まるでワンポイント芸人のよう……山Pの迷走ぶりを友近が笑いに昇華
今回ツッコませていただくのは、最近のバラエティ番組における山Pこと山下智久。
7月2日には『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)に出演し、キムタク演じる「Pちゃん」と一緒に着ぐるみをまとい、「山Pちゃん」を披露した。ド下ネタを連発する「Pちゃん」に苦笑する「山Pちゃん」はアイドル的であり、ちょっと豪華に見えた。
だが、7月3日放送の『火曜曲!』(TBS系)では、「友近そっくり 水谷千恵子 演歌一筋40年の大御所」という友近恒例の「長い長い“小芝居”」「茶番劇」が延々と放送されていたのだが、そこになぜか山Pがワンポイント芸人のように登場していた。
aikoの「ボーイフレンド」をたっぷりこぶしをきかせ、「あんどぼーいふれ~~~~~~んどっっ」とわざとらしく歌う友近の様子を、ただただ“大所帯の観客”として見せられ続け、やりたい放題の漫談家みたいなトークにも「え~っ!」「いいな~!」などアイドル的リアクションを大袈裟にしてみせていたAKB48もたいがい気の毒だったが。花束を抱えてお祝いに来たという体の山Pはもっと気の毒だ。
「千恵ねえが40周年を迎えられたということで、一応お祝いを」「サプライズで、はい」という山Pに、中居正広が「山下、目を覚ませ、何やってんだよ」と注意する一幕は、相変わらずの茶番だが、友近演じる水谷千恵子は、こんなイジリまでやってのける。
「Pちゃんもね、ほんとにね、中居くんと一緒で、小さい時ごはん食べさせたりしたわけよ。この子、ホントに芸能界で大丈夫なのかなって思ったんだけど、テレビでも見た、アメリカ横断してた! ねえ~。66って道路、走ってた。立派になってビックリしちゃった!」
おお、山Pの近年の迷走ぶりを、こんなふうに正面からイジッていいのか! ……と驚いたが、それよりも驚いたのは、くだんのやりとりを見ているAKB48のリアクション。中でも、ふいに抜かれた板野友美と北原里英の凍りついたあまりに怖い顔には、本気で怒ってるんじゃなかろうかと、ちょっとハラハラしてしまった。
最近は『うたばん』(TBS系)化していると言われる『火曜曲!』だけに、こうした芸人頼みの茶番は「お約束」ではあるのだが……。
それにしても、最近は「はだかんぼー」「愛、テキサス」など、真面目にふざけた感じの曲を連発してみたり、アルバムタイトルを『エロ』にしてみたり、とにかく笑いを取ろうと必死に見える山Pの売り方。
「震災後に東京を脱出して女遊びをしていた」などの報道から、好感度がダダ下がりになってしまったからなのか。ソロの山下を受け持つようになったのが、SMAP担当の飯島女史と言われているだけに、バラエティ番組にガンガン出して、「笑われ」つつ、人気を取り戻そうとしているのかもしれない。
かつての「王子」は、いつの間にか「笑われ王子」になっているが、これはこれで愛され方としてアリなのか。そのうちに手袋をつけて「うぃっしゅ!」とかやってくれたら、さらに好感度アップになったりして……?
(田幸和歌子)