「ママ友」は必要? 保育園経営者である私の答えは……
子どもを持つ「ママ」にとって大きな問題のひとつが、「ママ友」問題。今回は読者の方から質問の多かった、この問題について書いてみたいと思います。
区立や認可の保育園は共働きが基本なので、ママ同士は「おはようございます」程度の挨拶しかしないと聞きますが、駒沢の森こども園は専業主婦や自由業の方が多いので、どちらかというと幼稚園のママ友関係に近いように感じます。
例えば、保育園ではない日も連絡し合って公園で遊んだり、お互いの家に遊びに行ったりしている園児たちもいますね。近所の自由が丘でお祭りがあれば「土曜日、一緒に行きませんか?」と誘ってくださる保護者さまもいます。あ、自由が丘のお祭りと言っても、神社のお祭りではなく、「マリクレール祭り(Marie Claire Festival)」や「女神祭り」といった場所柄オシャレなお祭りで、ワインやビール、美味しいつまみの出店が出て、食べながら手品や歌のイベントを見るのが自由が丘流みたいですが……。
駒沢の森こども園を象徴する話なのですが、2人目を妊娠していて8月が出産予定日にもかかわらず、5月上旬に破水してしまい、病院で絶対安静になってしまったお母様がいたんですよ。子どもは毎日朝から夜まで保育園で、夕食もシャワーもクリーニングも保育園で済ませていました。その状況を他の保護者が知って、オプション料金が掛かるのに、「○○くんがひとりぼっちでかわいそうだから、うちの子も一緒にシャワーに入れてください」とか、「迎えの方にこの手紙を渡してください」など……みんなでその親子を応援し励まし、2週間後無事帝王切開で弟くんが生まれたのでした。普通の保育園では考えられないですよね。
■以前はママ友がいなかった私の場合
以前はママ友が一人もいなかった角川家も、娘が大好きなお友達兄弟を家に泊めて遊んだりしています。同じマンション、同じ保育園(保育園では経営者とお客さんの関係ですが)という安心感から、お互い信頼し合っているのかもしれません。兄弟がうちに来たとき、夜に弟くん(年少)が「ママ」って泣き出したんですよ。保育園ではしっかり者だけど、兄弟だけでよそのお家にお泊りするのはハードルが高かったみたい。でも、私は保育園経営者! プロフェッショナルとして弟くんを落ち着かせなければ恥! 必死で寝かしつけましたよ(笑)。
その兄弟の影響で、娘が「公文に行きたい」と言いだし、通いだしたところです。男の影響でもなんでもいいです、娘が初めて「習いごとに行きたい」と言ったのですから。うちの保育園は毎日アクティビティがあるので、それらと公文で、必然的に習いごとを6つやっていることになります。偉いなあ。兄弟のお兄ちゃんは学芸大学附属世田谷小学校に通っているので、必然的に娘も受験モードになってしまいました。もちろんもともと私も小学校受験をさせるつもりでしたが、娘自ら「○○くんみたいな頭いい小学校に行きたい」と言いだし、角川家は学校見学に行ったり、過去問をやったり、受験に出るメルヘン童話集とかいうのを買って読み聞かせをしたりしています。がんばれ、娘、そして私と婿って感じかな。
話は若干それましたが、フルタイムで働いているお母様は、どうしても保育士とだけのやりとりになってしまいがちじゃないですか。なので、お誕生日会や夏祭り、クリスマス会のイベントに参加していただき、交流してもらえたらいいなと思っています。子育ての悩みはちょっと月齢が上の子どもを持つ親と話すだけで、解決することが多いと思います。
私は保育園を立ち上げるまで、ママ友ゼロでした(笑)。でも、通っていた保育園の保育士さんと話すことによって、とても助けられたんです。娘はハイハイも遅かったし、歩くことができたのは1歳6カ月の時でした。当時の私は「異常なんじゃないか」「体に問題があるのかも」と心配ばかりしていたんです。また、「自転車の後ろにいつから乗せられるのか?」など、普通はママ友がいれば解決できる小さい疑問も、保育士さんに聞いて参考にしていました。経験からすると、ママ友はいなくても大丈夫。だけど、経験豊かな保育士が必要だと思いますね。
角川慶子(かどかわ・けいこ)
1973年、東京都生まれ。「角川春樹事務所」会長・角川春樹氏の長女。自身も元アイドルという異色の肩書きに加えて、ビジュアル系バンド好きで、元バンギャルの”鬼畜ライター”としても活躍。9月1日に「駒沢の森こども園」をオープンさせる。家庭では4歳の愛娘の子育てに奮闘中。
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