「ブス!」と言われるのとは別枠のダメージ、「なんか疲れてる?」の一言
家のドタバタ、まだ終わらず……。一瞬終わったかと思ったらそうではなかった。巷の保育園では「感染性胃腸炎」が大流行らしく、(コレにかかると大の大人でも、吐き気と下痢に相当苦しむ)そのうわさを小耳に挟んだその日の深夜、丑三つ時……寝ていた次男が、いきなり枕に顔をつっぷしてゲロ。あたり一面ゲロ。夫婦で顔面蒼白。「……違うよ、多分……胃腸炎じゃないよ、きっと!!」作り笑いで、そう口にした。ここで「やっぱり胃腸炎!?」なんて口走ったら、ホントにそうなってしまいそうだったんで、だからあえてそうつぶやいた。朝、何食わぬ顔で普通に保育園に送り出したのだが。午後になったら案の定「カンちゃん、下痢がひどいのでお迎えお願いしま~す。」という電話が保育園から。ゲンナリして、そのまま医者に連れてったら、やはり胃腸炎との診断。しかし、翌日にはもうよくなっていた。だが、感染性胃腸炎はほんとにおもしろいくらいに、あっという間にうつる。今度は赤子がゲロと下痢。
とにかくもう下痢がひどい。そして、夜中に布団の上に吐いて顔と頭をゲロまみれにして泣いている。夜は1時間おきとかに起きて泣く。そんな子どもの世話をしていたら、やはり今度は私と夫も感染したようで、吐いたり下痢がひどかったり胃が痛かったりでもう最悪である。いや、最悪はさらに続いて、治ってたと思っていた次男が今度は発熱。そしてまた吐きまくって、ぐったりして病院で点滴を受けるハメに。
検査の結果「インフルエンザB型」って……ちょっとちょっとちょっと!! 胃腸炎とインフルエンザ、隔離しなきゃヤバい奴らが同居。ほんとは同じ部屋になんて置いておきたくない。しかし、ふたり揃ってギャーギャーうるさいんで、仕方なく私の膝の上で一緒に抱いたりしてるんだけど、これ、私、ダブルで感染したら一体どうなるんでしょうか? 私は大人だからもうどうでもいい、どうにでもなる。長男にうつっちまったら、もう、めんどくさい事態が更にめんどくさくなる。どうするんだ一体。
「何かに祟られているんだろうか?」
ついこないだまで本気でそう考えたりもしたが、いや、これは別に祟りなんかではなく、
「子どもの数が多いと面倒な事も激増する」という事実そのものである。子どもが3人いたら、確実に一人っ子の3倍、めんどくさい事が増えるわけである。一体、いつ仕事やれるんだか……仕事が全然はかどらなくて、子どもには申し訳ないが、イライラ&不安がどんどん募ってくる。
それにしたって、ここ最近の私、保育園の先生たちから会うたびに、しょっちゅう「なんだか疲れてるみたいね」と言われる。40過ぎた女が「疲れて見える」って、けっこうやばいと思う。「疲れてる?」と言われるたびに、気持ちがどんどんガックリと下降線をたどる。そりゃ、疲れてるのは確かだろう。なにしろここ最近は、ず~っと、家の中がこんなふう。普通の状態の時が、ろくにない。
「どんな時でも、子どもらが次から次へとバタバタ病気にやられてても、でも、あの人ってすごくキラキラ輝いてるよね!」なんて、そんな女、いるわけねぇだろとは思うのだが、しかし。「疲れて見える」と言われるのは、なんだかガックリくるものである……。もう、「ブス!!」とか言われるのとは別次元で、あまり言われたくないセリフかもしれない。そんなわけだから「化粧はちゃんとしたほうがいいかもな!」と思って(気分も少しは変わるし)、チークとか元気に見えるように施したんだけど、でもまた言われた……。
「正ちゃんのお母さん、なんだか疲れてます~??」
……一体どのくらい顔に盛ったらいいんだろう、化粧。もう、宝塚並みのメイクを施さないと隠しきれないんだろうか、私の疲れ顔。このままどんどん化粧が濃くなって、最終的に「横浜のメリーさん」みたいな、老けた厚化粧のパンパンみたいになったらどうしようかと思うのであった。
ところでさっき、長男がなんだかボーっとした顔をしているので、不吉に思って体温計で計ってみたところ「38.5℃」だった……なんていうかもう、笑うしかなかった。