アーティストもSNS戦略的に活用する時代

リターンは金だけじゃなくファン集客も? 投資を楽しみ、活用するセレブたち

2012/07/03 16:00
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なんのことやらわからない写真かと思いますが、
レディー・ガガです

 よく「投資とはお金持ちが楽しむ道楽だ」と言われるが、Facebook株式上場騒動を見ていると、まさしくその言葉の通りだと感じられる。Facebookは上場初日は上々の滑り出しをしたが、すぐに失速。投資家たちは、2週間で2兆円の損失を被ったと報じられている。多くの投資家たちは大激怒しているのだが、そんな中、同社の株で世界一リッチなロックスターになったと騒がれたボノは極めて冷静。余裕を持ち状況を見守っていると伝えられており、投資の何たるかを理解している男だと株を上げた。

 ボノのように、楽しみながら投資をするリッチなセレブスターたちは意外と多く存在する。今回は、そんな「投資家セレブ」をご紹介する。

■ジャスティン・ビーバー

 過去2年間で1億800万ドルを稼いだと伝えられるティーン・アイドル歌手のジャスティン・ビーバー。これほどまでの大金を持つと、若くても投資に興味がわくようで、これまでにいくつかのスタートアップ投資(起業間もない会社に対し、成長性を見込んで投資すること)をしている。

 投資しているのは、設立からたった3年間で2,000万人を超える利用者を獲得した、ウェブ版ビデオチャット・サービス「Tinychat」、広告とバーチャルグッズの売り上げで収益の5割をチャリティー団体に寄付している「We Topia」などを運営するオンライン・エンターテインメント会社「Sojo Studios」、メジャーレーベルの音楽を無料で聴くことができるサイトを運営する「Spotify」など。若く勢いのあるジャスティンらしいチョイスとなっている。

 なお、彼は米経済誌「フォーブス」のインタビューで、投資する企業の選択基準について、「好きじゃないものには投資しない。信じられないものにも投資しない」とコメントしている。


レディー・ガガ

 世界中を股にかけて活動し、多忙を極めているレディー・ガガもまた、投資に積極的なセレブの1人だ。彼女は投資した企業に、ガガ関連プロダクトを制作するよう依頼。知名度と株を上げてくれる、ありがたい投資家だという。

 Facebookのブラウザゲームを開発しているソーシャル・ゲーム会社「Zynga」に投資した際には、同社が手掛けるゲーム「FarmVille」に似た「GagaVille」を作らせた。クリアするとガガの曲が無料でダウンロードできるというゲームで、ファンからのアクセスが殺到したという。

 また、彼女が絶大なる信頼を寄せるマネジャーのトロイ・カーターが共同創業者を勤める務めるSNS「Backplane」に、Googleの元CEOエリック・シュミットらと共に投資。実に20%ものシェアを持っていると伝えられている。そして、この「Backplane」に自分とファンを結ぶSNS「little monsters.com」を運営させ、同社の知名度アップにも貢献している。

ジャスティン・ティンバーレイク


 映画『ソーシャル・ネットワーク』でFacebook創設者マーク・ザッカーバーグに大きな影響を与えた、「Napster」の共同設立者ショーン・パーカー役を熱演したジャスティン・ティンバーレイク。実生活では幅広いジャンルに手を出す投資家として知られている。

 ジャスティンはディズニーが買収したiPhone向けゲームアプリ開発企業「Tapulous」、ウェブ上にある写真の人やものにタグ付けできる「Stipple」の大株主。そんな彼が投資家として業界から、注目を集めたのは、昨年6月のこと。登録ユーザー2億人以上を誇る世界最大級SNS「Myspace」が、メディア大手ニューズ・コーポレーションから広告ネットワーク大手スペシフィック・メディアに3,500万ドルで売却されたと発表された際、ジャスティンが経営に強い発言を持てるほど多くの株を購入したことが明かされたのだ。ジャスティンは、スペシフィック・メディアと共に、再建に向け、新たな戦略開発を行うとのことで、期待が寄せられている。

アシュトン・カッチャー

 常に流行の最先端を行くハリウッドの若手俳優・プロデューサーのアシュトン・カッチャーは、投資家として専門家からも一目置かれる存在だ。マドンナのマネジャー兼ビジネスパートナーのガイ・オセアリー、米ビジネス界の大事業家ロナルド・バークルと共に、テクノロジー業界のスタートアップに日和見的に投資するベンチャー・キャピタル・ファンド「A・グレード・インベストメンツ」を設立。個人的に購入した分も含め、2007年から少なくとも13もの新興企業に投資していると伝えられている。

 彼が投資しているのは、5月に日本語版がリリースされた、SNSやオンラインメディア情報を雑誌のように表示するソーシャルマガジン・アプリ「Flipboard」、スマートフォンのGPS機能を利用した位置情報サービス「four square」、部屋を短期間貸したい人と借りたい旅行者をマッチングさせるオンラインサービス「Airbnb」、写真をシェアするiPhone用パーソナル・ネットワーク「Path」など。

 09年には、Netscape Navigatorブラウザを開発したシリコン・バレーの大物マーク・アンドリーセンの勧めで、インターネット電話サービス「Skype」に投資。この年「Skype」はeBayから投資家グループに27億5,000万ドルで売却されているが、昨年10月にマイクロソフト社が買収した際は85億ドルに跳ね上がっており、投資家として成功を収めた。

 ほかにも、アシュトンとの離婚がペンディング状態のデミ・ムーアは、的確なファッション・アドバイスをしてくれるアウトレット・アプリ「Fashism」に投資しており、レオナルド・ディカプリオは写真共有アプリ「Mobli」に投資し、マーケティングやPRに関するアドバイザーにも就任。ジャスティン・ビーバーの彼女であるセレーナ・ゴメスは、iPhoneで撮った画像をポストカードにして送ることができるアプリ「Postcard on the Run」に投資しており、ジェイ・Z、ウィル・スミスは動画を撮影し加工・共有できるアプリ「Viddy」などに投資。M.C.ハマーは、Googleを超える検索エンジンになることを期待して「WireDoo」に投資している。

 元プロバスケットボール選手のマジック・ジョンソンは、ファッション・アプリの「StyleCaster」、大規模ログ解析を提供する「Sociocast」、ソーシャル・ニュース・リーダーの「Flud News」などに投資しており、昨年7月には、デトロイト・ベンチャー・パートナーに参加すると表明。投資家として本腰を入れる決意をあらわにした。

 今回紹介したセレブの中には、投資で大損した者もいる。しかし、彼らは懲りることなく、まるでスポンサーになるような感覚で投資を続けており、その懐の深さを思い知らされる。まさに、「投資とはお金持ちの道楽」なのである。

最終更新:2012/07/03 16:00
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