声優ビジネスはおいしい!? 大手芸能事務所の参入は「消費されるだけ」
声優、俳優、バラエティなどマルチな活動をこなす山寺宏一。アイドルや俳優・女優が声優の仕事にシフトするケースは多いが、その逆で成功している山寺は珍しいケースだろう。
そんな山寺が、こんな苦言を呈していることが先日話題になった。「最近感じることはいろんなタレントや有名人を起用していることが目立つことです。(中略)もちろん話題性は大事ですし、お客さんがたくさん入ることはおろそかにできないのですが、本当にピッタリあったキャスティングをよくよく考えて欲しいと、見る側の立場としても思います」。この山寺の発言に、「よく言ってくれた!」「同感」と賛同する意見も見受けられた。
「また大御所の声優・三ツ矢雄二もテレビなどのメディアで、『声優が本職でない俳優や芸人が演じて意外とマッチすることもあるので勉強になることもあるが、あまりにも下手な場合はどうかと思う』と以前に発言していました。最近では話題作品の吹き替えや、アニメで『豪華声優陣を起用』と銘打ったものが目立ちますが、声優ではなく俳優や女優を起用しているだけだったりしますからね(笑)」」(業界関係者)
そんな声優という土俵に目をつけたのか、ホリプロやエイベックスといった大手芸能事務所はアイドル声優をデビューさせようと動いているという。ホリプロは、アニメ声優やアニメソング歌手の育成などを目的とした「アニメビジョン開発室」を設置し、声優オーディションを開催。公開中の劇場版アニメ『ももへの手紙』へも出資している。エイベックスは大手声優事務所と肩を組み、アニメソングのボーカルオーディションを開催中だ。
「以前、ホリプロ所属のMay’nがブレイクしましたが、本人の実力もさることながら、『マクロスF』のヒロイン・シェリルと彼女をうまく重ね合わせて展開できたのが大きい。May’nが日本だけでなくアジアツアーも成功させたことで、ホリプロはアニメ関連ビジネスにうまみを感じたのでしょう」(同)
しかし一方で、声優業界はといえば、アイドル声優ですでに飽和状態だという。
「新人声優をアイドル扱いでデビューさせるのは、どの事務所も同じです。ブシロードの子会社である『響』も所属声優にアイドル的活動をさせていますが、お世辞にも演技がうまいとは言えません。リテイクしても台詞が言えず、言えない部分だけ抜き録りする始末でした。以前はアイドル声優でデビューさせても、演技のできる声優が多かったんですが……」(同)
アイドル性で話題を呼び、展開していく現在の声優業界に、さらに大手芸能事務所が参入すれば「消費されるだけの声優が増える」(同)という嘆きの声も聞かれる。話題性が先行しがちな昨今のこの業界に、山寺も苦言を呈したかったのだろう。
声優業界は金脈になり得るか?
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