昼に構えて28年、みんな憧れの『ごきげんよう』を観覧してきた!
今回はフジテレビで20年続くご長寿番組『ごきげんよう』(フジテレビ系)を観覧してきた。司会の小堺一機は前身番組『いただきます』から数えるとなんと28年目! 『笑っていいとも!』は今年30周年だそうだが、それと2年しか違わず、小堺も地味にこの時間帯に君臨しているのである。
当日はお台場フジテレビ前に集合。ゴールデンの時間帯に放送される人気バラエティ番組ではU-29の年齢制限が多いが、この番組は観覧客の年齢の上限規定がないため、幅広い年齢層が集まっている。観客は約100名ほどだが半数は40~50代女性。60代以上と見られる10名くらいの団体もいた。
『ごきげんよう』のイメージでまず思いつくのは、もちろん「サイコロトーク」である。「恋の話、略してコイバナ! はい!」(小堺)「コイバナ~!」(客)などの応酬が醍醐味だ。バラエティ番組の中でもかなり観覧客参加型なので楽しみである。ふと思ったが、実際「コイバナ」という略語を作ったのは小堺一機か?
スタジオに入る直前にスタッフからの説明が入る。ここで番組観覧における通常の注意のほかに、サイコロの目が出た時のリアクションの説明があった。「今日の当たり目」が出た時にはお祭りのようにテンションを上げて恥を捨てて盛り上げる、2度同じ目が出た時は「○○な話、パ~ト2!」などの振り付けが伝授された。覚えたからにはやりたい。当たり目よ、出てくれ。そして、当たり目が出ると視聴者のほかに観覧客にも抽選でライオン製品が当たるため、その抽選番号がスタッフから配られた。子どもの頃は「洗剤なんかもらってもうれしくないよ」と思っていたが、こうして家事をやるようになるとありがたいものだ。
さて、いよいよスタジオへ。どの番組観覧でもワクワクする瞬間である……と、スタジオのすぐ裏に見覚えのある黄色と緑の物体が。私は思わず二度見した。
ラ、ライオンちゃんの頭!?
頭だけ直前に被るのか……。そりゃそうだろうが、客の通る場所に置くのはいかがなものだろうか。見てはいけないものを見てしまった罪悪感を胸に抱き、スタジオに入って驚いた。スタジオはテレビで見るより狭いパターンが多いが、この番組は非常にゆったりとした印象。セットも外国の小さな街並をイメージしており、細かいところまでやたら凝っている。小堺さんとゲストがトークをする場所の左側は中華風の建物、右側はヨーロピアンな建物になっている。視聴者時代は気づかなかった。
観覧客はテレビによく映る前方の席に若い客が着席させられた。後ろの方にはおばさま方が着席。この、席を振り分ける時のスタッフの目は容赦がない。お世辞抜きのシビアな見た目年齢を計られている気分だ。そして前説にデコボコ団という芸人が出てきてリアクションの練習などをする。前説の芸人は大抵知らないコンビなのだが、生で見ると何となく愛着が湧き応援したくなってしまう。まぁしかし、帰宅までに忘れてしまうが……。
いよいよ収録開始。「サイコロが~運命を握ってい~る~」というおなじみのテーマ曲とともに司会の小堺一機が登場! おお、テンションといい、サイズ感といい、1ミリの誤差もなくテレビで見たまんまである。髪が白っぽい金髪で白いジャケットを着ているせいか、カーネル・サンダース的なキャラクターのように見える。
この日は2本収録で4人のゲストを見ることができた。そのうちの1人、西山茉希にはキャラクターのCOROZO(コロゾー)が恋人についてつっこんだ質問をしていた。「年下が好きなの~?」「どんな男が好きなの~?」と、彼氏の早乙女太一とのトラブルの報道があったばかりなのにコロゾーもなかなかである。観客も「いいんだ、これに触れて」と内心思いつつ、スタジオ内にピリッとした空気が漂う。西山も苦笑いしながら大人の受け答えをしていた。コロゾーに怒ったりムッとするのは大人げない、みたいな心理につけこんでいるのかもしれない。もし沢尻エリカなどが出演することがあったら、すべてコロゾーがインタビューしたらどうか。
風見しんご、東貴博のトークの時には、小堺も交えての欽ちゃん伝説話。若い人にとっては仮装大賞の司会のお爺さんとしか思われないだろうが、この時間帯のメイン視聴層である中高年にとっては、伝説の視聴率男だ。欽ちゃんを出しておけば間違いないという鉄板ネタである。確かに欽ちゃんネタは誰も傷つかないし、昔の話だから何かと許されるので便利である。また、トークがそれほど得意ではないゲストが着地点のない話をしても、必ず面白くまとめられる小堺の手腕はさすがだと思った。また1本目と2本目の収録の合間には観覧客に10分くらいのトークショーをしてくる。これがたまらなく面白く、「これを目当てに観覧にきてもよい!」と、編集Nは言っていた。そして、収録終わりにも優しくあいさつもしてくれる。まるで小堺一機ライブに来たかのよう。司会者によっては観覧客に何の挨拶もなくさがっていく人もいるが、小堺のようなサービス精神のある人は、一度収録を見ると「いい人だったわ~」と言いたくなる。スタジオ観覧は一期一会だ。印象が良いに越したことはない。
そして、楽しみにしていたサイコロの目のリアクションだが、「略して○○!」という言葉は小堺がその場の思いつきで言っているようだ。昔のように「コイバナ」「初○(はじまる)」のようなベタな略語はなく、観客もぶっつけで対応するのだが一糸乱れぬリアクションを見せる観客。『ごきげんよう』の観覧スキルは高い。
これまでの連載で、ご長寿番組になる秘訣として「司会者のゆるさ」「全力を出しきらない」点を挙げていたが、小堺の場合はゆるさがあまりなく1回1回を大事にやっている感じであった。ライオン製品が当たらなかったことは残念だが「当たり目」の踊りができて満足の今回。スタジオを出る時、また黄色と緑の物体が視界に入ったが、それは見なかったことにしよう。
観覧方法:番組公式HPにある観覧応募から
客層:20~30代と50代が半々
特典:ナシ
みかのはらミキ
漫画イラストレーター。1980~90年代好きで、有名人を「やや~最大に美化」して描くのが持ち味。「星ぽえ夢」スタッフとしては雑誌イラストや携帯コンテンツなどでも活動中。芸能愛に溢れるブログも絶賛更新中。