吉本興業の「面白い恋人」騒動、類似商品を扱う企業からも非難の声
商標権を侵害されたとして「白い恋人」を製造・販売する石屋製菓が、吉本興業や子会社のよしもとクリエイティブ・エージェンシーら3社を札幌地裁に提訴した。昨年7月からよしもとが販売する菓子「面白い恋人」について、ついに本家も堪忍袋の緒が切れたようだ。
「面白い恋人」はパッケージからネーミングまで、「白い恋人」のパロティー商品であることは明らかだ。発売当初は大阪市内のみで販売されていたが、石屋製菓の担当弁護士によれば「現在は東京のショップ、また京都や神戸などの駅でも販売されている」という。会見した同社の島田俊平社長も「短期間で販売を終えると思ったが、東京でも売られていると知って見過ごせなくなった。悪ノリが過ぎて、全然面白くない」と、怒りを顕にしていた。訴状では販売の差し止め、またすでに生産している商品の破棄も求められている。
この「面白い恋人」、吉本のお膝元である大阪の言葉を借りればいわゆる”バッタ物”だが、さまざまな地域で「○○の恋人」と銘打たれたアイテムは存在している。しかし、なぜ今回吉本だけが提訴されてしまったのだろうか。
「吉本はPR会見のおみやげに『面白い恋人』を配ることもあったし、各メディアへの挨拶回りの際も手土産として配布していました。吉本関係者に『これ、大丈夫なんですか?』と聞いたこともありますが『まぁ大丈夫でしょう』と軽いノリで答えていましたよ」(スポーツ紙記者)
ご当地だけでなく日本各地での販売、そして営業ツールにまで使わっていたとすれば「○○の恋人」シリーズの中で目にあまる存在になっていても仕方ないかもしれない。吉本の認識の甘さについては、同じく「○○の恋人」のネーミングで商品を販売する企業広報が、匿名を条件に取材に応じてくれた。
「吉本さんは商標が取れなかった時点でマズイことに気付くべきだったんですよ(※吉本興業は『面白い恋人』の商標登録を特許庁に申請するも、今年2月に「白い恋人と同一」との理由で認められなかったことが明らかになっている)。似たようなパッケージにパロティーなネーミング、しかも両方ともお菓子とあっては言い逃れもできないでしょう。ウチは当然商標も取っているし、石屋製菓さんも名前くらいは存じているでしょうが、過去10年以上、物言いがあったことは一度もありません」
そして、今回の訴訟に関しても吉本側をバッサリと切り捨てた。
「これは商売をする上でのモラルの問題。大手企業がこれだけの規模でパクリ商品を販売するというのに、石屋製菓さんには事前連絡も一切なかったというじゃないですか。タダ乗りしていい話じゃないことは十分理解していたはず。吉本さんは事前の挨拶、お笑いで言うところの”つかみ”を怠ってしまったから、石屋製菓さんに『面白くない』なんて言われてしまったんですよ」
オフィシャルサイトでは「できる限り早い段階で石屋製菓様とお話し合いをさせていただく機会を得て、上記のような弊社の考えをご説明させていただき、円満な解決とさせていただくことを希望しております」とコメントを発表しているが、2日の時点で石屋製菓に対してリアクションは一切ないという。決着は法廷に持ち込まれてしまうのか、注目が集まる。
謝罪の連絡は早くしたほうがいいって!
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