まとめサイトと2ちゃんねる、共存の可能性は? 紳士協定の構築なるか
大手掲示板サイト「2ちゃんねる」の書き込みを引用し記事を制作することで運営してきた「まとめサイト」のいくつかが、4日未明、2ちゃんねるから書き込みの転載を禁じられた。
警告の理由について2ちゃんねるは「不利益が大きいため」とし、さらに「発言の捏造、転載元が明記されていない著作物の利用に関しても、なんらかの措置を取る可能性があります」と該当サイト以外にも注意を促している。
アクセス数を意識して作成されたまとめサイト記事は、センセーショナルで好奇の目を引く書き込みをクローズアップすることで、恣意的に世論を誘導してしまうケースもある。そしてその責任はといえば、元の書き込みが行われた2ちゃんねる本体が被るという仕組みになっているのが現状だ。
「例えば、あるまとめサイトで、『A』という人物が起こした事件を取り上げたとします。通常、テレビや新聞を始めとしたメディアであれば、事件の内容やそれに至るまでの背景、さらに『A』についての批判だけでなく擁護の声など、反対意見も併せて掲載しますよね。ところがまとめサイトでは『Aはこんな悪いことをした。だからAは悪い人間』という部分のピックアップだけで終わってしまうんです」(ITジャーナリスト)
2000年代中盤から台頭したまとめサイトは爆発的なアクセス数を呼び、管理人によっては月額数百万円ものアフィリエイト収益を得る者まで存在するといい、かねてより批判の声もあがっていた。今回の警告はネット界を大きく変える可能性も孕んでいるが、かつてはテレビ界でも、こうしたネタの引用に関して取り沙汰されたことがあったという。
「ワイドショー黎明期の70年代では、雑誌や新聞、さらには他局の映像まで無断で撮影し、あたかも自分たちが取ってきたネタであるかのように放送していたんです。当然そんなメチャクチャな行いが許されるはずもなく、例えばスポーツ紙は月額いくらで引用可能、また週刊誌も誌面の接写などに関して、状況に応じて謝礼金を発生させるといった、業界内での紳士協定が構築されていきました」(テレビ局関係者)
すでに4日午後の時点で、2ちゃんねるではなくTwitter上のツイートをまとめる作業を開始したサイトも出現している。これは“脱2ちゃんねる”の手法となるが、ビジネス的な折り合いをつけて“2ちゃんねると共存”するサイトが現れる可能性もあるという。
「これまでは勝手な引用で成り立ってきましたが、今後は2ちゃんねると包括契約を結んだまとめサイトが登場するはず。アフィリエイトなどの売上から、決まったパーセンテージを2ちゃんねるに上納するといった仕組みを築いてしまえばいいんです。すでに計画を開始した広告代理店も存在するでしょうね」(前出ジャーナリスト)
また今回の件に関して2ちゃんねるが完全な被害者に見えるが、一方ではこんな声も。「警告文は著作物の引用・改変で世論引導まで行い、各方面に迷惑をかけた各サイトに対する一時的なアナウンスでしょう。しかし犯罪を予見させるものを含む書き込みを、2ちゃんはずっと容認、悪く言えば放置してきた。そういった意味では2ちゃんに関しても、まとめサイトと似たようなことをやってきたと言っても過言ではありません」(同)
相次ぐ違法書き込みの報道で、管理人の逮捕や閉鎖もささやかれている2ちゃんねる。あまりにも突然だった今回の警告は、今後予想される大きな流れの一部分に過ぎないのかもしれない。
『2ちゃんねる宣言―挑発するメディア (文春文庫PLUS)』
新たな金脈の匂いがしますな
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