カンボジア代表の野球物語に、名乗りをあげるドキュメンタリー番組は……
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎金は動くが人は動かず
元阪神・広澤克実がカンボジア代表の野球監督に就任。現地を広澤が視察してる映像をニュースで見たが、国代表なのに選手が裸足で練習してたりして、いろんな意味でのギャップに驚いてた。んー。これ絶対映画になるだろうな。もう今からプロジェクト動いてるね。ドキュメンタリー番組も密着計画立てまくりだね。『情熱大陸』と『バース・デイ』(ともにTBS系)のつばぜり合い、しかしあっさり金に物を言わせた『NHKスペシャル』の一人勝ちと。見える、「コレ数字取れるぞ」とニヤつく業界人の虎視眈々が。しかし一番気になるのは、代表監督就任だというのに、「広澤のカンボジア現地での指導は月一回」という脱力情報である。……住めや。
◎柔道界激震
セクハラで解雇された、柔道金メダリスト・内柴正人。「セクハラ」って、往々にして「なんだかなぁ」というケースも多いのだが。内柴ってば、未成年の学生に飲酒させたり、「辞任」ではなく「解雇」だったり、「被害人数に関しては、申し上げられません(学校側会見より)」と、結構な本格派っぷりにびっくりだ。だがもっとびっくりしたのは、「セクハラ」したくなるような部員が女子柔道部にいたってこと。「柔道を一生懸命やってきたことも考慮して、判断して欲しい(本人コメント)」か。それは「柔道をやってる人間なら、女子部員に食指動かすわけないじゃん!」という心の叫びなのか。今後、裁判する気らしいから、その辺注目しよう。
◎逃した魚はデカすぎた
「白い恋人」の石屋製菓、「面白い恋人」を提訴だと。ったく、つまんね会社。会見で「全然面白くない!」て怒ってた人、あなたが一番面白くないですよ。「ここのデザインが似てる」「あそこの字体が同じ」って、「裁判的」な捉え方をしたら、いわゆる中国とかの「パクリ」と同じ扱いになっちゃうんだろうけど。そうじゃないんだって。「間違って買ってしまったという、お客様からのお問い合わせも多数あった」って、そんなアホほっとけばよろし。あれ買う人のほとんどは「白い恋人」ありきで買ってんだから。本家ありきのパロディーなんだから。「白い恋人」のパブリックイメージが、それだけ世間に浸透してっから「面白い恋人」が出てるんだって。もっとドーンと大きく構えて行こうよ。「面白い恋人」を販売停止に追い込んでも、得られる利益って実質5,000円くらいだと思うよ。それより「石屋製菓ってのは、シャレがわからんつまらん会社」ってイメージがもたらす損(主に関西方面)の方がデカイと思う。
何つっても、相手よしもとなんだからさ。ここはコラボ企画とかで手打った方が、広告効果もあってリターン大だろ。ウエンツと今田耕司使って「白い恋人、面白い恋人、あなたはどっち派?」イベントとか、目隠しして食べさせて「こっちが『白い恋人』だ!(目隠し取って)ほら、やっぱ全然味違うわー」という、往年のペプシVSコーラ戦争風CMなんかどうか。あと、関西ローカル番組の大御所芸人総出で「白い恋人、あれ美味しまんなぁ」って情報番組で言わせるってのもアリだろう。グルメロケでも平気で出された食べ物にダメ出しする月亭八方に「これはほんまにウマい!」と太鼓判押させたり。逆に「ウマいけど、さりとて」と本音で言わせるのもいいかも。よしもとと組めば(それも有利な立場で)パブリシティは無限大。電通さ~ん、また新しい仕事見つかりましたよ~。
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。
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