“黒い過去”を持つハリウッド俳優が、9・11の犠牲者を冒涜する発言
俳優としてだけでなくプロデューサーとしても高く評価されているマーク・ウォールバーグが、雑誌インタビューで、「自分が9・11 同時多発テロのハイジャック機に搭乗していたら、テロを防ぐことができた」と発言。犠牲者に対する侮辱、冒涜だとしてバッシングされている。
映画『ディパーテッド』でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたほか、プロデューサーとして製作に参加した映画『ザ・ファイター』もアカデミー賞で注目を集め、また、製作総指揮者としてヒットテレビ番組を手がけるなど、多彩な才能を持つマーク。そんな彼が仰天発言したのは、米男性誌「Men’s Journal」最新号のインタビューだった。
マークは、同時多発テロに巻き込まれ、ペンシルベニア州ピッツバーグ郊外に墜落したユナイテッド航空93便について、「もし、オレが子どもたちと一緒にハイジャックされた飛行機に乗っていたら、あんな風に墜落しなかっただろうね」とコメント。「ファーストクラスは血の海になったろうけど。そして、オレが”OK、これから無事に着陸するから、みんな心配するなよ”って言うんだ」と語った。
この発言について、ユナイテッド航空93便に搭乗していたトーマス・バーネットの妻ディーナは、ひどい侮辱だと激怒。米芸能ゴシップサイト「TMZ」の取材に対して、「マーク・ウォールバーグはパイロットの免許をお持ちなのでしょうか。今更、何でこんな事を言うのか……その場にいなかったのに、自分ならこうしたと言うのは意味のないことだと思います」と述べ、「ハイジャックされた93便のテロ計画は、ヒーローたちによって阻止されたんです。マークの、自分が乗ってたらすべてを止めることができたという憶測は、バカげているし、ヒーローたちに対して敬意のない無礼極まりないことだわ。スタンドプレイをしているとしか思えない」と怒りをあらわにした。
マークは、バッシングされ始めたことに敏感に反応し、すぐに謝罪声明を発表。「自分なら、ユナイテッド航空93便に搭乗していた犠牲者と違うことができたと発言したのは、本当に無責任なことだった。無神経だったと感じている。犠牲者の遺族に深くお詫びを申し上げる」「犠牲者の遺族たちに不快な思いをさせることは、意図していなかった」と弁解している。
実は、マークは10代のころ、人種差別的な暴力事件を起こす問題児だった。刑に服したこともある。
16歳の時、道を歩いていたアフリカン・アメリカンの子どもたちを自転車で追いかけまわし、「オレらはクソッ垂れた黒人が嫌いなんだよ。さっさと失せろっ!」「ニガーを殺せ! ニガーをぶっ殺せ!」と人種差別で、侮辱的な罵声を浴びせながら、投石。ケガ人も出ており、起訴されている。17歳の時には中年のベトナム人男性を意識不明になるまで執拗にリンチし、片目を失明させるという大ケガを負わせた。この件で、マークは殺人未遂罪で逮捕されており、45日間刑に服している。
2006年に受けた米「ABC」のインタビューで、マークはこれらの黒い過去について、「後悔することをした。そのことには長年苦められてきた」「仕事が順調になり、他人に対しても、自分に対しても、正しい行いをできるようになってから、やっと罪の意識から解放されたんだ。今は、夜ぐっすり眠ることができるよ。朝起きるとすっきりしていて、いい気分だし」とコメント。世間からは、微妙な発言だと受け止められた。
マークが、今でも人種差別主義者なのかは定かではないが、もしそうであれば、白人以外の人種が起こした同時多発テロに対する嫌悪感は人一倍強いだろう。そして、それが今回の「ファーストクラスを血の海」にするまで攻撃し、テロリストたちを一人残らずぶっ倒すという発言につながったのかもしれない。
ユナイテッド航空93便の遺族だけでなく、マークに理由もなくリンチされたベトナム人男性やその家族の神経も逆なでするような今回の問題発言。ラッパーから下着モデルを経て、ハリウッド・ピラミッドの頂点まで登りつめて来ている彼は、「天狗になっているのではないか」といった意地悪い声もネットでは流れている。
“たられば”なヤツは救いようがない
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