映画の買い付けにロスへ! 結局子ども服を買い漁ってしまいましたよ
3年ぶりに映画の買い付けのため、ロサンゼルスのフィルムマーケットに5泊7日で行ってきました。フィルムマーケットとは、簡単に言うと映画の見本市。東京ビッグサイトなど開催されている「ゲームショー」や「モーターショー」をイメージしてもらえば、分かりやすいかもしれないですね。会場にブースが設置され、興味のある映画があればそこに入って商談する。本編を見ないと分からない場合は、午前9時からサンタモニカ周辺の映画館で2時間おきに試写してるので、「商売になる!」と思えばブースに戻ってきて商談する流れです。他にも、映像がない脚本段階で買うとか、映画の買い方もいろいろあるわけです。
もう伝説となってますが、あのフランス映画『アメリ』は、まだ映像が何もない状態の脚本段階で買い付けをしたんです。脚本段階で買うと、完成した映画よりもかなり安く買えるんです。なぜならどんな映画になるのか実際のところ分からないから。安く買えるが、リスクもあるってこと。ある意味ギャンブル的な要素も多いんです。『アメリ』の場合は仮にしょぼい映画となったとしても、監督が有名だったから最新作として映画館上映なり、DVDリリースすればある程度は回収できるだろうという予想もしてたんですけどね。結果的に『アメリ』は爆発的ヒットとなり、ミニシアターでの記録を打ち立てたんだけどね。
また、フィルムマーケットで売れ残ると、次の映画祭で半額以下で買える場合もあります。『えびボクサー』というイギリス映画は当初60万ドル(当時は約6,0000万円)と言われ、どうしても買いたかったんですがあきらめました。その3カ月後の映画祭で、『えび~』を売っていた会社のスタッフとばったり。「お前、『えびボクサー』を欲しがってたよな? 買わないか? 日本だけ売れてないんだよ」「だって60万ドルなんて払えないよ」「いや、今はもうお前の言い値でいい!」「マジ? じゃ1万ドルは?」「うーん、せめて2万ドルで!」という流れになり、結局2万ドル(当時約200万円)で買えた。このようにハッキリ言って映画の売値は適当なんですよ! 基本的に映画の買値は製作費の10分の1。そうすると、『えびボクサー』が6億円で作られる計算になりますが、あり得ないっつーの! 先方は高く売りたいので製作費も適当に盛ったりするので、そういうウソも見抜かなければならないんです。ま、何本かダマされたけど。
今回、オレが気に入ったのはサメのパニック映画です。しかも3Dでサメが飛び出す! 面白い! が、高い! 50万ドル(約3,900万円)だと。うちの会社も頑張った金額でオファーを入れてみたが、他の会社に取られてしまいました。他にもアクション系ゾンビや、半魚人ものなど下手したらB級と思われる作品だらけ。まあ、半魚人はZ級かも。しかし、「今時、半魚人はないだろ」とツッコみたい。ストーリーも、ある家族が氷が張った湖で釣りをしていると、氷の下に見たことのない生命体が猛スピードで動いている姿を見つける。この化け物が突然、陸に上陸! という内容でした。スクリーンに化け物が映った瞬間、誰もが腰抜かした! だって昔の半魚人のままの特殊メイクなんですよ。今だったらもうちょっとリアルな着ぐるみ作れるはず。予算がないのか、作ったヤツのセンスなのか、半魚人はホントにひどい! でもオレは逆にここまでひどい映画を見たことがなかったし、半魚人って今は新しいかもしれない。社長にこの映画を買おうと相談してみると、即却下! ま、当たり前か。
あと気になった映画は『IRON SKY』という作品。ヒットラー率いるナチスドイツが終戦間際にロケットで月に脱出して独自の進化をし、2018年に巨大UFO軍団を率いて地球に総攻撃をかけるという内容で、映像にもかなり金がかかっている感じでした。まだ全部は完成してないのですが、これはかなりの傑作になると見た。それにしても発想がすごい。これ考えたヤツは天才ですね。完成は来年という触れ込みでしたが、ホントにできるかは微妙らしい。というのも、この作品の企画は2年前からあったらしく、2年経ってたった20分の映像しかできてない。買い付け金額も1億円近いのでオレは確実に買えないが、完成したらどこかの配給会社が買って日本公開してくれると思うので、それまで待つか!
そうそう、到着日は比較的に時間があったので、買い物に行きました。ちなみにオレは自己破産してるので、クレジットカードを持っていないんですよ。事前に日本円をドルに換金し、現金を持って行ったんです。海外でカードがないというのは、結構不便ですね。
サンタモニカのプロムナードをブラブラ歩いてると、子ども服店やおもちゃ屋が多いので入ってみました。すると、Tシャツが3枚で10ドル、ダウンが30ドルとかなり安い! 円高だから10ドルで800円ほど。しかし、モノがしょぼいし、センスもイマイチ。お客さんはメキシコ系や東南アジア系の家族連れが多かったみたいですね。オレがロスでよく行く「フレッドシーガル」というセレクトショップに行くと、子ども服も充実していて、なかなかセンスもがよい。ドクロ柄のロンTと、黒地にラメっぽいデザインのロンTの2枚を購入しました。1枚40ドルぐらいだから、3,000円強。子ども服にしては結構いい値段ですが、円高だからいっか。
続いてブラブラ歩いていると、「キットソン・キッズ」を発見。入ってみると、ここもなかなかセンスがいい。特に靴の数が充実してました。VANの派手なデザインのスニーカー27ドルと、ド派手なハイカットスニーカー40ドルの2足を購入! 驚いたのは、アメリカでも日本の子どもサイズは通用すること。日本サイズを店員に言えば、ちゃんとそのサイズの靴を出してくれました。ロンTはサイズ90が欲しいと言ってるのに、100とか110のサイズ出してくるんですよ。「90でいい」としつこく言うと、「子どもはすぐに大きくなるから、大きめのサイズを買った方がいい」と。それじゃ今買っても着れるのは来年か再来年。その時にこのデザインの服が気に入るかどうかも分からないので、店員に「今着せたいから、90でOK!」と無理やり買いました。親切から言ってるのか、オレが男だから子ども服のことをよく知らないだろうと思ってるか分からないですが、服を買うにも一苦労でしたよ。
ロスには、ハワイに留学していた時の友人がいるんです。毎年ロスに来ると会っていたのですが、今回も3年ぶりに会うことになり、彼が経営してる日本食の居酒屋に行ってきた。去年結婚して、今は子どもも産まれたということを事前に聞いてたので、日本から著書『突然、9歳の息子ができました。』を土産に持って行きました。ちなみに彼はハワイに1年だけ留学し、その後ロスに行き弁護士を目指してたが、なぜか挫折。で、いろいろな仕事を経て、店を出したそうです。彼の店は完全に日本の居酒屋。寿司屋風なカウンターがあり、奥にはテーブル席。客はほとんどが外国人でかなり繁盛しましたね。そこそこ調子はいいそうです。帰り際、彼の奥さんと赤ん坊が店に来た。赤ん坊はまだ2カ月なので、めちゃめちゃ小さい。ココもこういう時もあったんだなあ、と思いきや、ココの赤ん坊時代のことは完全に忘れてますね。まあ、子ども服のお土産も買ったことだし、いいとするか!
まーくんはすくすく育っているそうです、安心しました!
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