菊地直子から浮かび上がった、愛や性欲を利用するオウムという男性集団
下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の”欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
第129回(6/8~12発売号より)
野田首相が原発再稼動を宣言した。事故原因の解明もなし、原発規制庁もなし、直下の活断層の指摘も無視という暴挙である。もし再び事故が起こったら誰が責任を取るのかすら触れられないまま――。自国民を虐殺するシリアや、北朝鮮に対し、日本は彼らを批判する資格はない。いや、シリアや北朝鮮並の国に成り下がったのではないか。原発難民という大きな問題を解決しようともせず、再び国民の生命や財産を大きな危険に晒す。そして社会保障なき増税。クーデターが起きても不思議ではないが、暴動さえ起きないのがこの国の不思議である。
1位「菊地直子容疑者 通報は内縁夫の裏切りだった!! 懸賞金で売られた『悲しき一途愛』」(「女性自身」6月26日号)ほか「セブン」「週女」の関連記事
2位「Kis-My-Ft2仁義なきファン同士の『座席争奪』バトル」(「週刊女性」6月26日号)
3位「美元 あそこまで言われても離婚しない本当の理由」(「女性セブン」6月21日号)
今週の女性週刊誌は今月3日に逮捕されたオウムの特別手配・菊地直子について一斉に報じている。各誌そろって菊地の人生、逃亡、性を切り口にしているのが特徴だ。「セブン」では、「6人の男との『愛と性欲』」と題し、1996年に埼玉県所沢市の潜伏先で見つかった「菊地」ノートを取り上げている。これは同日発売の「週刊新潮」(新潮社)、「週刊文春」(文藝春秋)でも取り上げられているもので、「菊地という女性を知るための」バイブルノートでもある。複数の男性信者への愛や性欲、男性信者と親しい女性信者への嫉妬などが赤裸々に書かれており、20代だった菊地の心の中を考察する上では興味深いものだが、いかんせん「セブン」発売が先週だったということで、ここまで。来週も引き続きこのネタを追及するというから、それに期待したい。
次の「週女」は、「並外れた性欲と歌唱力」と題し、最近の菊地の実像を追っている。彼女を匿い、犯人蔵匿で逮捕された高橋寛人容疑者との生活――結婚はできないと固辞したが、2007年に写真館でウエディング記念写真を撮ったこと、居酒屋でご近所さんとのダブルデート、寛人容疑者は菊地を「チヅちゃん」と呼び、べったりだったこと、職場の女子会にも参加したり、同僚とカラオケに行き「亜麻色の髪の乙女」を熱唱、かなり上手だったというディテールなど、“普通の生活”を謳歌していた様子を報じている。さらに逮捕2日前には美容院に行き、ファッション誌を読むなど女性らしく身なりにも気をつけていたというエピソードも紹介した。
これら報道を見るにつけ、オウムの組織としての体質が浮かび上がってくる。菊地、そして平田信と相次ぐ逮捕で明らかになったこと。それはオウム真理教が女性を徹底的に利用した集団だったという再確認だ。興味深いのがオウムウォッチャーや識者の多くは、菊地を凶悪犯と見ていないことだ。あくまで主犯ではなく、サリンと認識せずに作業を手伝っていただけ、殺意もないのだと。事実、そうなのだろう。
教組の松本死刑囚は、複数の側近女性に子どもを産ませた。男性幹部には必ず女性のサポート要員を配置した(しかも美人が優先だった)。菊地も、サリンを「サリンとは知らずに命令されて作業した」。男性幹部たちは逃亡の際、女性信者をサポート役として一緒に連れて行った。女性信者は男性のお世話係、補助役だ。だから死刑判決を受けた女性信者はいない。大した役目を与えられなかったから。菊地も当初、林泰男死刑囚とペアで逃亡していた。菊地は林に対し愛情を持っていた。オウムが旧態依然とした男性集団であり、徹底的に女性の愛や性欲を利用したという事実が浮かび上がる。だから、彼女がどんな犯罪をしたかではなく「菊地とはどんな女性だったのか」に大きな注目がいくのも当然なのかもしれない。菊地も事件当時に逮捕されていれば、マラソンが得意でなく、かわいくなかったら――。男性幹部に利用されることもなく別の人生があったと思うと切ない。
