美元と「女性自身」の美味しい関係? 慰謝料90万円報道の裏側
下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の”欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
第132回(6/29~7/3発売号より)
脱原発の論調を全面に押し出している中日新聞社が、約2億8,600万円の申告漏れとの報道が。社員同士や、情報源秘匿のための経費が認められないというのが主な理由だという。朝日新聞の2億5,000万円の申告漏れ、山本太郎の姉の大麻事件といい、何かいやーな感じである。
1位「美元『愛する夫、政伸さんが提示した“慰謝料”は90万円でした…』(「女性自身」7月17日号)
2位「美恵子さん『養育費が来ない』で元夫花田虎上と再びガチンコ」(「女性セブン」7月12日号)
3位「小林幸子『事務所の口座残高が80万円に… 謝罪会見にあった金欠苦悩!』(「女性自身」7月17日号)
同3位「『後悔していない』小林幸子 VS S前社長の“最後の意地”『紅白には絶対出させない!』」(「週刊女性」7月17日号)
今週は“同情もの”のオンパレードである。
暴露合戦もネタがつき、世間もちょっと飽きてきたと思われるのが高嶋政伸・美元の離婚劇だ。6月1日の本人出廷がクライマックスで、後は残り火のようである。それは美元の近況にもはっきり現れてきた。当初はメディアを使っての政伸批判、DV音声流失、情報バラエティ番組出演とワクワクの展開であったが、6月1日以降はブログ休止、事務所退社と受難が続いている。
だが、多少の商品価値は残っているのだろう。マスコミは美元を直撃し続ける。なぜなら美元を直撃すると初めは「話せない」と拒絶するが、しつこく追いすがればしゃべる、しゃべる――という展開になるからである。ほぼ必ず、である。今週の「自身」も性懲りもなく美元を直撃。美元は当初“お約束通り”立ち去ろうとするも、記者が食い下がるとこれまた“お約束通りにきちんと”お答えになった。しかもその内容は「自身」・美元双方にとって“美味しい”ものだった。
「(整形で二重にしたが)手術後、すぐに元に戻っちゃったんです。一度は手術をやり直したんですが、それでもここまで戻ってしまって」と整形失敗を告白するのだ。なぜ、そんなことを最初に質問するのか、記者の意図も不明であるが「自身」記者は美元が“訴えたい”と思われる質問を都合よく繰り出す。「体調を崩していると聞いていますが?」。すると美元は一瞬驚いた表情を見せ(そもそもこの記述がわざとらしい)「全身にじん麻疹が出てしまって…」と答えたという。同情を惹く、あざといコントのような展開である。さらなるダメ押しが慰謝料90万円だ。
記者「週女によれば慰謝料最低でも1億円と報じられたが」
美元「そんな話は、一切ありません! だって、調停に入る前に提案されたのは『今月中に離婚して家を出て行ってほしい。それならば引越し代の実費と慰謝料90万円を出す』という内容だったんですから…」
1億円のはずがたったの90万円! これは美元が今一番に訴えたいトピックスであり、「自身」にとっても美味しいコメントである。ライバル誌でもある「週女」の報道を否定することもできた。よって記事タイトルにもこの「慰謝料90万円」が踊り、同様に表紙や雑誌広告にもデカデカと掲載されるに至るのだ。さらに同情を引くデキレースは続く。静岡にある亡母のお墓に行き「心配をかけてごめんね」と語りかけたこと、現在は父親と2人暮らしであること、さらにいつもは盛大なパーティを開いていた誕生日だが、今年は父と静かに過ごすこと――などである。
当初立ち去ろうとした人間とは思えない饒舌さである。今回の離婚騒動で美元が最も学んだこと、それはマスコミとの付き合い方、利用の仕方だったのかもしれない。
お次もマスコミ利用のセコイお話である。元横綱花田勝(改名して虎上)の前妻・美恵子は、離婚後4人の子どもとハワイで暮らしている。元夫からは毎月決められた日に養育費が振り込まれる(その額は子どもの学費分くらいらしい)。そんな美恵子だが、現在窮地に陥っているという。美恵子本人によれば「(前夫から)慰謝料が来なくなった」からだ。既に「弁護士にも相談」したらしい。それは一大事である。離婚の際、養育費を払うといっておきながら、しばらくすると支払わずにバックれるふざけた男どもは多い。花田、お前もか! 再婚して子どももできて、しかも豪邸に住んでるじゃないか! 「セブン」も同じ思いだったのか、早速花田に問いただした。するとお金の管理をしているマネジャーが「6月分もきちんと期日に支払った」と強い口調で反論するではないか。結局、翌日になって6月分が美恵子の口座に振込まれたという。再びマネジャーに連絡すると「私のミス」と平身低頭に謝罪したというのだ。
何のことはない単なる「手続きミス」というのが今回の記事である。だが、ちょっと変じゃない? 1回分の振込みが2週間ほど遅れただけのに「窮地に陥った」「弁護士にも相談した」とマスコミを巻き込んで大騒ぎするのって。せめて1カ月くらいは様子を見ないか? 数カ月も未払いならまだしも、遅れは1回だけで2週間ほど。相手の言い分を聞けば、手続きミスなのは明白だ。しかも6月分の慰謝料の未払いネタが6月発売の雑誌に掲載されるというのも大きな違和感が。
ブログなどを見ても美恵子は優雅にハワイ生活を送っておりそれほどお金に困っているとは思えない。でも「振込みが遅れて大変なの!」と旧知の「セブン」に訴えたのだろう。そして美恵子の思惑通り、慰謝料はキチンと振り込まれた。こんなことでマスコミを使うな! しかもそれを誌面化する「セブン」もどうかしている。ボツネタだろ! 美恵子が「セブン」で日記を連載していたという関係からだろうが、なんだかセコイ連携プレーを見せられたようで後味が悪かった。
各マスコミに対し個別会見を行った小林幸子。慰労金6,000万円を支払ったが元社長側は「和解してはいない」と依然全面解決には至っていない。小林も必死だ。会見では「寝ていない」「睡眠導入剤を使っている」と悲愴な表情で訴えた。
そんな中「自身」は小林の金欠をスクープした。なんでも事務所(口座?)には残金が80万円しかないというのである。そのため慰労金6,000万円も小林の自腹や借金でかき集めたという。騒動当初、元社長側が不正経理を疑われ、双方の弁護士を入れて調査したところ、その事実はなかったことが明らかになっている。だから80万円しかなくても元社長には関係ない。そもそも中小会社などそれほど現金があるものではない。いろんな意味で経理上きちんとしているからこそ現金がないのだろう。
一方「週女」にもお金に関する興味深い記述が。「お金の使い方がわからない幸子のために、Sさん(元社長)は彼女名義でお金を積み立てていたんです。それがなんと約5億円!」。それを元社長は小林に全額渡したという。おそらく小林個人の金にあたるのだろう。よって「自身」の後に「週女」を読めば、80万円という同情作戦もチャラになってしまう。かように公私ともに、そしてお金までも握っていた腹心を裏切ると恐ろしいことが待っている。