経済的理由? 自分を追い込むため? 高校中退し成功を収めたセレブ
日本以上に学歴社会だといわれるアメリカだが、高学歴だからといって社会で成功するとは限らない。学費がとても高いため、学生ローンや奨学金の支払いに苦しむ人も多く、才能があれば学歴など関係ないのではという意見もあるほど。あのスティーブ・ジョブズだって、早々に大学を中退しているのである。
とはいえ、日本同様「高校は出ておかなければ」と考える者は多い。どこに就職するのにも、高校卒業証明が必要だからである。しかし、高校を中退しても、成功を手に入れる業界がある。才能が全ての学歴不問の世界、ハリウッドだ。今回は、ハリウッドで成功を収めたセレブの中から、「高校中退したセレブ5」をご紹介する。
■第5位 キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
子どものころから人前でパフォーマンスすることが好きだったキャサリン・ゼタ・ジョーンズは、11歳で地元劇団の舞台『アニー』で役者デビューをし、女優を目指すようになった。12歳で、すでに成熟した雰囲気を漂わせていたという彼女は、14歳の時、ロックバンド「ザ・モンキーズ」のミッキー・ドレンツが出演するツアーに抜擢された。本格的に女優になろうと決心したキャサリンは、15歳で高校を中退。同時に俳優組合のカードを獲得し、業界からも女優と認められた。
俳優組合のカードを手にしたキャサリンはロンドンに移住し、以後、数多くの作品に出演。ハリウッドにも進出し、『シカゴ』(2002)でアカデミー賞を獲得。世界的女優として揺ぎ無い地位を手に入れた。
■第4位 ケリー・オズボーン
アルコールや麻薬中毒をくり返すオジー・オズボーンの娘、ケリー。彼女は13歳でウォッカを飲み始め、同じ年に扁桃腺を切除する手術を受けた際に処方された鎮痛剤に依存するうようになり、十代前半で父親同様、立派なジャンキーへと成長した。
進学したアメリカの高校では、イギリス訛りの英語や体型をからかわれたため、次第に足が遠のいていったという。それでも何とか高校を卒業しようと努力したそうだが、17歳の時に母が結腸ガンだと診断された後に鎮痛剤の依存が進み、1日になんと50錠も服用するようになってしまい、学業よりも薬物中毒を治す道を選んだ。
薬物依存症克服のために高校を中退したケリーだが、その翌年に今度は父オジーが自宅庭で四輪バイク事故を起こし、ショックで再び大量の鎮痛剤を飲むように。さすがの両親もケリーの身を案じ、20歳の時に厳しいリハビリ施設に引きずり込んだ。しかし、彼女は依存からなかなか立ち直ることができず、21、25歳の時に再びリハビリ施設に入所。もう勉強どころではなく、ケリー自身も「高校中退したのは仕方のないことだった」と開き直っており、いつの間にか、迷える若い世代へのリーダー的存在へと変身を遂げた。
■第3位 ヒラリー・スワンク
映画『フリーダム・ライターズ』(2007)で学級崩壊したクラスを立て直そうと情熱を注ぐ新人教師役を演じたヒラリー・スワンクだが、実は16歳で高校を中退している。学校では規則に従えない生徒として目をつけられ、「特におしゃべりだったことで先生に叱られていた。何度も、『ヒラリー! 喋ってばかりじゃダメよっ!』って怒られて」「通信簿に、ヒラリーはジャバーマウス(ぺちゃくちゃ喋る口)な子だって、書かれたこともあった」とのこと。規則で縛ろうとする学校に嫌気がさした彼女は、女優になるため学校を辞め、母とふたりでロサンゼルスに移り住んだのだった。
学業よりも夢に突き進むことを選んだヒラリーだが、「高校中退したことは、はっきり言って恥じているわ。中退しなければよかったと思うけれど、中退しちゃったのはまぎれもない事実なのよね」と発言している。しかし、問題のある学校や教師がいるケースもあるとし、「学校に行くことはとても大事なことだと思う。でも、この国は大きな教育問題を抱えているわ。自分の将来を悲観する子どもたちがいるのだから。本当に残念」と辛口コメントもしている。
■第2位 トレイシー・モーガン
大ヒットTVコメディ『30 ROCK』の人気喜劇俳優トレイシー・モーガンは、5人兄弟の第2子として治安の悪いニューヨークのブルックリン地区で誕生。ベトナム帰還兵だった父親は家族を捨て後にエイズで死亡、兄は脳性まひという家庭で育ち、幼いころからひどいいじめにあっていたという。しかし、彼は笑いをとることでいじめっ子たちから一目置かれるようになり、コメディアンを目指すように。
地元の高校に進学すると同時にスタンドアップ・コメディアンとして活動するようになった。16歳の時、有名クラブ、アポロ・シアターでのパフォーマンスを見た俳優マーティン・ローレンスの元妻から才能を買われたトレイシーは、高校を中退し、コメディアンとしてのキャリアを着実に積み重ね大ブレイクしたのだった。
トレイシーは高校を中退したことに関して、こうコメントしている。「オレは高校中退してよかったと思っている。中退して正解だった。もし卒業していたら、ここまで成功しなかっただろう。学歴のないオレは、コメディアンとして失敗したら終わりだと思って、がむしゃらに頑張った。だからこそ、ここまで成功したんだよ」
■第1位 クエンティン・タランティーノ
役者やミュージシャンと異なり、映画監督の多くは一流大学で映画論を学ぶにつける者が多いが、クエンティン・タランティーノは大学どころか、高校も1日通っただけという経歴の持ち主。なぜ高校を中退したかというと、「高校の初日に、自分単独で行動した方がはるかに学べると確信したから」。中退後ポルノ劇場でバイトを始め、社会勉強に精を出した。
その後、カリフォルニア州マンハッタン・ビーチのレンタルビデオ屋に採用されたクエンティンは、5年間バイトをしながら、映画を学び、店を訪れるさまざまな映画大好き人間とのコネを深めていった。後に共同で『パルプ・フィクション』を制作することになる映画監督のロジャー・エイヴァリーとも、このレンタルビデオ屋で出会っている。バイト以外の時間を脚本執筆に費やしたクエンティンは、店で培ったコネと、義父で音楽家のカーティス・ザツピルのコネを生かし、監督として大きく羽ばたいていった。
ほかにも、モデルになるため17歳で高校中退したキャメロン・ディアス、バンド活動に専念するため中退したジョニー・デップ、アヴリル・ラヴィーン。ブリトニー・スピアーズの妹で女優をしていたジェイミー・リン・スピアーズは16歳で妊娠してしまい、高校中退の道を選んでいる。
学歴に頼らず、自分の手で成功への道を切り開いていく。何をやるにも自分次第なのだということを、彼らは教えてくれる。
卒業したところで英語も話せないんだから、何をしていたのやら
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