つい邪推してしまう、プリンセス・プリンセスの10カ月遅れの再結成
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎年とると腰が重くなるもんでね
プリンセス・プリンセス、震災を受けて再結成。「私たちにも何かできるかなと思って決めました」て遅っ。3.11からもう10カ月近く経ってるよ。震災直後、メンバー間で連絡は取り合ったそうだが、そこから再結成に至るまで、これだけの時間を要するって……。いろんな邪推を呼ぶから、シンプルにただ「再結成します」の方がよかったんじゃないか。「世界で最も反応の遅かったチャリティ」として、ギネスに登録されるかもしれん。
◎何テイクとったんだろ
強風でスカートがめくれ、その股間から立ち上る香りを嗅いだ外国人から「ソノ香リ、ナンデスカ~?」と尋ねられ、「アロマリッチ!」と嬉しそうに答えるという、長谷川京子の柔軟剤のCM。あれ見て「まあステキ、あれ買おうかしら」となる主婦はいるのか。その設定の強引さにおいて、CM史上に残る怪作だと思う。
◎負けられない試合
VTRは録画だが、それを受けてのスタジオは生進行。毎回一人専門家がゲストとして呼ばれる作りのNHK『クローズアップ現代』。ぎゅうぎゅう詰めの尺の中で、毎回時間きっかりで、締めのコメントをまとめて番組を締めくくる国谷裕子キャスターの名人芸が見モノなのだが、山田洋二監督を招いて「時代劇の危機」について特集した回は、見ててヒヤヒヤもんであった。
「あのー、アレです、アレ」と、とっさに固有名詞が思い出せない、時代劇が脚光を浴びる韓国ドラマ界に対して「あんなに劣っていたのに」と口をすべらせる、尺を長く取る割に、的を射ないコメント連発と、監督の「生」に不向きな体質が次々と露呈。話を急がせたり、話の腰を折ってコメントをまとめるなど、時間内に収める為、時折ゲストに対し多少の荒技も交える国谷キャスターであるが、大御所・山田監督にそれは適用できず。ラスト、長々とした監督の話を受けての締めコメントが収まり切らず、ブツッと切れたのを初めて見た。悔しかったろうなぁ国谷キャスター。そして、山田洋二監督が生番組に出ることも二度とないだろう。久々にテレビ見てて手に汗握った。いや、松ちゃんのコント『MHK』以来だから久々でもないか。NHKって、意外と頻度高いわ。
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。
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