山田涼介の大ブレイクを阻むのは、「ずっと見てみてきた」大人たちの目線
今回ツッコませていただくのは、3月17日に最終回が放送された『理想の息子』(日本テレビ系)主演のHey!Say!JUMP・山田涼介を見守る「大人」たち。
初回放送前はドラマの宣伝で、同局の情報バラエティに多数出演していた山田。どの番組もドラマの次回予告を流し、山田が「見どころ」を語るという無難な流れだったが、不思議なのは、迎えるMCなど、大人たちの反応が判で押したように一様であったこと。
「ほんっとにキレイな顔してますね……(凝視)」(『1番ソングSHOW』羽鳥慎一)
「キレイな顔してるよねえ」(『ズームイン!! サタデー』スポーツコーナー担当・宮本和知)
「女の子みたいな顔してるよねえ」(『スッキリ!!』加藤浩次)
なに、これ? 本人に面と向かって「顔」をホメる場面は、そうそう見かけない。シブいベテラン俳優にヨイショで「相変わらずカッコいいですねえ」と言う場面は多いが、たとえば旬の女性アイドルや女優に対して「顔」をホメると、セクハラになってしまう恐れもあるし、他の出演者と優劣をつけてしまうことにもなるため触れないということはあるだろう。
また、女優やモデルは不規則な仕事のせいか、実物は意外と肌荒れが目立つ人も多いだけに、「芸能人」を生で毎日見ている司会者たちにとって、「毛穴レス」「陶器の肌」などとも一部で言われる山田の美肌がただ驚きなのかもしれない。でも、判で押したようなリアクションには、以下のようなコメントも必ず続く。
「ホントに、しっかりしてますよね~」
「きちんとしてますよね~」
ドラマ共演者の鈴木京香も、何度も「ホントにかわいくてかわいくて♪」と目尻を下げて連発していたが、この春に高校を卒業した男性に向けた言葉としてはやや不自然にも思える。
演技ができる、顔もキレイ、行儀が良く礼儀正しく優等生的(勉強以外、らしい)……どれも良い要素ばかりなのに、気になるのは、まるで芦田愛菜ちゃんなど、「出来のイイ子役」に向けているコメントのようだということ。
『PON!』に出演した際、司会の岡田圭右が「(ドラマ『探偵学園Q 』などで)ちっちゃい頃から知ってるから、もうこんなに大きくなったなんて……」と、まるで親戚のオジサンのように接していたが、見る側が「保護者」のような気持ちになってしまうところがあるのだろうか。
だが、そんななか、たった一人、他とは違う攻め方をしていた人物がいた。『ヒルナンデス!』での久本雅美だ。
「私にとっては(『理想の息子』じゃなく)『理想のダンナ』!」
そういえば、3月13日放送『踊る!さんま御殿!!』SPの「女だらけのウェディング」コーナーに、たった一人、長年使い込んだレースのカーテンのように、くすんだウェディングドレスを着て登場した久本雅美。明石家さんまという圧倒的な力を持つ司会者を前に、本来の力が出せない女芸人たちが多いなか、一人だけ果敢に下劣さを振りまく姿は見事だった。
そんな久本だから、オジサン司会者もなぜか「見守り」ムードになってしまう「ザ・アイドル」山田にすら、おかまいなしの逆セクハラムードでぶつかっていけるのだろうか。
ドラマによって新たなファン層も獲得したかと思われるが、さらにステップアップするためには「キレイな優等生イメージ」の殻を破り、「不可侵のアイドル像」を崩すことも今後は必要になるだろう。大人たちの接し方によって、新たな課題も見えてきた感のある番宣の数々だった。
(田幸和歌子)
みんな気付いて、涼ちゃんはちっちゃなキムタクだよ?
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