そして1位の「自身」である。ここでも菊地の犯罪容疑については一切触れてはいないが、しかし世間が今最も興味があること、すなわち誰がチクったのかという下世話な話題をかなり断定的に報じたのだ。もちろん既に情報提供者は話題であり、同居人である高橋容疑者の兄が警視庁に出向いて情報提供したという一部報道もあった。さらに報奨金は辞退するといった情報もあり錯綜している。そんな中「自身」はその背景までも断定的に報じているのだ。
「情報提供者は同居人の親族」「通報は同居人の意向があった」「同居人は借金まみれで金銭的問題を抱えていた」「高額の懸賞金が念頭にあった」「同居人は菊地との生活よりお金を選んだ」――これらを捜査関係者や警察関係者のコメントとして断じている。タイトルも「内縁夫の裏切り」だって。親族かどうかはさておき、その動機は本当か!? 多くのマスコミがシノギを削る中、「自身」の取材力が突出しているとはどうしても思えない。ここまで踏み込んでしまった「自身」の真偽はいかに!?
2位は「週女」のジャニーズネタ。人気急上昇で大活躍のキスマイだが、追っかけもすごいことになっているらしい。全国ツアー千秋楽の北海道コンサートが終わり、キスマイが東京に帰る飛行機に多くのファンが同乗していたらしい。しかもビジネスに座るメンバーの真後ろ、エコノミーの前10列目まではファンで埋め尽くされていたというのだ。しかも、よりキスマイに近い席を獲ろうと争奪戦まで繰り広げられているという。
ここで大きな疑問が。まずは記事にも書かれているが、移動の飛行機がどうしてわかったのかということ。千歳空港と羽田には1日何便もの飛行機が運航しているのである。さらに記事では言及がないが、同じ便を予約できたとして、エコノミーの前席は通常どの飛行機も早くに埋まってしまう。なぜファンたちはそんな席をゲットできたのか。個々に? 集団で? しかも相当早い時期に便名と座席を確保しないと無理な所業だ。しかも大勢のファンが前席を確保ってどういうこと? 裏ワザ? 代理店や航空会社も絡んでいるのか? さらにさらに、そこまで情熱を持って追いかけるなら、なぜ多少のお金を上乗せしてビジネスに席を確保しないのか? それって掟? なにか普通では窺い知れないオリキの闇パワーを感じる怖い記事であった。
先週取り上げた高嶋政伸と美元の離婚裁判。そこで「当初、政伸サイドと美元サイドに分かれれ、お互いを批難するような記事を掲載してきた芸能マスコミだが、ここにきてほとんどのメディアが美元のガ●キチぶりをクローズアップし始めた」と記したが、「セブン」はやはり例外だったらしい。離婚騒動勃発以降、一貫して美元の擁護とも取れる記事を掲載し続けてきた「セブン」だが、今回もまた美元サイドの主張を掲載したのだ。
「政伸の主張は美元にとって事実ではないことばかり」「(ジムへのストーカー行為は)スタッフから政伸の体調が悪いと連絡があったから」「(ホテルストーカーは)政伸がわざわざ教えてきた」「全てが薬とかによる政伸との記憶のボタンの掛け違い」だってさ。「セブン」、本気か!?
美元にどんな弱みを握られているんだ、セブン!
【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます】
・高嶋政伸は見抜けなかった!? 法廷で語られた“ストーカー”美元の異常性
・虚言女なのか? 園山真希絵の10代にみた、“勘違い女”以上の恐怖
・スピリチュアルに心酔! 宇宙エネルギーを語る木村拓哉の実母
・子どもが欲しかっただけか!? どのマスコミも掴みきれない、宮沢りえの離婚理由
・スーちゃん一周忌美談のウラで愛人・隠し子……夫・小達一雄氏の二面性