美術ライター)
そんなに芸術が偉いのかと突っ込みたくもなる言い草だが、そもそも今回の展示は、同館が毎年出し続けている3億数千万円もの赤字の穴埋めをするために開催されたもの。その意味では、赤字減らしに貢献した同展が非難されるゆえんはないはずなのだが、なぜかラルクのファンにも不評なのだという。
「ファンに対しラルクゆかりのグッズの貸与を募り、展示を行うという『WANTED企画』に関する、事務局の対応がひどかったんです。ラルクの展示のためならと思ってグッズの貸与を申し出ても事務局からの返事がまったくないし、返事がないからメールしたら、粗品をやるから貸与じゃなくて譲渡してほしいという言い草。私だけじゃなくて、多くのファンがそんな対応だったって、ネット掲示板に書き込んでいましたよ。結局、そんな対応だからグッズも集まらないまま企画は終了。その一方で、海賊版パンフレットが展示されている始末。ファンどころかラルクを冒涜していますよ!」(ファンの1人)
美術館という枠組みにとらわれず、大手広告代理店の手を借りて集客が期待できそうな展示を行うというアイデア自体は悪くない。だが、美術愛好家にもバンドのファンにもソッポを向かれては意味がない。横須賀美術館では、来年3月には第2弾として「日本のポップミュージック音楽史(仮称)」を予定しているというが、今回のファンの声は届いているのだろうか?